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GAMEOVERから復活まで

作者: きなこ

RPGで勇者が死ぬと

セーブポイントに戻る。


この二行の間には、実はこんなことがあったのだ。


K「おい、どうする? 死んじゃったよ」

W「ったく、レベル上げしてからこいって話」

K「そんなことよりさ、どうにかしなきゃ」

W「よし、魔王と連絡を取ろう」


W「あ、もしもし魔王。勇者死んじゃった」

魔王『は?』

W「だから、俺らが殺しちゃったの」

魔王『証拠の写メ送れ……プチ』

K「何だって?」

W「写メ送れだと」

カシャ

W「送信、と」

プルルルルル

W「はいこちらワイバーン」

魔王『何した?』

K「いや、軽くフレア撃ったら全滅しました」

魔王『お前らレベルいくつだっけ』

W「16です。キメラは15です」

魔王『予想外だな。そんなに弱いのか、勇者は』

W「そうですね、中々雑魚かったです」

魔王『とりあえずレイズやってみろ』

W「覚えてません。体当たりとフレアしかできませんから」

魔王『………プチ』


K「どうだった?」

W「キレた」

K「マジかよ。やばいなー」

W「うん、やばいね」

K「とりあえず街に連れてく?」

W「馬鹿言うなって。また理性吹っ飛んで焼き払っちまうから」

K「だよなぁ」


K「おい」

W「ん?」

K「こいつら復活のアイテムもってるんじゃね?」

W「お前最強」

ガサゴソ

K「ありすぎてよく分からんな」

W「とりあえずこの緑色の液体飲ませてみようか」

K「よし、いけ」

W「誰に飲ませる?」

K「この魔法ばっか使ってきた魔法使いに使おう」

W「オッケー」


キュイーン


W「………」

K「………何か一瞬緑色のリングが出てきたけど」

W「生き返りそうにはないな」

K「んー、じゃあ次。この蒼いやつ飲ませようか」

W「そんなにホイホイ飲ませていいのか? 毒だったらどうするんだよ」

K「お前、勇者一行が毒持ち歩くと思うか?」

W「思わん」

K「だろ」


キュイーン


W「何だかな」

K「違うっぽいな。さっきのリングが青くなっただけじゃねぇか」

W「このフラスコみたいなやつはもうやめよう」

K「だな」

W「じゃあつぎはこの紅い石を」

K「おお、中々効きそうだな。えらく光放ってるし」

W「あれ、これどうやって使うんだ?」

K「とりあえず投げてみ」

W「よし」


ドォン!ドォン!ドォォオン!


K「めっさ燃えてますがな。魔法使いめっさ燃えてますがな」

W「馬鹿ぼさっとすんな。消せ、とりあえず消せ」

K「ウォタガしかないけど」

W「なんでもいいから」


ザパーン


W「よし」

K「よくはないだろ」

W「はい、次いこー」

K「お前楽しんでないか」

W「続きましてー………葉っぱ」

K「葉っぱ? 勇者が葉っぱ持ち歩いてんの?」

W「いや、マジだって。ホラ」

K「イタイなー。どんだけ乙女チックだよ」

W「んー。個性的なとこは嫌いじゃないな」

K「聞いてねぇよ」

W「おい、なんか羽が入ってる」

K「本当だ。あ、これあれだ。羽ペンってやつだと思うぞ」

W「なんだペンかよ、くそ」

K「捨てんなよ」


W「んー、大したもんないな」

K「途中から思ったんだが、復活のアイテム使い果たしたから死んだんじゃね?」

W「いや、どうだったかな。俺の一撃で皆死んだ気が」

K「は? お前マジ調子のんな。俺のウォタガのおかげだし」

W「いや、何言ってんの? お前のが俺よりレベル低いし、貢献度も低かっただろ」

K「んだテメェやんのか?」

W「いややらねぇし。ちょい冷静になれ」

K「あ、すいません」


W「どうすっか」

K「死後一時間経過したな」

W「そろそろ死後硬直が始まるんじゃね」

K「マジかよ、ヤベーじゃん」

W「おい、何俺の背中に勇者乗せてんだよ」

K「いや、固まる前によ」

W「お前が運べよ」

K「いや、俺の背中刺生えてるし」

W「くそ」

K「くそ言うな」


K「とりあえず全身乗っけたぞ」

W「あ、そ」

K「キレんなよ」

W「………」

K「そうだな。回復の魔法が使える仲間のとこ行くか」

W「そんな奴いねーよ」

K「あれ? そうだっけ」

W「そうだよ」


K「よし、今度は俺が魔王に電話してみる」

W「よしとけって」

ピポパポ

『おかけになった電話番号は、現在使…プチ』

K「………」

W「どうした」

K「うん。なんか忙しいみたい」

W「なんせ魔王だからな」

K「うん」

W「あれ? お前泣いてね?」

K「ねぇよ」

W「そか」


W「なぁ」

K「ん?」

W「街のアイテム屋襲ってさ。そこのアイテム全部使うってどうよ」

K「お前最強」

W「だろ?」


W「ここが一番近い街か」

K「そうだな」

W「なんか視線が痛いんだが」

K「気にすんな。お前が珍しいんだよ」

W「お前も同じくらい注目されてるがな」

K「おいあれアイテム屋じゃね?」

W「聞けよ」


街人「そこです!」

警備「確かに、人間を背中に乗せている。しかも奴らはここの主じゃないか」

警備2「倒せるか?」

警備3「無理だろ」

警備「無茶は承知のすけー」

警備2・3「いってらっしゃーい」


バシッ


K「ん? 何か足に違和感が」

W「おま、刺されてるし」

K「あぁ? 何だコイツ」

警備「人間を離せー」

W「おいおい、魔物語で話さなきゃ分かんねーよ」

K「誰か翻訳してくれー」

警備「渡す気は無いんだな。ならばこちらから!」

K「おいおい何か構えてるよ、この人」

W「目障りだな、やっちゃえ」

K「よし。ウォタガ」


ザパーン


警備「むが……ごばっ…」

W「おーおー、流れて行くぜ」

K「あ」

W「おい、アイテム屋に水が入ってったぞ」

K「ま、復活アイテムが防水ならいい」

W「ポジティブだな」


W「入口狭いな」

K「割るなよ………もう遅いか」

W「すいません。復活の薬ください」

アイテム屋「うわー! わー!」

K「めっさ怯えてるやん」

W「いや怪しいものじゃないんで」

アイテム屋「わー! のひゃー!」

K「言葉の壁って悲しいな」

W「ああ」

アイテム屋「どっひゃー! ヒーハー」

W「うっせぇよ、お前。フレア」

K「ちょ待ておま」


ドゴーン!


K「せっかく無害でいこうと思ったのによ」

W「お前だってウォタガやったろ。いいから探せ。俺はまっててやるからよ」

K「へいよ、まずコレ。フラスコで一番高級そうなやつ」

W「よし、使ってみろ」


キュオーン


K「ん、光は凄かったが。生き返らないな」

W「やっぱフラスコじゃ生き返らねーよ」

K「じゃあこのパンみたいなやつを」

W「はいはいパンね、って食うかぁ!」

K「ちっ」

W「真面目にやれ」


K「おい、いかにもそれらしい巻物が出てきたぜ」

W「よし使え、いや読め」

K「………人間語で書いてあるから読めん」

W「使えねー、捨てろ」

K「うん。お、光る球を発見したぞ」

W「おおー、それっぽいな」

K「うん、いけそうだ。投げるよー」

W「ま、待て。万が一を考えて俺から降ろせ」

K「知るかー」


警備2「隊長ー、生きてますかー。あれ、いない」

警備3「おい、なんか天井が光ってないか」

警備2「おお。まさしくこれはホーリー」

警備3「見とれてないで逃げるぞ」

警備2「あ、ああ。何て綺麗なんだ。光の球が天に舞い上がり、獲物を突き刺す」

警備3「早くこい!語るな馬鹿」

警備2「離せ。ホーリーで死ねるなら本望だ」

警備3「アホ抜かせ」


シュウゥゥゥ


K「その……何だ。すまない」

W「………」

K「次はこれを……」

W「てめぇでまず試せ」

K「はい」


キュイーン


K「セーフ」

W「外す気だったのか」

K「え、いや」

W「それにしても飽きてきたな。もう魔王に任せちまおう」

K「いいね、それ」

W「……お前は走ってついて来い」

K「はい」


バサッバサッ


W「着いたな、あれキマイラ?」

K「………もう無理だ。俺はここへ置いてゆけ」

W「そか。じゃな」

K「ってコラ!そこは手を貸すだろ」

W「黙れ」

K「………」

W「俺がこいつを魔王に届けるまで、お前はここの門で待機。いいな」

K「はい」


コンコン

ガシャーン


魔王『ノックの意味はあったか』

W「ども。これが奴らっす」

魔王『ゴブリン、降ろしてやれ』

ゴブリン達「キーキー」

W「おおサンキュー。中々しんどかったぜ」

魔王『で?』

W「いや、もう面倒くさくなってね」

魔王『で?』

W「魔王に任せようかと」

魔王『………』

W「駄目って言われてもここに置いてくけどね」

魔王『……私にも不徳はあったからな。今回は見逃してやろう』

W「じゃ、そういう訳で」


ガシャーン


魔王『……窓が』

ゴブリン達「キーキー」

魔王『やめろ、そいつらに手を出すな』

ゴブリン達「キー?」

魔王『時間回帰は、魔力を膨大に消費するから、あんまり使いたくなかったんだがな………ξζэ』



スゥゥ―――


K「おい」

W「分かってるさ、皆まで言うな」

K「また繰り返すことになったら?」

W「そんときはそんとき」

K「楽観だな」


警備「う……」

警備2「あ、隊長」

警備3「何だ生きてたのか」

警備「魔物は?」

警備2「なんか、どっかいきました」

警備3「変な奴らでしたね」

警備「人質は?」

警備2「一緒に」

警備「なら……助けに行かねばっ」

ドスッ

警備3「あんたは寝てな。よく頑張ったさ」

警備2「……フフ」

警備3「どした?」

警備2「お前たまにかっこいいよな」

警備3「今頃気づいたの?」



―――ゥゥン



勇者「ここでとりあえずセーブしとくか」

魔法使い「負ける訳ないじゃん。ウチらが」

召喚士「万が一ということがあります。それは懸命な判断でしょう」

魔法使い「弱気だなー」

勇者「用心に越したことはないんだよ。それに何か……」

魔法使い「?」

召喚士「?」

勇者「……いや、何でもないさ。さぁ気を引き締めろ! この先には亜獣キマイラと、飛竜ワイバーンが待ち構えている。ここらの主らしいからな」

召喚士「はい」

魔法使い「あんたに言われるまでもないわ」

勇者「ならよし。行くぞ!」










アイテム屋「ヒーハー! 終わらせた感たっぷりだぜー! 評価だけよろしくなー」

もうね。ネタですから。

うざいと言われようが、カスと言われようが、気にしませんから。

書いてて凄く楽しかった(^∀^)ノ

それでいんです、それがいんですよ。

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