第16話:The Buried Truth
パジュ出版団地の近くにある、静かな韓定食店。夕食のために予約された個室は、昼間の工事現場の騒音や土埃が嘘だったかのように、静寂に包まれ心地よかった。窓の外では日が沈み、赤い夕焼けが広がっており、端正に並べられた料理が食欲をそそる香りを漂わせている。すべてが平穏に見えたが、テーブルを挟んで向かい合ったユン・シオンとカン・ジフの間には、まるで見えない氷の壁があるかのように、ぎこちなく冷ややかな空気が流れていた。
この夕食を提案したのはシオンだったが、いざ二人きりで向き合うと、彼は何を先に切り出せばいいのか分からなかった。「仕事」という盾の後ろに隠れて投じた提案だったが、この空間はあまりに私的すぎた。彼は七年間、数え切れないほど想像してきた。もし彼に再会できたなら、聞きたいことは山ほどあった。なぜあんな風に去らねばならなかったのか、自分を恨んではいなかったか、あの日の約束を覚えているか。しかし、どの問いも、今のこの場では軽々しく口にできない重いものばかりだった。
カン・ジフもまた同様だった。シオンの突然の誘いに応じはしたものの、この席がひどく居心地が悪く、危ういものに感じられた。彼は向かいに座る男をまともに直視できなかった。スーツを脱ぎ、シャツの袖を捲り上げたシオンの姿は、堅物な建築家の「ユン先生」ではなく、二十五歳の青年「ユン・シオン」そのものだった。あまりに不慣れでありながら、同時にあまりにも見慣れた姿。彼は努めて茶碗をいじりながら、この気まずい沈黙を破る安全な話題を必死に探していた。
先に口を開いたのは、意外にもシオンだった。
「……お口に合うかどうか、分かりませんが」
それは極めて儀礼的な言葉だったが、彼の声はいつもよりトーンが低く、柔らかかった。
ジフはその声に驚き、反射的に顔を上げた。二人の視線が空中で正面からぶつかった。七年ぶりに初めて、何の邪魔もなく、ただ互いを見つめ合う瞬間だった。シオンの目は依然として深く冷ややかだったが、その奥には、硬い鎧の裏に隠していた複雑な感情の機微が微かに映し出されていた。ジフは心臓がドクンと沈むのを感じ、慌てて視線を逸らした。
「あ……はい。美味しいですね。お気遣いありがとうございます」
彼はぎこちなくおかずを口に運んだ。何の味も全く感じられなかった。
二人はしばらくの間、無言で食事を続けた。匙と箸が器に当たる音だけが不自然に空間を満たした。シオンはそんなジフの姿を黙って見守った。以前より少し痩せたような顔、疲労が滲む目元、そして……。咀嚼している間も、何か深い考えに耽っているような様子。彼はこの七年、どう生きてきたのか。教師の夢を失い、出版社の編集者として生きる彼の人生は、幸せなのだろうか。
シオンはもう、耐えられなかった。この無意味な探り合いを終わらせたかった。
「先生」
その一言に、ジフの箸が止まった。
「先生」。
七年ぶりに耳にする、あまりに恋しく、同時にあまりに痛切なその呼称。ジフは顔を上げることができなかった。
「……今は、先生ではありません。カン編集長と呼んでください」
彼の声が微かに震えた。
「いいえ。僕にとっては、今も先生です」
シオンの声は断固としていた。
「僕の人生に入り込んできて、僕のすべてを変えて去っていった、僕の最初で最後の先生」
ジフは目を強く閉じた。シオンがついに、封印していたパンドラの箱を開け始めた。彼はこの会話を避けたかった。過去の傷をえぐることは、二人にとってあまりに残酷なことだった。
「ユン先生、今日は仕事の話をすることに……」
「嫌です」
シオンが彼の言葉を遮った。彼の瞳にはいつの間にか、深い傷跡と怒りが宿っていた。
「仕事の話なら会社でいくらでもできます。僕が今日この席を設けたのは、仕事のためではありません。七年間聞きたくても聞けなかった問いに対する、答えを聞きたいからです」
彼は匙を置き、テーブル越しに身を少し乗り出した。
「なぜ、去ったのですか?」
一つ目の質問だった。
「なぜ僕に何も言わず、あんなに卑怯に消えたのですか? 僕がそんなに嫌いでしたか? 僕の想いが、そんなに吐き気がするほど嫌だったのですか?」
ジフは首を振った。
「違う。決してそんなことじゃない」
「じゃあ何なんですか! ああの日以来、僕の人生がどうなったか知っていますか!」
シオンの声が次第に激しくなり始めた。七年間抑え込んできた感情の堤防が決壊しようとしていた。
「学校に広まった汚い噂、僕を軽蔑する生徒たちや先生たちの視線。僕は一夜にして『先生を誘惑した問題児』になりました。僕の世界は地獄に変わった。なのに先生は、その地獄の中に僕を一人残して逃げた。僕には一言の弁明の機会も与えずに!」
ジフは何も言えなかった。彼はシオンがそのような時間を過ごしたであろうとは薄々察していたが、本人の口から直接語られる苦痛の重さは想像を絶するものだった。彼の心臓がバラバラに引き裂かれるようだった。
「……すまない」
彼に言えるのは、ただ無力な謝罪だけだった。
「すまないという言葉は聞きたくありません。理由を聞きたいんです。僕を守るためだったなんていう、そんな偽善的な答えじゃなく」
シオンの鋭い言葉に、ジフはようやく顔を上げた。彼の瞳には深い悲しみと罪悪感が満ちていた。
「……偽善だと思ってもいい。だが、事実なんだ。私は君を守りたかった」
彼の声は低く、絞り出すように続いた。
「あの日、懲罰委員会に呼ばれた。大人たちはすべての責任を君にも転嫁しようとした。『教師を誘惑した生徒』に仕立て上げ、君にも懲戒を与えなければならないと言ったんだ」
シオンの目が大きく見開かれた。彼は初めて聞く話だった。
「私は……それを阻止しなければならなかった。君の名前にそんな緋文字を刻ませるわけにはいかなかった。だから、私がすべてを認めた。私が先に君に不適切な感情を抱き、私が君を惑わせたと。すべては私の過ちであり、君は被害者に過ぎないと。そうしなければ、彼らが君に手を出すことはないから」
それが、ジフが七年間一人で背負ってきた真実だった。彼は自らの教師としての未来と名誉をすべて捨てる代償に、シオンを大人たちの汚い真実攻防から救い出した。そして彼を完璧に守るために、彼の前から完璧に消え去らねばならなかった。自分が彼の側に留まる限り、人々の疑念は続くからだ。
シオンは言葉を失った。彼は呆然とジフを見つめた。自分に向けられた噂の矢を、彼がその身を挺して防いでくれたのだということを、彼は今になって知った。自分が彼を恨んでいたあの時間、彼は一人ですべての汚名を被ったまま隠れて過ごさねばならなかったのだ。
「なぜ……」
シオンの喉から掠れた声が漏れた。
「なぜそんな馬鹿な真似をしたんですか……」
「馬鹿げていても、どうしようもなかった。それが私にできる唯一の方法だったから。大人として、そして……君に抱いてはならない想いを抱いた人間として、私が負うべき最小限の責任だったんだ」
二人の間に長い沈黙が流れた。部屋の空気はもはや冷たくはなかった。七年間凍りついていた誤解の川が、ジフの告白と共に溶け始めていた。シオンの瞳から、彼が七年間、一度も他人の前で見せたことのなかった涙が流れ落ちた。彼は手の甲で乱暴に涙を拭った。
「……じゃあ、約束は」
シオンが震える声で尋ねた。
「大人になったら、考え直すと言ったあの約束。あれも……僕を守るための嘘だったんですか?」
その問いに、ジフは答えることができなかった。それは嘘ではなかった。それは、彼が地獄のような時間を耐え抜くための唯一の希望だった。いつか、すべての傷が癒え、時間が流れ、堂々とした大人になったシオンに再会できるという、あのかすかな希望。
ジフの沈黙を、シオンは肯定として受け取った。
「そうですか」
彼は自嘲気味な笑みを浮かべた。
「僕は……あの約束一つだけを信じて七年を耐えてきたのに。本当に馬鹿みたいですね」
「違うんだ、シオン」
ジフが慌てて彼の言葉を否定した。
「嘘じゃなかった。一瞬たりとも……忘れたことはなかった」
ついに、ジフの口から葬っていた本心が溢れ出した。
「君がどう生きているのか、気になって狂いそうな時が何度もあった。卑怯にもインターネットで君の消息を調べたりもしたし、君が設計した建築物の写真を見て一人で喜んだりもした。でも、近づくことはできなかった。私は君の人生にとって、これ以上現れてはならない汚点だから。君が私のような人間をすべて忘れて、もっと素敵で輝かしい世界で生きていくことを、心から願っていたんだ」
彼の告白に、シオンの心臓が再び脈打ち始めた。七年間止まっていた彼の時間が、再び流れ始めた。
彼は席を立ち、ジフが座っている側へと歩み寄った。そして、彼の前に静かに膝をついた。
「……シオン、君、今何を……」
ジフは当惑し、彼を立たせようとしたが、シオンはその手を握り、首を振った。
「僕が間違っていました。先生を恨み、憎んでいた僕は、あまりに幼く愚かでした」
彼は握ったジフの手を、自分の頬にそっと押し当てた。
「今からでも……遅くないのなら……」
シオンの熱い涙が、ジフの冷たい手の甲へと零れ落ちた。
七年の誤解。七年の情慕。七年の痛み。
そのすべてが、熱い涙と共に溶け去っていこうとしていた。
大人の距離。彼らが必死に守ろうとしたあの危うい距離は、ついに葬られていた本心を前に、脆くも崩れ去っていた。




