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河童と一緒に魔王倒し隊〜友情編〜  作者: 大石次郎


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15話 光の橋

継戦可能な妖精の軍勢の兵は残2割5部。希望の砦の兵は6割。水棲種族は8割となっていた。


「海からの攻撃を含めて第二波も防ぎたい。持たせてくれるかい? フルバジャン」


飛行種や水棲種の斥候が魔王の島と半島の中間辺りまで海の魔物や飛行する魔物の影を確認しだしている。


協議したヒカル達はあと3時間は休息が取れないと陣営を立て直せない判断していた。


「任せるのだ勇者とその仲間達よっ! おお!! 寄り合い集まり給えっ、この世の光っ!! インフィニティオラクルセイントぉおおっっブリッジぃぃーーー!!!!!」


半島の岬で、激しく発光しながらレスリングのブリッジの体勢を取る橋の精霊フルバジャン。


その姿は眩く輝く聖なる光の橋となり岬と魔王の島と繋がった。


橋の光に照らされた魔物達は水陸空問わず、浄化され消し飛んでいった。


「クワッハっ、凄いぞっ」


「攻撃としてもクリティカルですね。可能なら魔王城に直接ぶつけたかったところです」


(これより8時間維持する! 逞しく滑らかな曲線美を誇る吾輩の上を好きなだけいつでも渡るがいいっ?!)


フルバジャンの思念がヒカル達に響く。


「···ちょっと嫌かも?」


若干引く女性陣ではあった。


_____



自分達のテントに戻ったヒカル達は、新たになった装備や所持品の確認を行うことにした。


「モモミチとノブミは眠いだろうがチェックしとこう」


継続して使う装備の補修は妖精族や水棲種やラミアの職人達な直してくれていた。


「希望の砦の皆は世界中の商人ギルドからも支援を受けて色々集めてくれたみたいね。···ピザタンクのヤツも結構持ち出したらしいけど」


「ヒカルがお玉で斬り捨てなくてよかったんだぞ」


「いやそこまでしないけど···」


希望の砦勢からは消耗品や汎用的なアクセサリーの他、ヒカルには勇者ヨキが遺したアダマンタイトの兜と収納鞄、使い捨てのミスリル剣100本。


モモミチにも収納鞄と聖女が遺した流星のローブ。ミリンミリンには先祖の遺したヒヒイロカネのブーメランが提供された。


「チャリンを払わずもらってばかりで申し訳ないくらいですが、水棲種種族からも頂きましたね」


ヒカルにアイスカトラスを上回る攻撃力の水晶の剣。モモミチには聖女の遺したシャマシュの神鎚(しんつい)が提供された。


「ラミア族からも凄いのもらった、カーストレントの瘴気は我慢比べだったからな」


「他に変なモノもらったり約束してない?」


「わたくし達が疲労困憊でダウンしている間によからぬ密約があったと、噂を聞きましたよ?」


「センシティブ!」


「いやっ、違う違う! 魔王倒せたら逃げるつもりだからっっ」


ヒカルが慌てつつ、ラミア族から渡された全員に全ての状態異常耐性を発揮する蛇王(じゃおう)の聖印も確認。


他、妖精族からはエリクサーを上回る回復力のマキシマムエリクサーを一瓶ずつ提供されている。


一行は太陽の聖印以外の個別の基本アクセサリーとしてモモミチとノブミは素早さを高める迅速の護り、水を通して感電し易くはあるミリンミリンは電撃耐性の(つづみ)の護り、ヒカルは魔族全般対策として闇属性対策の暁の護りを身に付けることになった。


「あとは状況次第で足したり替えたりしてこう」


「なんか興奮してきたんだぞっ?」


「取り敢えず、エリクサーを飲んで仮眠を取りましょう···」


「眠···」


装備、持ち物の確認を終えた一行は一時の眠りに落ちてゆくのであった。


______



休息を終えたヒカル達、妖精族の軍勢、希望の皆の兵、陸戦可能な水棲種族達、巨体を顕わとしたラミア族は岬側の光の橋に乗った。


(いざゆかんっ、魔王の島へ!!)


フルバジャンは全員を一気に魔王の島へと滑走させた。


島では、光の橋の影響外で魔物達が待ち構えていたが、


「ホッホッホッ! 魔と名乗るには脆弱であるわっ!!」


ラミア族は触れる者を磨り潰す砂の竜巻を何十本も放ち、初手の遠距離攻撃を潰し飛行種及び霊体系の魔物の大半を消し飛ばした。


(おか)で余力のある内に務めを果たすぞ!!」


陸戦で長く戦えないと判断された水棲種族達が近接先陣を切った。全員で海水召喚して津波に乗って襲い掛かる。


「魚どもめっ、うっっ、ごぼぽぽ??!!!」


初手の砂嵐の攻撃が利いていたこともあり、一気に島の端から魔王城までのルートの後半までほぼ水棲種だけで押し切ってゆく。


特に野外で待ち構えた魔王軍の内、炎や砂、泥、土の性質を持つ魔物やナメクジ系等、塩分の苦手なタイプの魔物はこの怒涛の攻撃でほぼ壊滅した。


しかし、


「煮えた海はどうだ?」


魔王城の正門の辺りから彗星のような大火球が陸の津波に向かって放たれ、津波に呑まれていた魔物諸とも大爆発を起こし、焼け付く霧の中、半減以下になった海水は煮え立ち、爆発から生き残っだ水棲種族達は慌てて熱水から逃げ出した。


野外の魔王軍も被害甚大であったが、一撃で水棲種の8割は継戦不能にされて一旦後衛回るより他なかった。


「こうなっては熱水の堀。退けるのだ」


ラミア達は特大の砂の竜巻を起こし、熱水と霧を全て巻き込んで魔王城の正門に向けて放った。


ドォッッ!!!!


凄まじい火柱が起こり、熱された泥の竜巻は消し飛ばされた。霧が晴れる。


「ラミアも、邪魔だなぁ。へへ」


正門には火属性の竜人ワードラゴンらしき戦士がいたが異様に巨体であり、左腕が火竜の頭部となっていた。右手には巨木のごとき蛮刀が握られている。


「炎の魔将、フラカンデーモン。魔王軍、最大戦力だっ」


冷や汗をかいている希望の砦の司令官。


「···俺達でやる。全員、さざ波の護りでいこう。ノブミの真なる魔法は温存。皆は援護で、俺に任せてくれ」


白騎竜から降り、収納鞄からミスリルの剣を抜きながらヒカルが言った。


顔見合わせるモモミチ達であったが、


「「「了解」」」


ヒカルの判断を信じ、白騎竜から降り炎耐性アクセサリーを身に付けた。


頷き合い魔王城の正門へと駆け始める4人。


「プロテクト! レジスト! ストロング!」


4人に補助魔法を掛けるモモミチ。


「アイスっ!」


通常の凍結魔法をフラカンデーモンに連打するノブミ。


「ああっ?」


ほぼ効いていないが、初動は遅れるフラカンデーモン。


「クワッ」


起こした激流に乗り、甲羅にヒカルを掴まらせて間合いを詰めるミリンミリン。


「面白い組み合わせだっ、来いよ!!」


左腕の火竜から爆炎を吐いて激流ごとミリンミリン達を呑み込むフラカンデーモン。


「アイス!」


「ヒール!」


ノブミの妨害でブレスは止められ、位置を感じ取ったモモミチの回復魔法を発揮された。


ボッ! ブレスが止まっても消えず地面を融解させる火炎から蒸気の球体が飛び出し、


「あっちぃーっ?!」


中から現れたミリンミリンがヒカルをフラカンデーモンの周囲に水の衝撃を使い預かっていた全てのミスリルの剣を撃ち刺した。


「っ?!」


フラカンデーモンが戸惑ったその時には既に背後に焦げた隠れ身のマントを着たヒカルがミスリルの剣を逆手に構えていた。


ガガガガガガッッッッ!!!!!


次々と刺さった剣を持ち替えながら、超高速の斬撃をフラカンデーモンに打ち込み剣を砕いてゆくヒカル。


「うぉおおおおっっっ??!!!」


蛮刀を持つ右手の指を全て落とされ、首の部位への数撃で火竜の左腕を落とされ、鎧の隙間を斬り裂かれて身動きを封じられ、胸部鎧への数撃で装甲を砕かれてゆくフラカンデーモン。


「フラカンデーモン様っ?!」


残存の魔物達が援護に入ろうとしたが、ミリンミリンとモモミチとのノブミ、仕切り直した反魔王軍の兵達が阻止する。


刺された全てのミスリルの剣を使い切り、背の鞘に差してしたアイスカトラスを抜いて逆手に持ち、腰溜めに大きく構えるかなり消耗した様子のヒカル。


「もう目が慣れたろ? もっと速くなるぜ?」


「ぬかせっっ!!!」


両腕を失い血塗れだったが、全身を炎で焼いて止血し、燃えたまま、尻尾でヒカルを突き刺しに掛かるフラカンデーモン。


ヒカルは超高速回避したが、気配を察し、喰い付きに掛かるフラカンデーモン。


ドッ! 地を踏み締め、さらに神速の域で加速するヒカル。


氷の刃がフラカンデーモンの胸部断ち割り、袈裟懸けに両断しいった。


「ちく、しょ···」


凍結し砕け散るフラカンデーモン。ヒカルのアイスカトラスも砕け散った。


「はぁはぁっ」


膝をつき動けないヒカル。まだ魔物の軍勢は残り乱戦となっていた。


ノブミが通常攻撃魔法で牽制し、ミリンミリンが水流に乗ってヒカルを回収し、魔物の小集団を巨大化させた鎚で根刮ぎ叩き潰していたモモミチが遠隔で回復魔法を掛け、一行は一旦、魔王城の正門近くから撤収していった。

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