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序章
「主人公は愛される」
なんてそんなのは決まっていない決まり事だ。
どんな漫画で愛されようと、どんな小説で好かれようと、現実であり得ない事に憧れを感じたってそんなのは何の役にも立たない。むしろ足を引っ張るだけのお荷物な知識だ。
愛されるとは何か。好かれるとは何故か。理由を求めたって分かるはずもない。俺はその主人公じゃないのだから。
しかし主人公でない代わりに、俺は確かな発言力と力と地位を持っている。愛される為にそれを使うのは忍びないが、全ては世のため俺の為。
愛される事はとても難しい。だったら俺が愛そうか。
それはとても簡単で単純で幸せな事だった。
分かるだろう、秋谷。
* * *
「さて俺と付き合え」
「どうしてそうなった」
(逃げる風紀委員長×追う生徒会長)