表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
monologue Ⅱ  作者: 雪杜 伊織
2/2

なりたかった、筈だった


僕はきっと大人になりたかった

ぼくはきっと世界を見たかった


それなのに今の自分は

外の世界を見る気がしない

鳥籠の中で暮らしている


少し大人になって「いじめ」を知った

嘘の上塗りばかりの世界に

息が浅くなっていった


鳥籠は開かれている

誰も傷つかず

誰も傷つけない

傷つかずに済む


傍から見ればただの言い訳で

エゴと自己欺瞞の塊でしかない

頭のどこかで分かってはいる


生きること

それは多分死にゆくこと


限りある時間の中で、存在を

何年削り何日伸ばすかなんて

最初から定まった事ではない


どれだけ徳を積んだら

来世の幸せを掴めるか

そんなことは誰も知らない理想論


だからと言って夢を見るのは楽しい

知らない世界を見てみたい、とか

学校の友達と遊んでみたい、とか

友達が欲しいとか


僕はきっと新しいきっかけが欲しかった

僕はきっと一緒に笑ってくれる人が欲しかった


今すぐに出来なくても

やりたい、と思える何かが

心の中から抜けていたから


しょうもないことでも

一緒に肩を並べて

笑っていたかったから



夜の帳が上がり

朝が来る

来ないでと毎日思う朝も

昨日と違う空を見るだけで

僕は少し外が好きになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ