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俺はよく分からなくて、君はツンデレ

作者: 恋愛さん

短編小説初投稿です。

次回の小説の参考になりますので、感想なども宜しくお願いします。

俺は暴力的な女は嫌いだ。

男が女に手を出さない事を知っていてワザと俺たちにちょっかいや暴力を振ってくる。……そんな奴が、俺のクラスメイトにいるんだ…。



俺はよく分からなくて、君はツンデレ




「赤西っ」

「あァ?」


授業の終わり、俺は教科書などを片付けていると隣の席の桐山が声をかけてきた。


「次の英語、教科書忘れたから貸して」

「はぁ?他の奴に貸してもらえよっ」

「何でよ!他の人に貸してもらったらその人見れないじゃん!」

「俺だってそうだよ!」

「あんたはどうでもいいから別にいいの!」


何だよその理屈は!?

ありえねぇ…本当にありえねぇ…。

やっぱりこいつは俺の苦手な性格だ。……そう、こいつが俺の嫌いな女子?まではいかないが…あまり関わりたくない奴、桐山 飛鳥。

同じクラスで俺、赤西 翔の隣の席…。高1から今の高3までずっと同じクラスだ。けどそれは…もう卒業したら終わりだ!後卒業まで二週間…へっ、桐山。もうこれでサヨナラだ……って、二週間前なのに英語っておかしいけどな?


「貸してやるのはいいけどよ!それだったら一緒に見なきゃ許さねぇ!」

「はぁ!?何であんたと見なくちゃいけないのよ。…まさか…あんた私と見たいの?…………キモっ」

「だーーーーーっ!!!そうじゃねえよ!それだったら俺が見れなくなるって言ってんだろ!?」


やっぱり俺こいつとは合わねえわ!

一緒に見たいって俺のこの態度から見て違うって何でそう判断出来ないのかねこいつは?逆にお前俺の事好きなんじゃね?って勘違いするぞ?このクソが。


「うっさい黙れ」

「お前が俺をうるさくしてんだろうが…」

「馬鹿じゃんあんた。この私がどうあんたにうるさくしてんのよ」

「あ〜もういい…お前と喋ってたら疲れるわ。ほら、もう自由に持ってけ…」

「うそっ!本当!?話分かるねー赤西!サンキュー」

「もう別にいいから早く俺の視覚から消えろっ」


ドカッ!!


「何て〜?赤西君」

「いや…すみませんでした」


ほら…こいつ暴力的だろ?俺がこの性格に三年間も付き合ってるんだ……俺って結構すごいよな。他の奴だともうアウトなんじゃないのか?今の俺にはそう思う


「謝ればいい。じゃあねっ」

「…………………へいへい」


さっさと行け。


✴︎



「お前らさ、本当に仲良いよな?」


俺はあの後が終わった後、親友の柊 春樹と学食に来ていた。あ、それとあの後の教科書事件は、俺に桐山が一緒に見よとは一言も言ってくれず俺は教科書が無いまま授業を受けた………ったく少しでも期待した俺が馬鹿だったよ。授業が終わった時礼は言われたんだが俺は憎しみしかなかったね。


「はっ…どこが仲良いんだよ。お前の目は節穴か?」

「流石にそこまで腐ってねえよ。ってか?お前の方が節穴じゃね?…あんな可愛い女の子を自分一人でキープしてさー!しかも性格も抜群!」


はい?

…可愛いのは認めるけど…性格が抜群?


「おい春樹。お前今俺が引っかかる言葉を口にしたな?」

「えっ?俺なんか言った?」

「言った!その性格抜群?お前馬鹿か?」


あの性格のどこが性格いいんだよ…。


「え?だってさ…たまに喋った時とかすごい優しいよ?何か忘れた時とか直ぐに貸してくれたりお礼もちゃんと言ってくれるし…」

「ふーん」

「いや何その棒読み…?」


俺は学食を全部食べ終わって飲み物を一気に飲み干した。

はぁーやっぱりこいつらは本当の桐山を知らねえな…唯一この学校であいつの事知ってるの俺だけじゃないのか?


「ごちそうさん。んじゃ行こうぜ」

「ん?あ、俺少し便所行ってくるから先行ってろ」

「おう、分かったわ翔」


俺たちは別れ?を告げると近くにあったトイレで俺は用を足す。スッキリした後に教室に戻ろうとすると…隣にあった公衆電話で………桐山?あいつ…どうかしたのか?

ここの公衆電話はボックスじゃないので聞こえまくりだが、ここら辺は人が少ない。……ちょうどいい…いつものお返しに盗み聞きしてやろうか。


「だって…だって私の携帯じゃ繋げてくれないじゃん…!」


ほう…それはそれは悲しいなー。


「別れようって………私は嫌…」


………はい?

別れよう?…………ってこいつ付き合ってたの!?

それにこいつ何だか猫被ってるし!何だ?全く状況が掴めないんだけど…!


「他に好きな人が出来たとか…最低」

「…………………………………………………………」

「元から好きじゃなかったって…じゃあ最初から付き合うとか言わないでよ!」


ガチャン!!


………これって…聞いてはいけないやつだよな?

俺……やっちまったな…しかもあいつ…泣いてる?

俺は少し遠い所から桐山を見てみると…泣いていた。

そして…俺は何故か桐山の側にへと駆けて行った。


「おいっ……!」

「っ!?……………あか…にし?」

「お前何で泣いてんだよ!彼氏に振られたぐらいで」

「は?あんたまさか………聞いてたの?」


俺は、ポケットから取り出したハンカチを持ったまま止まった。

しまった………言ってしまった。


「いや……その…」

「………最低」


桐山は、そう言って走りながら去って行った。

…何だよ……何で俺、こんなにイラついてんだ?


✴︎



予想通り、桐山と俺は喋らなくなった。

もうあの日から一週間経ち俺たちの仲は険悪のまま。隣だから二人で相談とかしろとたまに授業中に先生から言われるが、桐山の方から拒絶している。

そんな桐山を………俺は何とかする事も出来ねえよ。

未だに何であの時イラついたのかも分からねぇし……俺の方が本当に節穴かもな?


「うーん…そういう時こそお前が必要なんじゃないのか?」


そう、春樹は言う。

俺たちはまた昼なので学食に来ていた。

俺が最近元気ないのはとっくに春樹にはバレてるので今は相談してる身だ。


「んな事言われたって何言ったらいいか分からねぇよ」

「何言ってんだよ。お前ら三年間ずっと一緒だったんだろ?しかも桐山はお前にだけ唯一心許してるんだ。それに席も隣。お前が助けなくちゃ桐山ずっとあんなのになるぞ!?」

「それは…………………………嫌だ」

「だろっ?それにお前さ………お前が思ってるより、お前は桐山の事を大事に思っているんだと思うよ。お前はあいつの悪い所しか見てないからそう思ってるだけだ。お前だって知ってるんだろ?桐山の良いところがどこかとか…それが三年間の成果じゃないのか?」


全部………春樹の言う通りだった。

俺は、桐山の良いところ悪い所なんかこの学校で一番よく知ってるつもりだ。けど俺は…あいつの良いところがあっても直ぐに忘れてた。あいつに良いところ何かねぇって思ってたから…だから俺は、桐山に対しての気持ちがずっと…分からなかったのかもしれない。その気持ちが決定的になるのは…次の春樹の言葉だった。


「いずれお前も…あの時イラついた理由が分かるよ」


…こうなれば早速行動だっ。


✴︎


「桐山ーーーーーーーーっ!!」


俺はこの日の帰り道、直ぐに帰って行った桐山の後を追っていた。全力で………俺は桐山の家を知っているまぁ………さっき職員室で見てきたわけだが。

だけど、家に行く前に見つかった。


「赤西っ!?」


一週間ぶりだな…この声。

俺は姿を見つけた桐山の所に全力で走る。

着いた時には…もう息が上がっていた。暫く息を整えると、俺はやっと声をかけられた。


「見つけたぜ………」




「何でここまで来たのよ?」

「んー?………決まってんだろ。お前を慰めに来たんだ」


俺たちは一週間ぶりの声をかけた後、近くの公園で隣同士にブランコにへと乗った。…ブランコとか何年ブリだよ…。


「別に…あんたに慰められたくないわよ」

「俺だってお前を慰めたくないよ」

「だったら………」

「けど俺はお前を助けたい。これが………俺の気持ちだよ」


俺はニッと微笑む。

…桐山、例えこれが迷惑でもいいよ。これが迷惑でも、俺はお前を助けるから。


「チッ……で何」

「だから慰めに」

「だからその用件を言えっての!」


そんなに強がらなくても……俺、正直怖くなるぜ?

しかも何だよその舌打ち…俺、少し話す気無くしたんだけど………けど、話さなくちゃな。


「はいはい……あのさーお前、今落ち込んでんじゃん?」

「だからっ?」

「じゃあさ、また新しい彼氏が出来たら……その落ち込み無くなる?」

「はぁ?」


桐山は、初めて俺の方へと顔を向けた。

こいつは……本当に元カレが好きだったのだろうか?話の内容からすると…チャラいイメージしかない俺の想像。けど、こいつが好きになるんだ…きっと、良い元カレだったのだろうよ。だから………次は俺がそいつを超えたい。


「好きだよ」


桐山………俺はこの言葉を捧げるよ。

俺の初恋を………全部お前に託す。俺が、初めて好きになった人に。


✴︎


あれから2日後………俺は昇降口で人を待っていた。

右手にはスマホで耳にはイヤホン。

結構大音量で音楽を聴いてると、ふと片耳のイヤホンが取られた。


「何聴いてんの!」


笑顔………俺が大好きな一番可愛い笑顔。

俺は一瞬見惚れていた。


「桐山……」


そう……俺たちはあの日、付き合った。

桐山は、『まだあんたの事は好きじゃないけど…多分、あんたとずっと居たら好きになってくと思う』

と、俺は伝えられた………ああ、幸せだよ俺…。


「お前も聴く?」

「うん!」


そう言ってきた桐山は、俺の片耳から奪い取ったイヤホンを耳につける。


「…………いい歌じゃん。あんたにしては、良いわね…」

「だろっ?これ今俺が好きな歌」

「ふーん…」


桐山は、それきり何も言わないで音楽に夢中になっていた。俺はそれを横目に見ながら自分も夢中になる。

こういう日々が…ずっと続いていけばいいな。


✴︎


そして、やっと卒業式になった。

俺たちは横からズラッと並んで座っており、俺は一番端だった。しかも俺はあ行なので…出席番号が一番…だから卒業受賞の時は、一番最初だ。


「出席番号、一番。赤西 翔」

「はいっ」


だからこう…最初は恥ずかしいわけたが…。

俺は最後に礼をして、階段を降りる。その時に…桐山と目が合った。

あいつはいつもその時…満面の笑顔になる。だから、俺はその笑顔を見るために頑張る。これが…俺の一番好きな表情だからさ…。



そして、無事卒業式が終わって先生の話が終わる。その後はみんなで写真を撮ったり生徒でカラオケやご飯を食べに行く約束をしたりしている。

俺も春樹に誘われたが桐山とどこかに行く約束をしてるので断った。俺たちみたいに付き合ってる人ほとんどがこうしていて、みんなは文句を言ってるがな…。

俺は、一通り友達との会話を終わると、女子のグループの中で喋っていた桐山を発見する。

楽しそうな顔で、しかも少し泣きそうな…そんな何とも言えない顔をしていた。

今行ったら俺空気読めない奴だな……後にしよう。


「あ、赤西君!」


と、そう決めようとした俺に…一人声をかけてきた人がいた。俺の同じクラスメイトで…地味に仲が良かった雪菜だった。


「雪菜?どうした?」

「あの……さ、赤西君に大事な話があるんだ」

「おう?で、何だ?」


俺たちの声は、他の生徒の声でほとんど消されてしまってるので俺たち以外には声が聞こえない。

そんな状況で…雪菜はこんな事を言った。


「好きです…付き合ってください!!」


こう…しかも最後の付き合ってくださいの声が半端なくでかかった為、みんな俺たちの方にへと注目しちまった………ってヤバイってこれ!?

俺が恐る恐る桐山の方を見てみると、呆然としていた。そりゃそうだわな……。

それにみんなが告白!?ヤバイ!とかいろんな声が聞こえるし…みんな、いい加減黙ってくれ。

けど俺は、もう答えは決まってる。


「ごめん…俺好きな人が…」


ちゅっ


………………………………………………………えっ?

何故か俺の口は…雪菜の口に塞がれていた。

待てよ……?俺、まだ桐山としたことが……!!


パァン!!


その瞬間、前から誰かの頬を叩くような音が聞こえた。

まさか………!俺はもう塞がられていない口を見ながら、前を見る………やはり、桐山が雪菜の頬を叩いていた。


「き、桐山………?」

「…………………………………………………………」

「お前……………………………………………………」


俺は、さっきとは逆に呆然とする。

雪菜は俺と桐山を、見ながら走って学校を去っていく。それを見たのか桐山は、俺に声をかけた。


「翔…」

「あ、ああ?」


桐山は何故か…この時初めて俺の名前を呼んだ。


「私さ、あの時はまだあんたの事が好きじゃないって言ったよね?」

「ああ…そうだな?」

「あれ、取り消し……私、多分ずっと前から翔の事好きだったと思う、大好きだったと思う…だって、私の本当の性格見せてたのあんただけだもん…だから、元カレとも上手くいかなかったんだと思う……それで、あんたが告白してくれた時…私凄く嬉しかった。

その時気付いたの…私は、あんたの事がずっと好きだったんだって……今まで気付かなかっただなんて…私馬鹿よね…」


もう……彼女は泣いていた。

もう俺は……何も言えなかった。

だって…桐山は……俺の為に泣いてくれてんだぞっ?こんな……こんなだらしない俺の為に…。

ただ、今の俺には周りの声が許さなかった。

桐山って付き合ってたんだ…。元カレと別れた瞬間新しい彼氏作るって…赤西君直ぐに振られそう…

と、そう聞こえてきてクスクス声…黙れ…

「ねぇねぇ赤西君!そんな奴放っておこう!みたいな?」

黙れ…

「多分さ、赤西君相手にされてないんじゃない?」

「黙れっ!!!!」


俺の言葉に、みんなしんと静まり返った。


「俺の……俺の彼女の文句を言ったら…例え女でも許されねぇぞ!!こいつはこんな時は絶対に嘘つかないんだよ!俺はこいつを信じてんだよ!何も知らないお前達に…俺たちの事知ってるみたいなフリするじゃねえ!俺は……俺は飛鳥の事が大好きなんだ!!」


俺は素早く桐山の手を取って学校を出る。

とにかく全速力で…!


✴︎


「はぁ…はぁ……大丈夫か?桐山…」

「うん……大丈夫」

「そうか」


俺たちは、また近くの公園に二人でブランコに乗っていた。しかし…あんなに走ったのいつぶりだ?


「ねぇ」

「あん?」

「……あんたは、私の事一生好きでいられる?」


……難しい質問だな…。

だから俺は、軽く流す。


「さぁな?」

「さぁなって…」

「だって未来の事なんか知らねえからな。俺は…決められた未来になんかに進みたくない。だから…その時の気持ちが大事だと思う」

「それがあんたの考えか………いいじゃん。それ」

「だろ?」


俺は、桐山に笑顔を見せて空を見る。

綺麗だった…とても。


「じゃあさ…今のあんたはどれくらい私の事好き?」

「そんなの当たり前に…世界で一番好きだ。大好きだ」


なっ………と言いながら桐山は顔が赤くなる。

ヤバッ…可愛すぎ……ってかそんな顔見たらいじめたくなるんすけど?


「お前はどれくらい俺のこと好き?」

「………あんたと同じくらいよ」

「そうか、なら良かった。じゃあ……今からする事はOKですか?」

「はぁ?な、何するの?」

「んなの聞くなよ………ハグとキスです」

「なら、OKです」


俺たちのまだ薄い…恋愛関係。

初めてのハグで、俺は桐山の……飛鳥の温かさを知った。ああ…俺、やっぱりこいつ好きだ。

そう思いながら、俺たちは一度離れる。


「あんたは一度体験してるんだから…上手くやりなさいよ…」

「何だよそれ…嫌味か?」

「当然。だから……あれよりもっと長くして」

「…………………………ああ、分かったよ」


俺たちは目をつぶり…長いキスをした。

できるだけ息が続くまで……好きな人との口づけは…いつまでもしたいと、俺は気付いた。だが…もう息が続かないので一旦離れる。

その時……俺は気持ちを伝えたかった。


「飛鳥、好きだ。お前を……ずっと守ってくよ」

「私も大好き…翔。私を好きになってくれて……ありがとう」


最初は…大嫌いだと思っていた彼女。

仲は険悪状態で…けど、毎日喋っていた彼女。

俺はいつの間にか……そんな彼女が大好きだった。

今なら分かる…俺は、ずっと前から好きだったんだ…飛鳥を。

もっと早く気付いておけば…最初のキスは、飛鳥だったのかもな……。

だからそれを俺は反省して、絶対にお前を守る。絶対に……お前を好きでいるから。


その気持ちを………未来までずっと届け続けるよ。

最初は少しで終わると思ったのですが、かなりの文字数になっていました笑

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