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傍目からみたら、三角関係。―リヒターの場合。

『シャーリー、おはよう!』

「……」

 カーテンから明かりが差し込む。リッカは今日もいない。シャーロットは一人、起きた。朝のルーティーンを済まして、食堂へと向かう。迎えてくれたのは、明るい女子寮生達だ。数少ない居残り組でもあった。普段通りの彼女達に、シャーロットは救われた。

「おや、シャーロット君?君、制服だね?」

 女子寮長はシャーロットの恰好が気になったようだ。シャーロットは制服姿だった。この後コートは着るつもりだが、それも学園指定のものだった。

「はい。自治委員会として、見回りをしようと思ってまして」

「おおおお、シャーロット君!君という子は、君という子は……!」

 女子寮長はやたらと感動していた。他の寮生達もだ。殊勝な態度だと思ってのことだと。シャーロットがそう思いきや。

「い、いじらしすぎる……!いや、君がね?リヒター君を追っかけて委員になったと噂になっていてね。こう、カイゼリン女史という存在がありながらも、君は片思いしているのだと!」

「いや、それは……」

「三角関係にも萌えつつも、私達は君のそのいじらしさにも尊さを感じていたのだよ!」

 寮長の言葉に、彼女達も同意していた。しきりに頷いている。

「……そう、見えますよね」

 傍からみればそうなのだろう。シャーロットがリヒターを追いかけて、彼に懸想しているのだと。

「私としてはだね、君にも可能性を見出していたけどね?ほら、リヒター君も満更でもなさそうというか。むしろ君のことをというか」

「寮長、それは解釈違いです!あくまで、リヒターさんは委員長一筋なんです!だからこそ、シャーロットさんの片思いぶりが際立つんです!」

「おっと。私はそれ前提の上で、奪い取る展開に燃えたりします。いいよね、最初は別の人が好きだったのに、いつしかっていうのも!」

 寮長の見解はそうだが、他の寮生達は別の見解を持っていた。いつまでも討論しそうだった。きりがないともいえた。

「……ごちそうさまでした。あの、私見回りに行きますね?」

「おお、了解!私達は応援してるからねー」

 彼女達に元気よく見送られたあと、シャーロットも巡回に出ることにした。


 いつもの見回りルートを回っていた。シャーロットは慣れたものだった。リヒターと共に回っただけはあった。こうして歩いているとわかることがある。

「リヒターさんは……」

 最初はいかにゆっくり歩いてくれていたか。あの人はどこまで優しいのだろう。そのリヒターは今、隣りにいない。

「……」

 歩いて、歩き続けて。シャーロットが辿り着いたのは、自分達の寮だった。この先にあるのは。―迎賓館だ。

 巡回中にも、招待客がやってくるのを目撃していた。学園関係者もそうだが、縁のある人達招かれていた。ここに通う学生は、名家の出が多い。そのこともあって、豪華に豪勢に年越しのパーティーが行われているという。連日開催とのことだ。

「まずは遠目から―」

 渦中のシェリア・カイゼリンもいるはずだ。シャーロットは慎重に動くことにした。


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