表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心透  作者: 寝眠猫
7/10

発見

「うっ!…ぐっ!!やめ…はなし……て!」


「お前……今グラドに何をしようとした…。」


く、苦し…息が……


「ちょ、ちょっと!!!ダージリ様!ヒューナは俺の角を少し触っただけです!!攻撃なんかされてません!それに、魔獣と魔族の違いもわかってました!!」


ドサッ!


「…うぅ…。」


(し、死ぬかと思った………。)


公爵様は私の首をつかんでいた手を離し、私を宙から落とした。


(う、さっき蹴られた背中が……。…あぁ、思い出したくないのに…また震えが…)


「…こいつが?…ガタガタ震えているが?」


「いやそりゃダージリ様が突然首をしめるからでしょ!?」


あぁ…なんだか視界がクラクラする…公爵様とグラドが言い合いをしてる…?公爵様に婚約破棄をなくしてもらわないといけないのに…。


(…もう、限界…)


「…だからぁ!…?ヒューナ!?大丈夫!?……あれ?寝た?」


「ほっておけ。勝手に野垂れ死ねばいい。」


「ちょっと………俺、そんな事言うならダージリ様、大っきらいになるよ!!!それが嫌なら今すぐヒューナを家に入れてあげて!!」


「…勝手にしろ。俺は関わらない。」


===============================


「………?」


(あれ?…ここって……)


私は目が覚めるとふかふかのベッドの上にいた。


「あ!ヒューナ起きた?」


「うわっ!びっくりしたぁ!グラド?」


「へへ!よく眠れた?」


グラドはそう言ってベッドに潜り込んでくる。


「えぇ。……あの…ここって公爵様の家?」


「そうだよ〜。昨日はごめんね?ダージリ様、前にも言った通り悪い人じゃないんだ。でもやっぱり人間を信用できないんだと思う。ダージリ様、昔何があったのか分からないけどよく夜にうなされてるんだ…。」


「……そっか。そうなんだ…。」


(そういえば私、家から出たい一心で嫁ぎ先の公爵様のこと何も知らないな)


…知らない?


(……まって。そういえば昨日公爵様に首を絞められかけた時、心の声…聞こえなかった…?)


(いやまって、グラドの角を触った時も?……違う。もっと前、私が舞踏会で公爵様に寄りかかった時も…)


「グラド、!!ちょっと手を触ってみてもいい?!!?」


「え!?う、うん?いいけど…」


でももし勘違いだったら?

心の中で私を罵倒していたら?


(…やめよう。グラドはそんな子じゃない)


私は意を決して、グラドの手にそっと触れた。


「……っ!」


……聞こえない…!

触れても聞こえない、!


「……うっ、う、うわああああ!!グラドおお!!」


どうしよう涙が止まらない。


「え?!?ちょ!なんで泣いて??!」


「うううああ!!ずっと!ずっと嫌だったの!!やっと!やっとおおおおうわあああ!」


「ヒューナ…」


グラドは私のただ事ではない雰囲気を察したのか、そっと私の名前を呟き、優しくハグをしてくれた。


そのハグはとても優しく温かく


なぜかとても懐かしい気分になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ