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架空ドキュメンタリー  春雨サラダ職人

作者: よしヱ

        春雨サラダ職人 江口 嘉明(えぐち よしあき) 65歳


 今回我々取材班が赴いたのは、滋賀県某所にある江口氏のサラダハウスだ。江口さんはマスコミおろか妻良子(よしこ)さんともめったに話さないらしい。早速新幹線に乗ってサラダハウスまで行った。

 家のインターホンを押すと出てきたのは妻の良子さんだった。

嘉明さんは買い出しに行っているそうなので、妻の良子さんにインタビューをした。

 『旦那さんとはめったに話さないらしいですね』

 「はい、旦那と最後に話したのは3ヶ月前...です」

 『旦那さんとはご結婚されて何年でしょうか?』

 「旦那とは、32年前ポテトサラダ連合会の幹部として知り合い、そして結婚しました」

 『すみません、ポテトサラダ連合会というのは...?』

 「あぁ、ポテトサラダを愛する有志達によって結成されました、私が入ったのが設立から3ヶ月してから、彼は、私が入る一ヶ月前からいました。そして私が入って半年後、彼はやめました。その後、ポテトサラダ連合会から春雨サラダ愛好会に寝返ってしまいました...」

 すると、車のエンジン音が聞こえた。

 「帰って来たみたいですね、じゃあ私はこれで..」

良子さんは別に部屋に行った。そして、玄関が開き。エプロン姿の嘉明さんが現れた。

 『すみません、先にお邪魔してました。』

 「...」

 嘉明さんは、何も言わず、キッチンに行った

 嘉明さんは買ってきた、きゅうりを切り、春雨と絡み合わせる。そして数分が経ち嘉明さんが言った。

 「取材とやらを始めようかね」

 『はい、まずは春雨サラダとの出会いについて教えていただけますか?』

 「昔、母がよく作ってくれたのが初めての出会いじゃ」

 『良子さんから、聞きましたがもともとポテトサラダ連合会にいたそうですね」 

 「わしは、もともと春雨サラダ愛好会にいた、今までうちの愛好会は中華ドレッシングを使ってサラダを作っていたんだが、マヨネーズの春雨サラダにも挑戦してみる事になったんだが、運が悪いことにマヨネーズを使ったサラダの作り方を知っているのは、先代会長の源蔵(げんぞう)だけだったしかし源蔵が亡くなって愛好会内では誰も作り方を知らんかった、そこでわしがポテトサラダ愛好会にスパイとして入った。」

 『良子さんとは愛好会で出会ったそうですね』

 「スパイをしていくうちにだんだん良子に興味が湧いてきた、そしてあいつが幹部になった年にわしから告白した」

 何やら階段から泣く声が聞こえた。正体は良子さんだった。

 「あなた、そうだったのね、、、」

 [そうだ、お前には32年間、隠していた」

 三ヶ月間口を利かなかった夫婦の会話だ

 「結婚してから、あなたは春雨サラダに夢中で私のことなんかどうでもいいんだって思ってた..」

 [違う、そんなんじゃない、、、この世でいちばん大事なのは、お前と春雨サラダだけだ]

 「やっぱり、春雨と同じじゃないぃぃ」

 [違う!お前は春雨よりも遥かに上だ!!!」

 「春雨と同じなんて嫌だぁぁ」

 キッチンは良子さんの涙に包まれた。その時ディレクターの石井は思った。

 (春雨と同じか同じじゃないとかどっちでも良くない?)と

 そして、カメラマン斎藤の晩ごはんは春雨サラダだったらしい、、、、

一時間クオリティ

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