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河童と一緒に魔王倒し隊〜友情編〜  作者: 大石次郎


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12話 妖精の軍勢

大精霊神殿を後にしたヒカル達は隠れ身のマントで姿と気配を消し、聖なる力を持つ馬のように騎乗できる白騎竜に乗って遥か北東の険しい山地の奥地に造られた妖精族の砦を目指した。


「うわわっ? ドワーフの鞍のお陰で乗れはしますが、は、速い〜っっ」


「クワックワッ! オイラ、コイツら気に入ったぞ?!」


風のように駆ける一行。

ヒカルはこれまでの装備に加え、勇者ヨキが遺したアダマンタイトの盾を装備していた。


モモミチはこれまでの装備に加え、ヨキの仲間の聖女が遺した流星のティアラを装備。


ミリンミリンはこれまでの装備に加え、先祖が遺したオリハルコン亀の腕輪を装備している。傷んだ装備も神殿の工房で全て補修され、ノブミ以外のメンバーの装備も1点ずつ強化された形だった。


「急ごう。もう、神の加護でも誤魔化しきれない。速い程対策も甘いだろう」


一行は最低限度の野営で森と平原を駆け抜け、慎重にルートを吟味して件の山地へと進み、そして···


「いるいるっ」


「神殿の参道と違って西側からここまで来ると、とうこの道しかないもんね」


完全に魔除けの破壊された山の街道に即席の砦が造られ、休眠もしない魔物達がたむろしていた。


砦には魔法対策の結界も施されている。


岩陰からそれを伺うヒカル達は顔をしかめた。


「すんごい備えられてるんだぞ?」


「ノブミ、いけそう?」


「1撃で結界ごと全て破壊するのは無理です。2撃、ですね」


「エリクサー込みで2撃目はどれくらいで撃てる?」


「20秒下さい。ただ、それで今回は打ち止めとなります。あとは意識を守って身を守るので手一杯···」


「ノブミのフォローは私に任せて」


「よし、それで行こう」


一行は一旦離れて、簡単な結界を張った即席野営地に白騎竜達を繋ぎ、改めて岩場2戻り先程より近い位置に潜んだ。


「俺もなんか飛び道具いるな···あの辺の岩でいいか。少し離れるが補助頼む、モモミチ」


「任せて!」


「オイラもちょっと離れた方が後衛の2人が狙われ難いか」


ヒカルは巨石の目立つ高所の岩場に移動。ミリンミリンも程々に離れたやはり高所に移った。


「ではっ」


大賢者の力を解放するノブミ。隠れ身のマントでももはや隠しきれず、探知した砦の魔物達が反応する。


「一点集中っっ、トルゥース・マナレイ!!!」


熱線を集約した真なる魔力の奔流で結界の一箇所を撃ち抜いて結界を崩壊させ、そのまま砦を両断させて照射点を炸裂させるノブミ。即座に膝をつきながらエリクサーを飲みだす。


「プロテクト! レジスト! ストロング!」


モモミチの補助魔法が掛かり、砦の生き残りの魔物達が遠距離攻撃を撃ちながら殺到を始める。


ミリンミリンの放った激流を纏わせた龍鱗のブーメランが遠距離攻撃を相殺し、ヒカルが剛力で巨石を次々と投げ付け魔物達の初動を潰した。


と、轟音と共に右腕を失った軽装の魔族が浮遊して両断炎上する砦から現れた。


「なるほど、認識できるわ。勇者がっ、来た!! アハハハッッッ」


煙が逆巻き肥大し隻腕の魔族は、翼を持つ隻腕の巨獣の姿に変わった。


「あたしはギガスフィンクスっ! 八魔将が一角よっ!!」


「俺はヒカル!」


「オイラ、ミリンミリンっ!」


ヒカルは巨石を、ブーメランを失ったミリンミリンは水の弾を連射したが、余裕の表情で翼から放った衝撃波で撃ち払った。


が、時間差で投げられていたモモミチのホワイトプロミスの鎚・改に巨大な顔の横っ面を叩かれて、鼻白むギガスフィンクス。


「この(アマ)っっ」


憤怒の表情を見せるギガスフィンクス。しかし、


「トゥルース・マナトルネド!!」


回復し、再び大賢者の力を解放したノブミが真なる風を大渦を巻き起こし、残存の砦の魔物達の大半を磨り潰し、ギガスフィンクスの右手の翼を引き裂いた。


「ギャアアァァーーーッッッ!!!!」


絶叫し、宙でよろめきながら、口から電撃のブレスを肩で息をしているノブミに吐くギガスフィンクス。


飛び付いて回避させるモモミチ。着弾点からの放電は完全には避けられなかったが直撃は免れた。


「ヒール!」


モモミチが2人纏めて回復魔法を掛ける中、激流に乗ったミリンミリンが中空のギガスフィンクスに迫っていた。


「錐揉みクワッハーーーっっ!!!」


激流諸とも龍鱗の槍を構えて回転突きを放ち残る左の翼を引き裂くミリンミリン。


ギガスフィンクスはさらに絶叫しながら落下しだし、


ザシュッ!!


超高速で交錯したヒカルの一閃で真っ二つにされ、地上に落下した。


「ふぅ」


逆手に持った龍鱗の剣が砕け、ミリンミリンが水の収納魔法から取り出したミスリルの剣を足元に投げ刺される形で渡されるヒカル。


「まだ結構いるな」


「大精霊神殿の聖域の時と違って砦までちょっと遠いんだぞ?」


剣を抜きながら、水流に乗って降りてきたミリンミリンとボヤくヒカル。


後ろのモモミチは結局立てなくなってしまったノブミ背負っている。2人とも焦げ気味で髪もチリチリ。


砦からは残存の百数十を越える激昂した魔物の群れが迫っていた···


_____



過去最大の損耗を負ったが、一行は山地の中心に築かれた妖精族の砦にたどり着いたヒカル達は丸2日静養することになった。


···2日後、回復し、まだ使える装備の補修の済んだヒカル達は改めて妖精族の将軍と会談することになった。


「忍者達からいくらか話には聞いていたが、我らや人間達が延々手こずっていた八魔将を5体も次々と倒すとはっ! 改めて敬意を評したい勇者達よ」


妖精の軍勢の将軍は小柄だが頑強なドワーフ族の王だった。


他に子供のように見えるが素早いフェザーフット族、大精霊神殿でもよく見掛けたエルフ族、小型で丸みのある体型のノーム族等々。獣人系種族も多数この砦で参戦していた。


妖精族の砦は魔王領の深部に楔を打つと共に、大精霊神殿への侵攻を牽制する要でもあった。


「神の加護を前提に、大体奇襲で有利を取ってきたのですが、ここまでくるとさすがに対策されてきました。今回も消耗戦になって厳しかった。半島攻めの段から協力願えませんか?」


協力を得られる前提ではあるにせよ、確認を取るヒカル。


「勿論だが、希望の砦の人間の軍勢とも共闘したい。半島まで行ってそこでしまいというワケでもないんだろう?」


「それに関してはこちらを大精霊様から賜りました」


ノブミは収納鞄から橋の精霊のランプを取り出した。


「ほほう? 精霊ということは使役が必要なはず。できるのか?」


「それは···」


「そういえばなんも試してなかったんだぞ?」


「ちょっと出してみなよ、ノブミ」 


「凄いカジュアルに言いますけど? ええ? ちょっと待って下さいね。使用制限があるタイプだといけないので確認を···フィール」


探知魔法で念入りランプを鑑定するノブミ。


「いけるか?」


「···ヒカル、大丈夫そうです。確かに本番でミスしてはしょうがないですからねっ。一度召喚してみましょう」


「おっ、皆の者、橋の精霊を出せるようだぞ?」


ワクワクしてるドワーフ王。家臣や他の種の妖精族達も興味津々の様子であった。


ノブミはランプに魔力を込め、大精霊達に教わった通り、ランプを3回擦り、唱えた。


「出でよ、勝鬨の架け橋たる者!!」


ランプはノブミの手の中でカタカタと揺れ、灯芯口から光の粒子が溢れだし、1体の筋骨隆々の大男の精霊が姿を現した。


「ハーハッハッハッ!!! 吾輩はフルバジャン!! 聖なる橋の精霊であるっ。今こそこの広間に橋を造」


「いやいやっ、造らなくていいです! 試しに喚んでみただけですっっ」


「なんと?! まぁよしっ。せっかくであるから橋コースター橋を造ってやるぞぉ? ハーハッハッハッ!!!」


有無を言わせず、輝くコースター状の橋を将軍の謁見室を覆うように複雑に発生させ、念力でその場にいる全員を乗せて滑走させだす橋の精霊。


「おおおっ?」


「橋ってこういう感じだっけ?」


「クワッハーっ!!」


「わたくしこういうの苦手ですからっ!」


「ほほうっ、これは興味深いぞ!」


「将軍殿っ、度が過ぎておりますぞっ?」


「「「ひぃーっ?!」」」」


「ハーハッハッハッ!!!」


それなりの混乱が生じたが、橋の精霊の力が確かな物であるということは了解された。

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