第18話:To Speak of Love, Again
夜明けの微かな薄明かりが巨大な全面ガラスの窓を通り抜け、まるで戦争でもしたかのような 寝室を柔らかく照らし出していた。カン・ジフが先に目を覚ました。見慣れない天井、見慣れない空気、そして自分の腕を枕にして安らかに眠っている男の重み。彼はほんの一瞬、これらすべてが七年間見続けてきた残酷な夢の延長なのではないかと思った。しかし、全身を疼かせる心地よい筋肉痛と、布団の下で感じるシオンの素肌の感触、そして空気中に微かに混じった二人の体臭が、昨夜の出来事すべてが生々しい現実であったことを証明していた。
彼は首を巡らせ、眠っているシオンの顔を静かに見下ろした。汗に濡れた髪が額に張り付き、スースーという寝息は平穏そのものだった。常に鋭く研ぎ澄まされていた目元は優しく閉じられ、固く結ばれていた唇は少し開いている。七年間彼が恋い焦がれた十八歳の少年の顔と、彼を圧倒した二十五歳の男の顔が、その中に共存していた。ジフは思わず手を伸ばし、彼の頬に残った自分の痕跡を、赤く腫れ上がった彼の唇を、そっと撫でてみた。
昨夜は、まさに嵐だった。七年間抑え込まれてきた情慕と恨み、渇きと欲望が一気に溢れ出した、理性を麻痺させる激越な時間。彼らは互いの体を貪り、支配し、また支配されながら、七年の空白を狂ったように埋めていった。最初はシオンが彼を追い詰めた。あたかも長く飢えた猛獣のように、彼のすべてを飲み込まんばかりに荒々しく突き進んだ。その中には、大人になった自分を証明したいという意地と、七年間の苦痛を補填しようとするかのような憤怒が入り混じっていた。
しかし、その激しさはある瞬間、ジフによって逆転した。罪悪感という足枷が外れた三十五歳の男は、二十五歳の青年が受け止めるにはあまりに深く、熟練していた。彼はシオンのあらゆる挑発を余裕で受け流し、むしろ彼の最も脆く敏感な部分を執拗に抉って、彼をなす術なく崩れ落ちさせた。シャワー室の熱い湯飛沫の下、滑りやすいタイル壁に互いの体を預けながら、再び互いを渇望した瞬間、彼らの関係は完璧に逆転した。シオンは彼の腕に抱かれ、懇願するように彼の名を呼びながら咽び泣いた。それは征服の終わりではなく、完全なる救済だった。
それらすべての記憶が蘇ると、ジフの顔が火照った。自分がこれほどまで理性を失い、誰かを貪ることができる人間だという事実を初めて知った。
その時、シオンの長い睫毛が震え、彼がゆっくりと目を開けた。眠りから覚めたばかりの彼の瞳は、いつもの冷徹さの代わりに、朦朧とした柔らかな光を帯びていた。彼は自分を見下ろしているジフに気づくと、しばらく瞬きをした後、やがて気怠げな微笑を浮かべた。七年ぶりに初めて見る、彼の心からの笑みだった。
「……おはよう」
シオンの声は、一晩中彼の名を叫んでいたせいで完全に枯れていた。
「……ああ。おはよう」
ジフもまた、ぎこちなく答えた。激しい夜が過ぎ去った後の朝は、思ったよりもずっと気恥ずかしく、よそよそしかった。何を話すべきだろうか。
シオンはそんなジフの心を読み取ったかのように、彼の腕を枕にしていた頭を動かし、彼の胸に頬を埋めた。そして、隙間なく彼を抱きしめた。
「夢じゃなかったんですね」
彼の声がジフの心臓のあたりで低く響いた。
「昨夜、ずっと夢なんじゃないかと怖くて一睡もできなかったのに」
「……私もだ」
ジフは彼の背中を優しく叩きながら答えた。彼の胸に抱かれたシオンの体は熱く、鼓動は一定で安定していた。これらすべてが現実だった。
「体は……大丈夫か? 私が少し……激しすぎただろう」
その言葉にシオンが顔を上げ、ジフを見上げた。彼の瞳には悪戯心が満ちていた。
「激しかったですよ。すごく。七年分を一気に返されているのかと思いました」
彼は言い終えると、ジフの肩に残った自らの歯型を指先でそっと撫でた。
「でも……まだ足りません。七年分ですよ。まだまだ先は長いです」
彼の眼差しが再び熱を帯びるのを感じ、ジフは生唾を飲み込んだ。
「まずは……洗おう」
ジフは慌てて話題を変え、体を起こそうとした。しかし、シオンは彼を離さなかった。
「一緒に?」
「……いや、それは……」
「どうしてですか。昨夜、シャワー室で良かったじゃないですか」
シオンが彼の耳元で囁きながら、布団の下で彼の足の間に陰密に入り込んできた。ジフは腰をビクつかせ、彼の肩を押し戻した。
「君、本当に……朝から……」
「先生が僕をこんな風にしたんじゃないですか」
シオンが心外だと言わんばかりに言った。
「静かだった人間の中に火をつけておいて、今更しらばっくれるのは無しですよ」
彼の愚痴に、ジフはついに吹き出してしまった。
七年ぶりに心の底から湧き上がる笑いだった。
結局、彼らは再び浴室へと向かった。しかし今回は昨夜のように激しくはなかった。彼らは互いの体に残った痕跡を優しく拭い、互いの髪を洗ってあげながら、あたかも長年連れ添った恋人のように、穏やかで平穏な時間を過ごした。それは情事というより、互いの存在を確認し合う切ない交感に近かった。
シャワーを終えて出てきた時、シオンはジフに自分のクローゼットの中から最も着心地の良さそうなTシャツとトレーニングパンツを渡した。ジフが自分には大きすぎるその服をぎこちなく着ている姿を、シオンはソファに座って興味深げに眺めていた。自らの冷たい空間が、この男一人によって温もりを帯び始めるのが不思議だった。
シオンがキッチンで自ら淹れたコーヒーを持ってくると、ジフはリビングの一角にある巨大な本棚を眺めていた。建築関連の書籍の合間に、見覚えのある文学全集が並んでいた。
「……この本たち」
「先生が以前、勧めてくださった本ですよ」
シオンが彼の背後から言った。
「先生が去った後、一冊ずつ全部買って読みました。意味も分からないまま、ただ……先生の面影だけでも掴んでいたくて」
その言葉に、ジフの胸が締め付けられるように痛んだ。彼はどうしても振り返ることができなかった。
「先生」
シオンが再び彼を呼んだ。
「これからは僕、なんて呼べばいいですか?」
「……え?」
「いつまでも先生と呼ぶわけにはいかないでしょう。かといって『カン編集長』はもっと変だし。ジフさん? ヒョン(兄さん)?」
ジフはしばらく考えた後、ゆっくりと振り返りシオンと向き合った。
「……ただ、ジフって呼んで」
「……ジフ」
シオンが彼の名を、まるで初めて覚える単語のように慎重に口にした。その不慣れな発音が、ジフの心臓をくすぐった。
二人はコーヒーを飲みながら、初めて過去七年の空白について語り始めた。シオンは自分がどのように大学へ行き、建築家になったのかを淡々と話した。その話の中には、噂によって経験した苦痛や孤独は省略されていた。彼はジフにこれ以上荷を背負わせたくなかった。ジフもまた、自分がどのように教師の夢を諦め出版社で働くようになったのか、いかに味気ない人生を送ってきたのかを打ち明けた。
彼らの物語はパズルのピースのように、互いの失われた時間を繋ぎ合わせていった。そしてそのピースが揃うほど、彼らは互いがいかに深く相手の人生に影響を与えてきたかを悟った。シオンはジフがいたからこそより強くなれ、ジフはシオンとの記憶があったからこそ完全に崩れずにいられたのだ。
話が一段落した頃、シオンの携帯が鋭く鳴った。会社からの電話だった。シオンの表情が一瞬にして冷徹な建築家「ユン先生」に戻った。
「はい、パクチーム長。……資材のスペックの話ですか? 昨日送ったメールを確認していないのですか? 再確認して報告してください」
彼は短く、断固とした口調で電話を切った。
その姿を見守っていたジフの心は複雑になった。昨夜、彼らは世界に二人だけが存在するかのように互いを貪った。しかし朝が来ると、彼らを取り巻く現実が容赦なく扉を叩いていた。彼らは今や恋人になったが、同時に「文学の家」というプロジェクトを共に進めるビジネスパートナーでもあった。
シオンが電話を切り、きまり悪そうに頭を掻いた。
「すみません。週末なのに……」
「いいんだ。大丈夫だよ」
ジフが優しく言った。
「私たちは……これからこういうことも、一緒に合わせていかなければならないだろうから」
彼は席を立ち、シオンの乱れた髪を愛おしそうに整えてあげた。
「今日、そして明日。私たちには週末があるよ、シオン」
彼はシオンの唇に軽くキスをした。
「七年に比べればあまりに短いが……それでも、ゆっくり始めていこう。私たちの、本当の初日を」
ジフの言葉に、シオンは子供のように明るく笑った。彼の冷たかったオフィステルは、二人の男の笑い声とコーヒーの香り、そして窓から降り注ぐ朝の陽光で満たされていった。激しい夜が明け、彼らの愛は今、最も温かく平凡な朝を迎えようとしていた。




