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第5章 突然の事故②

僕が見たテレビから、信じられないニュースが流れていた。



『繰り返し緊急ニュースをお伝えします。今朝8時25分ごろ、神奈川県立青柳高校の修学旅行の途中、九州に向かっていたバスのうち1台が川へ転落するという事故がありました。警視庁の調べでは・・・。』



僕はそのニュースを呆然と見ながら呟いた。


「神奈川県立青柳高校の修学旅行って? 川に転落事故って一体どういうことだよ?」


そしてハッと思い出し、慌てて奇数組の皆んなに連絡した。しかし、何度も連絡をしたけど誰1人つながらない。今この状況がどういうことなのかさっぱり分からず、頭の中が混乱して髪をグシャグシャと掻き乱した。

しばらくすると、青柳高校元野球部の佐々木先輩から僕のスマホに連絡があった。


「佐々木先輩、青柳高校のバスの転落事故ってどういうことですか? 皆んなは大丈夫なんですか?」


「慎吾・・・いいから落ち着いて聞いてくれ」


佐々木先輩から詳しく転落事故の話しを聞いた僕は、その場に倒れこみながら泣き声を上げた。


「うわぁぁぁ!」


台所でお母さんが泣きながら電話で話しをしている相手とは、神奈川県に住んでいるイチのお母さんだった。まだ詳しい状況を把握していないお母さんは、突然の出来事でパニックになっているイチのお母さんを必死に慰めていた。



バスの転落事故があった後、警察の調べで事故の状況がいろいろと分かってきた。どうやら青柳高校の修学旅行で行ったバス4台のうち、奇数組がいる2年C組のクラスのバスだけが転落事故を起こしたらしい。そして事故が起きた時間というのは、ちょうど僕が登校の時に自転車で転んでいた時間と同じ朝8時25分ごろだった。


ドライブレコーダーの分析で、事故の原因は『運転手の居眠り』と判明。バスは山道カーブを曲がり切れず、ガードレールを飛び越して川に転落し炎上した。


2年C組の皆んなは、全員即死だった。



悲劇というのは、いつも突然に訪れるものだ。

バス事故があまりにもショックが大きすぎて、それからの僕は1ヶ月以上も学校や塾へ行かず部屋に引きこもってしまった。


まるで枯葉に包まれたミノムシのように

今は何もやる気が起きないんだ・・・


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