第10話:Rejection, and a Promise
どれほどの時間が流れただろうか。短い口づけは、永遠のように長く感じられた。先に唇を離したのはカン・ジフだった。彼はまるで火に触れたかのように、慌てて後ろに下がった。自分が何をしでかしたのかを悟った彼の顔は、紙のように白く染まっていた。後悔と自己嫌悪、そして抑えきれずに溢れ出した感情が混ざり合い、その瞳は激しく揺れていた。
ユン・シオンはその場に縫い付けられたように立ち尽くしていた。唇にはまだ、ジフの体温が微かに残っている。驚きと衝撃、そして心臓を破裂させんばかりに満たしていく恍惚感。頭の中は真っ白になり、何も考えることができなかった。ジフの口づけは、彼のすべての問いに対する、最も確実で強烈な答えだった。「君一人だけの勘違いじゃなかったんだ」と、彼の全身が叫んでいた。シオンの目尻に溜まっていた涙が、ついに頬を伝ってゆっくりと流れ落ちた。それは、悲しみの涙ではなかった。
しかし、その幸福な時間は長くは続かなかった。ジフの口から漏れた最初の一言は、シオンが期待していたどんな言葉ともかけ離れていた。
「……忘れろ」
氷のように冷たく、刃のように断固とした声だった。
「今あったことは、すべて忘れるんだ。決してあってはならないことだった。私は……どうかしていたんだ」
ジフは両手で頭を抱え、苦悶した。彼はシオンを見ることができず、自分の足元だけを見つめていた。彼は今この瞬間、世界で最も卑怯で醜い大人だった。生徒の純粋な告白に衝動的に口づけ、今さらそれを間違いだと言い張っている。
シオンの心臓が急速に冷え切っていった。さっきまで彼を天国へと導いていたぬくもりが一瞬で消え去り、シベリアの寒波のような冷気だけが残った。
「……忘れる、ですか?」
彼の声は、信じられないというように震えていた。
「今のことが……間違いだったとおっしゃるのですか?」
「ああ、間違いだ。教師として絶対に許されない、最悪の過ちだ」
ジフは顔を上げた。その目は赤く充血していた。彼はシオンからさらに一歩遠ざかり、二人の間に越えられない線を引いた。
「私たちは教師と生徒だ。それ以上でも、それ以下でもない。君はまだ若く、これは本当の愛じゃない。ただの一時の混乱に過ぎないんだ」
彼はシオンに言った言葉を、今や自分自身に呪文のように言い聞かせていた。これは愛であってはならなかった。そうでなくてはならなかった。
だが、シオンはもう彼の嘘には騙されなかった。彼はジフの瞳の奥深くで揺れ動く真実を見た。彼の唇は拒絶を語っていたが、彼の全存在はシオンを求めていた。
「嘘だ」
シオンは低く呟いた。
「先生の目は、そんなこと言っていません」
彼はゆっくりとジフに再び歩み寄った。ジフは後ずさり、ついにデスクに背中を阻まれた。
「なぜ素直になれないんですか? 僕を突き放す本当の理由は何ですか? 教師と生徒だから? 僕が子供だから? そんなありふれた理由じゃなくて、先生の心がどうなのか、それを聞かせてください」
シオンの声は、哀願していた。彼はジフの真心を求めていた。たとえそれが自分をより深い奈落へと突き落とすことになっても。
ジフはシオンの執拗な追及の前に、崩れ落ちようとしていた。彼の理性は非常ベルを鳴らしていたが、心はとっくに白旗を上げていた。彼は震える手でシオンの肩を掴んだ。力を込めて突き放そうとしているようだったが、その指先には突き放しきれない愛惜が滲んでいた。
「シオン……頼む……」
彼の声は哀れに掠れていた。
「君の言う通りかもしれない。私が今、君に感じているこの感情は、単なる師弟の情ではないのかもしれない。だが、そうであってはならないんだ。分かるか? 私は君より十歳も年上の大人で、君の担任ではなかったが紛れもなく君の先生だった。もし私たちが……もしこの感情を認めてしまえば、世間は私たちをどう見るだろう。君は『教師を誘惑した問題児』になり、私は『教え子に手を出した破廉恥漢』になるんだ」
それこそが、彼がシオンを拒む真の理由だった。彼が恐れているのは、自分の壊れる未来ではなかった。この少年の透明な世界に、「緋文字」という残酷な烙印が押されることだった。彼はこの少年を守りたかった。自分の穢れた感情から、そして世間の冷酷な視線から。
「君はまだ、たったの十八歳だ。これから無限の可能性が広がっている。良い大学へ行き、素晴らしい人々と出会い、健全な愛を知るんだ。私のような人間のせいで、君の輝かしい未来を台無しにさせるわけにはいかない」
ジフの目から、ついに一滴の涙がこぼれ落ちた。大人の涙だった。すべてに責任を負わねばならないが、何一つできない無力な大人の。
シオンはジフの涙を見て、すべてを理解した。彼の拒絶は、憎しみや無関心ではなかった。それは自分を守るための、世界で最も痛切な形の愛情だった。シオンの胸が張り裂けそうになった。
「じゃあ……」
シオンの声が沈んでいた。
「僕たちは本当に、このまま終わりなんですか?」
その問いに、ジフは答えることができず、うなだれた。その沈黙こそが、最も痛い肯定だった。
静まり返った実習生室の中、二人の乱れた呼吸音だけが満ちていた。
まさにその時、外から聞こえた微かな物音が二人を現実へと引き戻した。誰かが廊下を歩いてくる足音だった。ジフはハッと我に返り、シオンから離れた。
「とにかく、今日はもう帰りなさい。これ以上話しても無意味だ」
彼は慌てて状況を収拾しようとした。
しかし、シオンはこのまま引き下がることはできなかった。彼は最後の藁をも掴む思いで、ジフの袖を掴んだ。
「約束してください」
「……何を」
「先生が仰ったように、僕が大人になった後……その時になっても、もし僕が先生を忘れられなかったら。その時、僕たちがまた再会できたなら……」
シオンの瞳が切実に輝いた。
「その時は、僕を生徒ではなく一人の人間として見てくれると。僕の気持ちについて考えてみると。約束してください」
それは、少年ができる精一杯の、そして必死の提案だった。
ジフはシオンの顔を、その切実な眼差しを長く見つめた。彼の理性は「いけない」と叫んでいたが、心はすでに頷いていた。この少年をこのまま絶望の中に放り出すことはできなかった。ほんの小さな希望でも、生きる理由でも残してやらなければならなかった。そしてそれは、おそらく自分自身に残す希望でもあった。
「……分かった」
ジフは辛うじて、しかしはっきりと答えた。
「約束しよう。君が二十歳を過ぎて、立派な大人になった後、また偶然にでも会えたなら。そして、その時まで君の気持ちが変わっていなかったなら……」
彼は一度、呼吸を整えた。
「その時は……考えるよ。教師のカン・ジフではなく、人間のカン・ジフとして」
その約束の一言に、シオンは世界を手に入れたような気分になった。彼の顔に、ようやく微かな微笑が浮かんだ。それで十分だった。彼はもう待つことができた。何年かかろうとも。
「ありがとうございます、先生」
シオンは最後の挨拶を交わし、実習生室を後にした。彼の足取りは傷ついてはいたが、絶望的ではなかった。彼には「約束」という微かな灯火が灯ったのだから。
一人残されたジフは、その場に崩れ落ちた。彼は自分がしてはならない約束をしてしまったことを自覚していた。少年に希望を与えると同時に、自らにも逃れられない枷をはめたのだ。だが、彼は後悔しなかった。それが、彼にできる最善の、そして最も利己的な愛の形だった。
一方、実習生室の扉の外ですべてを聞いていたキム・ユジンは、冷たい廊下の壁に身を預けて立っていた。彼女が手にしていた贈り物の箱は、すでに床に落ちて歪んでから久しかった。彼女の顔は涙と怒り、そして裏切られたという思いで歪んでいた。
口づけ。そして、約束。
彼女がそれほどまでに望んでいたすべてを、あの幼い男子生徒が奪っていった。彼女の片思いは粉々に砕け散り、尊敬していた先輩は倫理を捨てた破廉恥な男へと成り下がった。彼女はこのまま引き下がることはできなかった。この不道徳な関係を、この誤った約束を、見過ごすわけにはいかなかった。
彼女は震える手でスマートフォンを取り出した。そして、使い慣れた番号を探して通話ボタンを押した。電話の向こうには、彼女の冷たく断固とした声が響き渡った。
「はい、パク先生。私です、ユジンです」
小さな石が起こした波紋は、今や抗えないほど大きな波となって二人に向かって押し寄せようとしていた。自分たちの前にどのような試練が待ち受けているか、まだ約束という小さな希望に胸を躍らせるシオンも、罪悪感に苛まれるジフも、知る由もなかった。




