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なりたかった、筈だった
僕はきっと大人になりたかった
ぼくはきっと世界を見たかった
それなのに今の自分は
外の世界を見る気がしない
鳥籠の中で暮らしている
少し大人になって「いじめ」を知った
嘘の上塗りばかりの世界に
息が浅くなっていった
鳥籠は開かれている
誰も傷つかず
誰も傷つけない
傷つかずに済む
傍から見ればただの言い訳で
エゴと自己欺瞞の塊でしかない
頭のどこかで分かってはいる
生きること
それは多分死にゆくこと
限りある時間の中で、存在を
何年削り何日伸ばすかなんて
最初から定まった事ではない
どれだけ徳を積んだら
来世の幸せを掴めるか
そんなことは誰も知らない理想論
だからと言って夢を見るのは楽しい
知らない世界を見てみたい、とか
学校の友達と遊んでみたい、とか
友達が欲しいとか
僕はきっと新しいきっかけが欲しかった
僕はきっと一緒に笑ってくれる人が欲しかった
今すぐに出来なくても
やりたい、と思える何かが
心の中から抜けていたから
しょうもないことでも
一緒に肩を並べて
笑っていたかったから
夜の帳が上がり
朝が来る
来ないでと毎日思う朝も
昨日と違う空を見るだけで
僕は少し外が好きになる。




