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紫の形代  作者: 新月
3/4

3

「―悦」

ふと、扉側にいたミラージュの横に一人の男がやってきて、声をかけてきた。

ゆっくりと青年が顔を上げる。

「レン―…」

「お友達?」

レンと呼ばれた男がミラージュに笑いかける。

それはそれは美しい、光り輝くような、男。

紹介します、と青年がぎこちなく笑う。

「僕の、異母兄の、廉です」

すべてのピースが繋がる。

そしてそのパズルが描き出したのは、

とても背徳的で禁断の、鮮やかな絵画。

青年、エツはミラージュに視線を向けたまま。

レンが再度微笑みをミラージュに向ける。

返礼を求める様に。

はっとして、ミラージュも口元に微笑を作り出す。

紹介を受けて、そのままはマナー違反だった。

「ミラージュです。弟さんとお話をさせていただきました。

見事な英語だ、貴方がお教えになったとか」

「昔ね。貴方のような正統派の英語とは言えませんが、少しくらいお話はできたでしょう」

ミラージュのわずかな言葉で、それがイギリス人のものであることを見て取ったらしいレンは、少々皮肉っぽく言った。

「少しなんてとんでもないですよ、実に素晴らしい。」

「ありがとう。―では、これで」

―行こう。

レンがエツを促す。

エツがふらりと立ち上がる。




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