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風魔法の謎と古の魔導書

 ソフィアの全属性の才能は、彼女を孤独な魔法探求へと駆り立てました。火魔法はドン先生に師事し、水魔法、土魔法はトーマス先生という師がいますが、それ以外の属性には、もう適当な指導者がいません。ソフィアは、その答えを文献の中に見つけようと、王宮の魔導書を、さらに深く読み込んでいきました。


 古びた羊皮紙や、埃を被った厚い冊子の中に、ソフィアは現代の魔法体系にはない、奇妙な記述を見つけ始めていました。


 ソフィアの心の中に、ふと一つの疑問が湧き上がってきました。それは、今の魔法の世界では、使い手が居らず、結果として属性として有効に認識されていないものがあるのではないか、ということです。ソフィアが見つけた数々の記述が示唆していたのは、風魔法という分野でした。


 いにしえの時代には、この風魔法を使って、物や、さらには自分の身体そのものを浮かせたり、遠くへ飛ばしたりしていたようでした。


 魔導書には、今では誰もが「架空のもの」として扱っている、飛行魔法や転移魔法といった、驚くべき術の記述がありました。多くの魔法使いが、こうした記述は、ただの物語か、あるいは誇張された伝説に過ぎないと無視してきました。 しかし、ソフィアは違いました。彼女の全属性という前例のない才能は、彼女に、過去にはこれらの魔法が実存したのではないかという、強い確信を与え始めていました。


 一方、ソフィアが地道に続けてきた魔力量を増やすための修行は、少しずつ、しかし確実に、その難度を増してきていました。それは、魔力を全力で放出し、気絶するほどの魔力切れを起こすという、あの危険な修行のことです。以前は比較的簡単に、体を極限まで追い込むことができたのですが、最近は、どんなに頑張っても、なかなか気絶するまで使い切ることができなくなってきていました。


 それはソフィアの魔力容量が、飛躍的に大きくなっている証拠でもありました。彼女の才能は、孤独な探求の日々の中で、彼女自身が望むか望まないかに関わらず、着々と成長を遂げていました。ソフィアは、尽きることのない自分の魔力と、魔導書の中に眠る古の魔法の間で、答えを探し続けるのでした。


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