愚かでいいのだろう 見渡す戦の痕 さよなら 南雲艦隊
長いです。
黎明に発進した南雲艦隊一次攻撃隊がサザーランド共和国主力艦隊に突撃をした頃、地球艦隊からも攻撃隊がやってきていた。さらにラーメルシュ帝国海軍も攻撃隊を送り出していた。
出した索敵機を全て撃墜されているサザーランド共和国主力艦隊には各艦隊の位置がわかっていない。だから迎撃に徹することになった。
「各員よく聞け。一空母二空母三空母だ。デカい奴からやれ。小物は他の奴に任せておけ」
『『『『ハッ』』』』
さすが階級のせいで転出していった淵田少将と島崎少将から、村田大佐が攻撃隊総隊長になっていた。
『いいのですか。総隊長。小物は他の奴などと言って』
「かまわんぞ。早い者勝ちだ。ちっ、高橋が先に行ったか」
『艦爆が先でしょう』
「こいつももっと速ければな」
『墜ちないだけでも上等です』
「それはそうだ。良し、目標視認。一番デカい奴は無理だから次にデカい奴をやる」
『無理されないのですか』
「安全第一だぞ」
『…二番機三番機続きます』
「なんだ?戦艦が主砲を撃っているだと」
『三番平田機爆散!』
「なんだと」
『二小隊三小隊散開!』
「各員。村田だ。次弾装填までに投雷出来る。慌てるな」
慌てるなと言われても、言っている本人も南雲艦隊初の被撃墜事例で驚きだった。
(さすがに戦艦主砲弾は無理か)
南雲艦隊一次攻撃隊の戦果は、
超大型空母 一隻撃沈 一隻撃破
大型空母 二隻撃沈 一隻撃破
空母 二隻撃沈 二隻撃破
巡洋艦 一隻撃沈 一隻撃破
大型駆逐艦 二隻撃沈
駆逐艦 四隻撃沈
戦闘機 六十八機撃墜 三十八機撃破
未帰還 一機
地球艦隊攻撃隊が
超大型空母 二隻撃沈 一隻撃破
大型空母 三隻撃沈 二隻撃破
空母 五隻撃沈 四隻撃破
巨大戦艦 一隻撃破
大型戦艦 二隻撃沈 一隻撃破
巡洋艦 三隻撃沈 一隻撃破
大型駆逐艦 四隻撃沈
駆逐艦 五隻撃沈
戦闘機 百二十五機撃墜 七十八機撃破
未帰還 十八機
ラーメルシュ帝国海軍攻撃隊が
大型空母 一隻撃破
空母 三隻撃沈 二隻撃破
巡洋艦 一隻撃沈 三隻撃破
大型駆逐艦 二隻撃沈
駆逐艦 六隻撃沈
戦闘機 四十五機撃墜 十八機撃破
未帰還 八十四機
彩雲と一〇〇式司令部偵察機が上空に張り付いており戦果の確認は正確に出来ている。
サザーランド共和国主力艦隊は
巨大戦艦 六隻 一隻損傷 状態不明
大型戦艦 六隻 二隻損傷 状態不明
戦艦 十四隻
超大型空母 五隻 二隻損傷 一隻は大破と思われる
大型空母 十七隻 二隻損傷 一隻は漂流中
空母 九隻 四隻損傷 二隻は大破と思われる
中型空母 十二隻
大型巡洋艦 二十三隻
巡洋艦 二十八隻 二隻損傷 状態不明
小型巡洋艦 二十四隻
大型駆逐艦 三十八隻
駆逐艦 八十三隻
まで減った。減ったのかと思うくらい残っている。戦闘機も前日と今回で六百機以上減っているはずだが、減ったような気がしない。
そこに南雲艦隊二次攻撃隊が突っ込んだ。今回も目標は一空母二空母三空母だ。九九艦爆が戦闘機って突っ込み、九七艦攻は狙いを絞らせないように超低空まで降りさらに左右に機体を滑らす。
零戦隊は雲霞の如き敵戦闘機を寄せ付けないよう立ち回る。
南雲艦隊一次攻撃隊の戦果は、
大型空母 二隻撃破
空母 一隻撃沈 四隻撃破
戦艦 一隻撃沈 一隻撃破
中型空母 一隻撃沈 五隻撃破
大型巡洋艦 一隻撃沈
巡洋艦 二隻撃沈 二隻撃破
大型駆逐艦 一隻撃沈
駆逐艦 三隻撃沈
戦闘機 四十八機撃墜 四十三機撃破
未帰還 二機
未帰還機二機は九七艦攻でまさかの抱えていた魚雷に敵弾が命中し爆散したもの。二次攻撃では九九艦爆が散開し多数の飛行甲板を破壊する作戦行動を取ったために空母の撃破数が増えている。
まだ艦隊を纏めきらないうつに地球艦隊二次攻撃隊がやってきた。
地球艦隊二次攻撃隊は
超大型空母 一隻撃沈 一隻撃破
大型空母 二隻撃沈 三隻撃破
空母 三隻撃沈 二隻撃破
中型空母 二隻撃沈
巨大戦艦 一隻撃沈 一隻撃破
大型戦艦 三隻撃沈 一隻撃破
大型巡洋艦 三隻撃破
巡洋艦 二隻撃沈 二隻撃破
大型駆逐艦 二隻撃沈
駆逐艦 三隻撃沈
戦闘機 九十六機撃墜 五十九機撃破
未帰還 二十六機
さらにラーメルシュ帝国二次攻撃隊が
空母 二隻撃沈 一隻撃破
戦艦 一隻撃沈 二隻撃破
巡洋艦 一隻撃沈 二隻撃破
大型駆逐艦 一隻撃沈
駆逐艦 三隻撃沈
戦闘機 三十二機撃墜 八機撃破
未帰還 八十一機
の戦果を上げサザーランド共和国主力艦隊を
巨大戦艦 五隻 二隻損傷 状態不明
大型戦艦 五隻 二隻損傷 状態不明
戦艦 十二隻 二隻損傷
超大型空母 四隻 一隻損傷 発着艦不能
大型空母 十五隻 二隻損傷 発着艦不能
空母 四隻 二隻損傷
中型空母 九隻 二隻損傷
大型巡洋艦 二十二隻 三隻損傷(一隻洋上停止)
巡洋艦 二十四隻 三隻損傷
小型巡洋艦 二十四隻
大型駆逐艦 三十四隻
駆逐艦 七十四隻
まで削った。
削ったがまだこちらの数倍もいる。三次攻撃隊を出したいがラーメルシュ帝国海軍は艦載機の数が三次攻撃隊を編制できるような機数ではなくなり出せないという。
南雲艦隊と地球艦隊は三次攻撃隊の準備をしていたが、遂に敵輸送船団に対して驀進する南雲艦隊と地球艦隊それぞれの戦艦を中心とする水上砲戦部隊が敵索敵機に発見された。攻撃準備は中止。直ちに水上砲戦部隊の防空戦に移行する。
この水上砲戦部隊は南雲艦隊が距離的に一番接近しており最初に攻撃を受けるものとなる。
「見つかったか」
「電探作動させますか」
「電波管制はもう意味はないだろう。電波管制解除だ」
「ハッ」
南雲艦隊は阿武隈を先頭に比叡と霧島が続き、利根・筑摩・谷風・浦風と浜風・磯風・霞・霰が両翼を固める。陽炎と不知火は空母の護衛として残った。
「対空戦闘始め」
敵の攻撃隊(推定三百機)が来たのは三十分も全速航行すれば輸送船団を捕捉できそうな所まで進出した頃だった。
「味方戦闘機接近中」
「艦隊防空圏内に入るなと徹底せよ」
敵攻撃隊は戦果なきままに帰って行く。戦闘機隊と対空砲火で半数近く撃墜されるという大きな損害を出して。こちらは負傷者が数名出たのみで艦は無事だった。超インチキな艦隊だった。
地球艦隊の方は南雲艦隊ほど強化されていないので損害は出た。
まず来襲した敵攻撃隊が総数一千二百機以上という数で対応しきれなかった。
味方戦闘機も対空砲火も奮闘し敵機五百機以上を墜としたが
日本海軍では鳥海・宵月・竹・時雨が沈んだ。
アメリカ海軍はボルチモア級重巡二隻・クリーブランド級軽巡洋艦二隻・ギアリング級駆逐艦一隻・フレッチャー級駆逐艦五隻が沈んだ。
地球艦隊各艦は対空火力にかなり損害が出ており次回攻撃が有れば損害が嫌でも増すだろう。
だが。敵二次攻撃隊は来なかった。
南雲艦隊がサザーランド共和国主力艦隊に殴り込んだのである。空母を逃がすために奮闘するが速力で翻弄し砲雷力で圧倒した。もちろん損害は出た。強化されていてもさすがに重巡と駆逐艦では巨大戦艦の推定二十インチ砲に耐えられなかった。筑摩と谷風が沈む。南雲艦隊初の戦没だった。
利根以下は比叡と霧島が敵巨大戦艦の相手をしている間に敵空母を雷撃するために突進していた。しかし比叡と霧島が相手に出来るのは二隻で、残りの三隻と他の艦艇が利根以下の艦艇を目標にしてきたのだった。谷風は雷撃と主砲で戦艦一隻と駆逐艦四隻を沈めるも巨大戦艦の主砲弾複数を被弾。遂に波間に消えた。筑摩も雷撃と主砲で戦艦二隻と大型巡洋艦二隻に巡洋艦三隻を沈めるが谷風同様巨大戦艦の主砲弾複数を被弾。転覆した。
利根隊が奮闘する間に浜風・磯風・霞・霰が空母部隊に雪崩れ込み砲雷撃を叩き込んだ。超大型空母二隻と大型空母四隻を雷撃で沈め、砲撃で護衛に付いていた小型巡洋艦五隻と駆逐艦六隻を沈める。
奮闘する南雲艦隊に遅れること一時間。地球艦隊水上砲戦部隊先鋒がやってきた。南雲艦隊は魚雷を撃ち尽くし被弾損傷も多くかなり拙かったのである。助かったというのが本音だ。
南雲艦隊の戦果は大きく、空母は超大型空母二隻、大型空母七隻、空母一隻、中型空母一隻を沈めている。さらに中型空母複数に損傷を与える。戦艦は巨大戦艦三隻、大型戦艦一隻、戦艦四隻を沈めた。巡洋艦は大型巡洋艦四隻と巡洋艦六隻に小型巡洋艦八隻を沈めた。駆逐艦は大型六隻の他に十一隻を沈めた。大戦果である。
残るサザーランド共和国主力艦隊は
巨大戦艦 二隻
大型戦艦 三隻 一隻損傷
戦艦 八隻
超大型空母 二隻 一隻損傷
大型空母 八隻 三隻損傷
空母 一隻 二隻損傷
中型空母 八隻 六隻損傷
大型巡洋艦 十八隻 三隻損傷
巡洋艦 十六隻 三隻損傷
小型巡洋艦 十六隻
大型駆逐艦 二十八隻
駆逐艦 六十三隻
地球艦隊が相手にしたのはこの規模の艦隊だった。南雲艦隊は地球艦隊の日本艦隊から「南雲艦隊はいずこや。我応援に来たり」と通信を受けたとき、サザーランド共和国主力艦隊が地球艦隊を相手取るための僅かな隙に全艦離脱を決めた。
地球艦隊の先鋒はミズーリとウィスコンシンを主力とする快速部隊だった。ボルチモア級重巡一隻、クリーブランド級軽巡洋艦三隻、ギアリング級駆逐艦二隻、フレッチャー級駆逐艦十六隻が同行している。日本艦隊も一部を送り込んだ。矢矧、五月雨、海風、涼風の四隻である。部隊司令官は激突を回避し主力部隊到着まで時間を稼ぐ戦術に出た。距離を取り転舵を繰り返し損害を受けないようにする。さすがに巨大戦艦の相手は無理だと思われるから。アレは大和に相手してもらおう。
のらりくらりと躱しながら待つこと一時間あまり。空母の護衛にある程度残してきた大和主力の地球艦隊がやってきた。
大和が三万メートルで敵巨大戦艦に発砲した頃。
「うじゃうじゃおるな」
イ20の司令塔でひそひそ会話している。
「僚艦はイ23とイ19が位置的に無理です」
「残念じゃの。この祭りに参加できんとは」
場所はサザーランド共和国大輸送船団周辺深度40メートル。
「奴らの分も沈めてやりましょう」
「ではやるか」
「ハッ」
後で分かったのだが集まったのはイ号潜六隻の他パラオ級が四隻間に合っていた。
「二本残して撃ち尽くすぞ」
「ハッ」
他の潜水艦もおおむね二本から四本残して撃ち尽くす襲撃行動に出た。
周囲から雷撃を受けた輸送船団には甚大な被害が出た。
二万トン級空母三隻、中型空母二隻、護衛空母十二隻、戦艦三隻、巡洋艦四隻、駆逐艦十八隻、輸送船三十八隻が沈んだ。南雲艦隊のイ号潜は魚雷の威力がとんでもなく戦艦と二万トン級空母でも二本。他の艦種なら一本で沈めてしまった。
サザーランド共和国主力艦隊と輸送船団はこの大損害で帰還命令が出て針路を本国に向けた。だが翌翌日、本国から機体の補充を受けたラーメルシュ帝国海軍の攻撃隊が襲いかかった。この攻撃で二万トン級空母四隻と中型空母四隻と護衛空母十二隻が沈んだか航空機運用不能となり艦隊防空能力はかなり低下した。ラーメルシュ帝国艦隊は反撃で二万五千トン級空母二隻と二万トン級空母二隻と駆逐艦四隻が沈んだ。それでも追撃を続行し翌日には航空攻撃の他に水上砲戦が発生。戦艦と巡洋艦の数的有利を利用し終始優位に立ったラーメルシュ帝国海軍艦隊が敵輸送船団へ大打撃を与えることに成功する。
戻って地球艦隊だが、大和がボロボロになりながらも巨大戦艦二隻を撃破。ミズーリとウィスコンシンは大和同様ボロボロになって大型戦艦四隻をなんとか撃沈。長門とノースカロライナもやっぱりボロボロになりながら戦艦六隻を撃沈破した。巡洋艦達は数に勝るサザーランド共和国主力艦隊巡洋艦に押され足柄が大型巡洋艦三隻と交戦し撃沈するも力尽きる。足柄は魚雷でも駆逐艦四隻を沈めた。ここに日本海軍条約型巡洋艦の最後を飾った。ボルチモア級重巡一隻とクリーブランド級軽巡洋艦一隻で大型巡洋艦四隻と巡洋艦五隻を相手取り大立ち回りを魅せ大型巡洋艦三隻と巡洋艦二隻を沈めたが力尽きた。クリーブランド級軽巡洋艦二隻はフレッチャー級駆逐艦十六隻に矢矧、五月雨、海風、涼風と共同で地球艦隊に迫る敵駆逐艦に対処した。しかし数は圧倒的に不利でクリーブランド級軽巡洋艦一隻とフレッチャー級駆逐艦四隻、五月雨が沈んだ時には皆覚悟を決めたという。
そこに南雲艦隊と地球艦隊の艦載機がやってきた。三次攻撃隊は一機も残さずの全力出撃だった。
サザーランド共和国主力艦隊も残る空母から戦闘機を出撃させて必死の防戦をするが強化されたインチキ航空機相手では分が悪すぎた。
この海戦で生き残ったのは
サザーランド共和国主力艦隊 輸送船団
戦艦 一隻 二隻
大型空母 一隻 -
二万トン級空母 - 二隻
中型空母 二隻 二隻
大型巡洋艦 三隻 -
巡洋艦 二隻 六隻
小型巡洋艦 四隻 -
大型駆逐艦 八隻 -
駆逐艦 十六隻 二十八隻
輸送船 - 二百十八隻
という惨敗。
海戦は終わったがまだ続きがあった。
サザーランド共和国首都と主要港湾攻撃である。
イ400の青嵐三機が首都を、イ401イ402の青嵐六機が主要港湾を攻撃した。
青嵐はフロートを装備せずにカタパルト射出。超低空飛行ー超低空攻撃ー超低空離脱で見事に作戦を成功させる。青嵐は海上に不時着水し搭乗員のみ回収している。
勝利に沸くラーメルシュ帝国。一方地球艦隊はその損害の多さに圧倒的勝利にもかかわらず陰鬱な雰囲気だった。男気を魅せての戦いである意味わがままな行動が本国に帰った時、どう言われるのか。
一ヶ月後、サザーランド共和国とラーメルシュ帝国との間に休戦となる。平和条約締結に向けての協議が開始される。
南雲艦隊を含む地球艦隊が光に包まれたのはその時だった。
ありがとう。
地球人達には光がそう言っているように聞こえた。
次回最終話 2月28日 05:00




