鳥籠での異変。――赤黒い錠前、それは。
「……今回も、駄目だった」
シャーロットは目覚めると鳥籠の中にいた。暗闇の中、うずくまる。
「うう、シャーリー……」
鳥籠の外側で、リッカが項垂れていた。彼は落ち込んでいた。
「……怖い思い、させたね」
シャーロットは隙間から手を出して、リッカを撫でた。
「ううん。怖い思いをしたのは、シャーリーだよ……。僕、何もできなかった……」
「そんな……」
シャーロットは自分の左胸を見た。命を奪ったのは、またしても金糸雀隊だ。
「……」
ただ、今回はそれだけではない。アルトだ。アルトさえ大人しくしてくれたなら。
「……次こそは。リッカ、私も考えるから」
「シャーリー?」
「また、やり直そう」
「うん……」
シャーロットが無理にでも自分を奮い立たせる中、リッカは沈んだままだった。彼はちらちらと鍵の方を見ている。
「錠前がどうしたの?」
いつもの大型の錠前、中型が二つではなかったのか。シャーロットは驚愕した。
「!?」
中型だった一つが、サイズを増していた。変哲もなかったそれが、いまや変色していた。色は赤黒くなっており、ドクンドクンと波打っていた。鍵穴にあたる部分が口となっており、舌なめずりをしていた。
グロテスクなそれは、他の錠前をも食らいつくそうともしていた。
「僕たちが、やり直したから?……ごめんなさい、僕もわからない」
「ううん……。リッカ、大丈夫だから」
シャーロットは視線をリッカに戻した。自分に言い聞かせるつもりでもあった。彼女は言う。
「やり直しも無駄じゃない。私達、前よりは知ることができてる。ね、リッカ?」
「シャーリー。うん……!」
まだ諦めるわけにはいかないと、二人は頷き合った。
時は遡る。
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フラグが、こう、立ってきました。




