アルトと勉強中。
「――そうそう、それで正解。さすが、シャーロット。さすシャ!」
自治委員会も終わった。ここは、男子寮のロビー。そこにあるソファの上で、シャーロットはアルトに勉強を教わっていた。
勉強の遅れはアルトも協力してくれていた。まともに授業に参加していなくても、アルトは成績優秀だった。要領の良い男がここにいた。
「はい、こっちも正解。ああ、なでなでしてぇ……」
「そんな、いいよ。教えてもらってるだけでも有難いのに」
「素で遠慮された! じゃあ、上手に教えた俺がなでなでされたい!」
「えっと、それでいいの? もっと他のこととか」
「……えー、そういうこと言っちゃう? ……なら、ここで言えないようなこととか」
アルトの目が一瞬、赤くなった気がした。シャーロットは喉が鳴った。今のは気のせいだと思った。
「……いやいや、なでなでで良ければ。『えらいね』だっけ?そうするね?」
「なにそれ! シャーロットの造語!? かわいい!」
アルトが食いついてきた。目も輝かせている。
「……」
君の造語だよ、という言葉は飲み込んでおいたようだ。シャーロットは無言でアルトの頭を撫でる。
「あー、義務感みー。それでも今はいっかー。じゃあ、俺が満足するまでお願いっ」
「うん……」
アルトがいいというまで、頭を撫で続けていた。が、一方に言う気配もなかったので、シャーロットの方で打ち切った。
「……足りねぇ。つか、シャーロット休めてないんじゃない? ずっと、委員会のことばっかじゃん」
「それは平気だよ。うん、平気」
「強がりさんなんだから。……休みだって、お店のことやれてないじゃんか」
「……うん、まあ。休みの日の夜とかに、見に行くくらいはしているけどね」
自治委員会でくたくたになったあとでも、シャーロットはエーデル村に出向いたりしていた。リッカも散歩だ!とついてきていた。店の掃除を最低限行い、それで帰っていく。
「ごめんね。お花、枯れちゃった。あまり面倒みられなくて」
アルトがくれた花だ。自分の部屋ならもしかして、と思っていたが。影響を受けることもなく、花は枯れてしまっていた。
「あー……。花さんには悪いけど、しょうがないって。うん、縁起良くなかったっていうか」
「うん……」
その後もアルトに教わり、女子寮長に怒られない時間に帰寮することなった。




