極上のもふもふ
(…… すごくあったかい…… こんな柔らかい毛布うちにあったっけ?)
うとうとしながらも、頬に触れる柔らかな毛?の感触に思わずニヤつく。
(…… まさか…モフ助が私の顔を覆っている!!!!)
こんなこと今までなかったのに。幸せすぎて溶けそう……
(それに、なんか、めちゃくちゃ眠い…… )
ーーーーーーーーーー
(どれくらい眠っただろう。もう夕方かな?)
疲れていたとはいえ流石に寝過ぎたなあ、と思いつつ目を開けた。
すると目の前には、一面黄金色のふわふわ。
(わーーーー幸せ!!モフ助ずっともふもふしてくれてたの可愛すぎ!!最高!!!)
いつものようにもふもふしようと手を伸ばす。
…… 伸ばしたつもりだった。
(あれ?体が思うように動かない。)
(というか、よく見たら見える範囲全部黄金色なんですが????)
あれ?
ここどこ?
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ぼんやりとした頭で考える。
(まさか、死んじゃった? ここ天国かな?)
確かに、私を包むもふもふの何かは、最高級の触り心地だ。
天国だと言われたら納得してしまうかもしれない。
(だとしたら、モフ助は今ひとりぼっちなのかな… )
急に愛する同居猫のことが心配になる。
そりゃそうだ。
モフ助のご飯はどうなる。おやつは。
お世話は誰がしてくれるんだ。
急に胸がきゅっと痛くなった。
モフ助と暮らし始めてから感じていなかった、孤独と寂しさに襲われる。
心細い。
そんなわたしの様子を感じ取ったのか、黄金色の何かが優しく抱きしめてくれた気がした。
(よくわからないけど、なんか安心する…… )
そのままうとうとと、また眠りについた。
そんな日々を繰り返し、いつもの如くうとうとしていたある日。
急に黄金色のもふもふが大きくうねり出した。
まるで船にでも乗せられたかのような大きな揺れに、少し眩暈がする。
(うわーー、ちょっと吐きそう…。)
グッと歯を食いしばって耐えていたら、
次の瞬間
もふもふが開いて、私は明るく開けた場所につるんとうみおとされた。
(まぶし!!)
咄嗟に目を瞑ってしまったが、知らない場所では危険な行為だ。
恐る恐る、少しずつ目を開けると…
そこは、緑がどこか霞んで見える、不思議な森の中だった。