アラノイアス オンライン③
サンとの対決について4人で語った
ナナ「ええっ? サンは野球部の時に、ゴとそんな大変なことがあったの?」
サン「そうなんだよ。 俺の人生が変わったと言ってもいいくらいの出来事だった」
イチ「そうそう、そのサンのタバコ事件は私も後になってゴから聞いたのよ」
ゴ「その事件を聞いたイチは、サンのその男っぷりに惚れて好きになったんだよな」
イチ「おい、またお前は余計なことを言うな!」
3人「ハハハ!」
サン「紅白試合とかタバコ事件とか、俺たちいろいろあったよなぁ。 なんだか今はとても懐かしいよ」
ゴ「だよねぇ。 まだ1年前のことなのに、あれから演劇とかいろいろあったから懐かしいよね」
サン「でもよ。 俺がせっかく野球部のエースをお前に任せたのに、1年経ってすぐ岡山に転校しちゃったよなぁ。 まぁお父さんの転勤じゃ仕方がないけど」
ゴ「だから俺はエースになるっていうお前との約束があるから、岡山の野球部で毎日頑張っているよ」
サン「おお、そうか。 スタメンになったか?」
ゴ「うん、まだ補欠だけどね。 ところでサンは肩のケガの調子はどうなの?」
サン「それがさぁ。 あのタバコ事件から演劇やっている時もずっと肩が痛かったのに、今はなんか軽くフワッと浮いている感じなんだよ」
ゴ「ふぅん、何だか不思議だね」
ナナ「そのタバコ事件の後に、ゴが演劇にサンを誘ったんでしょ? 結構勇気いるよね?」
ゴ「そうなんだ。 サンを演劇に誘ったのはイチからの恋の頼みもあったけど、俺もタバコ事件のことでサンには少し引け目があったんだよ」
サン「お前は俺のことをそういう目で見てたの?」
ゴ「当たり前だろ? これでも俺は野球部を退部したお前のことをずっと気にしてたんだよ」
サン「ゴ、ゴくん。 あ、ありがとう」
イチ「おいおい、お2人さんはボーイズラブ?」
ナナ「BLだぁ、BLだぁ!」
ゴ「ち、違うよ! 俺はあのタバコ事件でサンを置いて逃げた自分に反省しているんだよ」
サン「バーカ、そんなこと気にすんなよ。 例えBLだったとしても俺の相手はゴではない」
ゴ「なんか僕、軽くフラれているんですけど」
3人「ハハハ!」
イチ「それで学園祭で奇数組の演劇をやった後も、サンはそのまま演劇部に入ったんだよねぇ」
ナナ「そう、それにはビックリした。 だって体の大きいサンがそのまま演劇部に入るんだもん」
ゴ「しかも1年生で主役をやるまでうまくなっちゃうんだよなぁ。 意外だったよ」
サン「ハッハッハ。 いやぁ、これも才能ってやつかなぁ。 意外と演劇が楽しかったんだよ」
イチ「コラッ、サン! 誰がお前を主役まで育てたと思ってんだよ」
サン「はい、イチ様です。 すみません」
イチ「わかればいいのだ、わかれば」
ナナ「そのまま演劇部に入ったは良いけど、サンはもう野球のことを諦めたの?」
サン「諦めたっていうか、野球部に入部する当初からゴにはピッチャーでは勝てないって思ってたんだよ。 それは中学野球の時から分かっていた」
イチ「マジで? ゴって中学の時からピッチャー凄かったの? なんか意外じゃね?」
ゴ「意外ってなんだよ! 昔っからイチは俺の野球の試合なんか見に来なかったもんな」
サン「中学の時のゴのピッチングは凄かったよ。 だからあのタバコ事件の時、ゴにだけはケガをさせたくなかったから先に逃したんだよ」
ナナ「へぇ。 なんかサン、かっこいいじゃん!」
サン「ナナ、茶化すんじゃねぇよ。 俺は真剣にゴには野球部のエースになって欲しかったんだ」
ゴ「そう。 俺もその理由を後から知って、頭にきてサンのことを殴ってしまった」
ナナ「な、何でゴがサンを殴ったの?」
イチ「本当にバカでしょ、こいつは」
サン「あ、思い出した! こいつ肩をケガしてる俺を殴りやがったんだよ。 ひでぇヤツだよ」
ゴ「だって『俺とエース対決だ』じゃなくってさ、そのことを初めから言えっつうの!」
サン「別にいいじゃんよ、俺の勝手だろ?」
イチ「おお、なんか2人とも青春してんじゃん」
ナナ「なんか私はサンのこと少し見直したなぁ。 イチがサンに惚れるのも、なんか分かる気がする」
サン「お、ナナ! 今度はお前が俺に惚れるなよぉ」
3人「んなわけねぇだろ!」
実はサンはもう1つ僕に嘘をついていた。そもそも青柳高校のエースになる為の対決なんて、あいつは最初から考えていなかったらしい。
もしあのタバコ事件が起きなくて紅白試合が無事に終わっていたのなら、サンはピッチャーではなくキャッチャーになるつもりだった。そして僕とバッテリーを組んで甲子園へ行くことを夢見てたそうだ。それを素直に言わないで試合でエースを決めようとするなんて、本当に不器用であいつらしいよ。
結局サンは肩を痛めて野球部は退部してしまったけど、その後演劇の方で活躍したことはとても嬉しかった。
この豪快で不器用なサンは、僕の1番の親友なんだ。




