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雪の朝(SIDE:ナギ) − 2

ドアを開けて室内に入ると、暖炉の熱で空気がほんのり暖まっていた。

寒さでこわばっていた肩の力がふっと抜ける。



ひとまず拾ってきた子猫の雪を優しく落とし、タオルと毛布で包んで暖炉の前の椅子にそっと置く。

瞼は閉じられたままで、まるで眠っているようだった。


小さな頭を撫でてみると、耳や鼻の先が冷え切っている。


まずは体を温めてやらないと、風邪を引いてしまうだろう。

起きたら温かいミルクでも用意してみるか。




一旦落ち着いたので、外套を脱いでベッドに腰掛ける。




(ぐぅぅ〜)





……そういえば朝食がまだだった。

子猫はまだ目覚めないようなので、自分の食事を先に済ませよう。


今朝は昨夜のクリームスープとパンに、最近お気に入りの赤ベル印のピクルスとハーブヴルストにしようか。


パンはおかみさんお手製のバゲットだ。

スライスして表面を軽く炙ると、小麦の香ばしい香りが一層引き立つ。


このパンはおかみさんが営む宿屋で無料朝食として渡しているものだが、

その味が評判を呼び、宿泊客に「パンだけでも売って欲しい」と言われるほどの腕前だ。



スープ、ヴルスト、パンを暖炉の火で温め、ピクルスを添えていただく。

さすが赤ベルのブルスト、ハーブの風味が肉の旨みを引き立ててなんとも言えない旨さだ。

爽やかな風味のピクルスを途中に挟めば、食欲倍増、いくらでも食べられてしまう。

そんなこんなであっという間に食べ切ってしまった。



すっかり腹も心も満たされて、ふと子猫の方を見やる。


すると、子猫を巻いていた毛布がいつの間にかもぬけの殻となっていた。



慌てて周囲を見渡すが、それらしい影は見当たらない。

どこかに隠れてしまったのだろうか。


特に隠れるようなところもない殺風景な部屋だが、部屋の隅のあたりを見てみるかと

席を立とうとした時、足にフワッとした物が当たった。


机の下を覗き込むと、小さな猫が足に擦り付いてこちらを見上げている。

小首を傾げた姿勢がなんとも可愛らしい。



「そこにいたのか……びっくりさせるなよ。」


「にゃあん。」



独り言に返事をするように子猫が鳴く。

心なしか申し訳なさそうに見えなくもない。


利口な猫だ、やはり誰かの飼い猫だろうか。

どうやって飼い主を探すかな……と考えていると、子猫がぴょんと膝に飛び乗ってきた。



「うわっ……って軽いなお前。名前とか……え……」


子猫が窓からの日差しに照らされ、はっきりとその姿が見えた時。

思わず息を呑んだ。




その瞳は、忘れもしない、あの瑠璃色の瞳だった。





やっとナギと出会えました…!

あらすじに追いつくのに時間がかかってしまいましたが

まだまだ序盤なので、完結に向けて頑張っていきます!

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