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ながいとしつきのおはなし
それは、思い出しました。
"綺麗なものは、汚なくなる。"
少女の言葉です。
たしかにそうだ、とそれは思いました。
少女が教えてくれた、花も、木も、他の植物も、犬も、猫も、他の動物たちも、やがては醜く汚くなっていきました。
長い時を過ごしてきたそれは、羨ましく思います。
それは変わりません。
雨にうたれて、風に吹かれて、野にさらされても、それは変わりませんでした。
少女が見せてくれたものは、全て変わっていきました。
それは、その全てを美しいと思いました。
綺麗な時も、変わっていく時も、醜い時も、美しいと思いました。
そして、思います。
綺麗なものは汚なくなる。
ならば、あの少女も汚なくなるのだろう。
なにせ、それは少女以上に美しいものなんて見たことはなかったのです。
けれど、それはずっと後に、自分が間違っていたことを悟ります。
何故なら、いつしかシワを刻んでいくだけになった彼女も、冷たくなった彼女も、やがて土になっていった彼女も、それにとっては同じように綺麗だったのですから。




