危険な男たち
第一話では危険な刑事のハードボイルド物語で、悪徳大物政治家との闘いで法律的には勝利をするが、その報復で政治力の圧力で南の国へ左遷をされてしまう。それでも頑張って、手柄を立てて警視庁本部に復帰して、最終的には大物政治家を法的に罰する刑事ドラマ。
第二話はやり手警視庁警部が恨みで撃たれ、片目を失うが、その犯人探しに翻弄さえるが、政治力圧力による報復で、警察幹部が絡んでいたが、、殺されて妻と子供の仇を討つサスペンスドラマ。
第三話は警視庁警察仲間から馬鹿にされていたが、油断をさせて最後には殺された妻の仇を討った。
短編物語「危険な男たち」原作者 献残屋藤吉郎
第一話「危険な刑事」
第二話「片目のジャガー」
第三話「男一匹駄目な奴」
〇第一話「危険な刑事」
法治国家の大物政治家と言われる建長寺雄一郎を親に持ち、何一つ不自由なく育った、はみ出し刑事が建長寺太一で、国立大学京都大学卒業のエリートで、将来の官僚警察官を約束されたいた。
エリートでありながら、大学時代には空手の選手として活躍して、空手会では有望視されていた。空手4段の猛者でもあり、金持ちのおぼちゃんタイプではなかった。
そんな建長寺太一は官僚警察官になるようなタイプではなく、捜査刑事として、現場畑から出発した。
もともと、優秀だったので試験で昇給する警察組織では、すぐに警部補となり、警視庁捜査第一課に配属となった。
建長寺太一は利口ぶるでもなく、エリート意識は全くなく、刑事仲間に打ち解けていった。
元来が負けん気で、正義感の強い男だったので、悪行犯罪には燃えていったのである。
勢い余って、勇足も何度かあったが、警視庁捜査第一課に勤務してからは、刑事としての検挙率は群を抜いていた。
常に先頭に立ち、捜査に立ち向かい、悪事を憎んでいるようだった。
建長寺太一の父は民友党幹事長の建長寺雄一郎であったが、その権力を利用するようなことは無かった。
建長寺太一の母親は、政治家の妻と言うこともあり、ある講演会で暴漢に襲われて死亡していた。そんなこともあって、悪事を憎んでいた。
ある時に談合贈収賄事件が起きた時にも、父の建長寺雄一郎の立場を離れて、捜査に打ち込んでいた。
父が感れしていた事件でもあったので、建長寺太一警部補は家を出て、一人住まいをした。
そして、今も一人住まいを続けている太一であった。
(2)燃える刑事「太一」は走る
建長寺太一は警視庁捜査一課に配属になり、意欲に燃えていた。彼は大物政治家、建長寺雄一郎の長男に生まれたが、父が後妻を貰ってからは、その継母とは反りが合わなかった。
大学卒業までは親の元にいたが、卒業と同時に独立して、一人住まいを始めた。
異母兄弟ではあったが、弟の裕次郎とは気が合い、学生時代は好きな野球を一緒に見に行っていた。
弟は高校時代から、剣道に励んでいた。そして、スポーツマンらしく、すがすがしく、誰からも好かれていた。
太一が家を出てからも、兄弟中がよく、弟裕次郎は兄太一を訪ねてきていた。
太一が警視庁捜査一課に配属なってから、初めての事件を担当したのが殺人事件だった。
捜査一課の直接の上司となり捜査を担当したのが西園寺警部だった。経験豊富な刑事であり、面倒見のいいような刑事に見えた。
「おい、建長寺警部補、今夜は時間は空いてるか。。」
と、誘われて、西園寺警部の馴染の居酒屋に出かけた。
「よろしくな、、、建長寺警部補、、、これからは太一でいいかな、、呼び捨てにするけど」
ぶっきらぼうな、男らしい刑事だった。
そして、「太一、、、刑事になったんだから、事件に集中して、因果関係は忘れろよ、、」
と、、、初めから、親の力などは関係ないからなと、釘を刺されたような気がした。
勿論、太一は自分の力で、警察の中で生きていこうと思っていた。
「西園寺警部、、、大丈夫です。人を頼らなく、自分の力で生きていくつもりです、、、よろしくお願いします」
と、、太一も覚悟を決めて、刑事道を歩こうと、自分いいい聞かせた。
いい酒を飲んで家に戻った。
(男一匹刑事野郎)
太一は一人暮らしを始めて、朝は目覚ましをかけて、やっと起きていた。朝飯は抜きの状態が多かったので、移動中にいつもサンドかハンバーグをかじりながら朝食をとっていた。
その様子を何回か見ていたので、先輩刑事の西園寺警部が、、、
「太一、、おにぎりを持ってきたから、、、お前はいつも寝坊助か、、朝飯も食う暇がないのだったら、ちょとだけ早く起きて家へ来い、、、朝飯ぐらい用意してやるから。」
西園寺警部は言った。
「太一、、朝飯ぐらい食べないと、いい仕事が出来ないからな、、明日から、必ず来いよ」
と言うことになり、太一は毎朝、西園寺警部の家に通った。
なんか力が入るような、一日、頑張ってやろうという気になるようだった。
警視庁捜査一課に事件が舞い込んできた。
銀座で殺人事件が起きた、、、夜の銀座のクラブ街で、酔っぱらった客同士の喧嘩で人が殺された。
太一には初めての札事件であるので、なんか張り切って現場に向かった。
先輩刑事に従って、現場検証に立ち会った。
ナイフのようなもので、腹を刺され、血だらけになって倒れていた。
犯人はすぐに分かった。クラブの女から聞いて、すぐに逮捕にむかった。
犯人は室町明と言う、反ぐれの男だった。その男のアパートを訪ねたが留守だった。
住まいの近所で聞き込みをしたが、昨夜から戻っていなかったようだった。それで、反ぐれの室町明がいつも屯している
御徒町の麻雀屋を訪ねた。とんずらをしたようだった。
太一が西園寺警部と捜査をしてわかった事は彼らは覚せい剤を巡ってトラブルをしていたようだった。
新宿に事務所を構える暴力団「あかね連合」に組する反ぐれ集団に室町明はいたのだが、覚せい剤の集金をごまかしたということで、追われていたようだった。
太一たちも聞き込みをして、室町明を探した。どこに逃げたのか新見つか見つからなかった。
そこで室町明の実家のある千葉市市川を訪ねた。聞き込みでは一度はきたようだったが、行方をくらましていた。
室町明の友達関係を当たっていた時だった、偶然に太一は室町明に出会ったのであった。
先輩刑事の西園寺警部は、その時に昼食用のパンと牛乳を買いにお店に入っていた。
室町明に出会った太一は、相手が逃げたので追いかけた。
逃げる途中で子供が飛び出し、運悪く犯人に捕まり、人質になってしまったんである。
「こらーーそれ以上、動くと撃つぞ」と、、、拳銃を取り出して、子供の頭にこすりつけていた。
太一は咄嗟に、拳銃を売った、自身があったのだ。
射撃では警察学校でも一番だったので。。
運よく、命中した。犯人の頭を打ち抜いていた。
偶然に犯人を倒し、子供も無事に救えた。。。結果的は良かったのだが、、、銃声を聞いて、飛んできた西園寺警部に殴り飛ばされた。
(殺しの太一刑事となる)
建長寺太一警部補が捜査一課に配属になり、二つ目の殺人事件が起きた。
大手企業である「総武不動産開発株式会社」の営業第一課の長嶋係長が本社営業室で倒れていたのであった。頭から血を流して即死状態だった。
太一警部補の上司西園寺警部は思った、、、厄介な事件が起きたなと。
総武不動産開発株式会社にはいろいろ政界の大物政治家、経済界の重鎮が絡んでおり、今までにも談合贈収賄事件、汚職絡みで黒い噂が流れていた。
その上に反社会勢力と言われるやくざ組織までが絡んで、ことごとく談合や贈収賄、汚職に絡んだ事件をもみ消したり、捩じ上げた判決を生み出していた。
それらの事情を知っていた西園寺警部は気が進まなかった。
弟分の太一警部補は燃えていた。
「太一、、お前、大分やる気でいるな、、、褌を占めてかかれよ。」と、、、
西園寺警部は激を飛ばしていた。
いつもの通り、二人は今回も相棒を組んでの捜査に当たることになり、、とりあえずは「総武不動産開発」の本社現場に行った。
「ひどいな、、、鋭利なもので、刺され、その上を鈍器なようなもので多々言わられているよ。」
西園寺警部は見立て、、、「結構、恨まれているな。この殺し方は、、」と、、太一警部補に呟いた。
「太一、、会社の人間に事情聴収といくか、、、」と言ってから、当たり前の筋書き通りの事情を聞いて回った。
西園寺警部は太一警部補にあらかじめ、会社状況を説明しておいた。これからの捜査には気を配るようにと。。
最新の注意を払って、人間関係を捜査することと念を押した。
下手な捜査をすると、裏から、、、上から圧力が掛かることを教えておいた。
西園寺警部と太一警部補の凸凹コンビの捜査を大雑把にまとめると、汚職臭いと考えた。
会社の裏金隠しにまつわるトラブルと睨んだのだった。
兄貴分の西園寺警部は、、、気を付けないと、気を引き締めた。
「太一、今のうちに言っとくぞ、、、今回は一人では絶対に動くなよ。」と、、、
初めから、」西園寺警部は嫌な予感がしたのだった。
その夜、太一を誘って夕食をした、、美味い蕎麦屋があるので。。。
(最初の圧力が始まる)
日本の国とは不思議な処だ。法治国家なのに悪事が罷りとおって仕舞う。捻じ曲げられてしまう。
なんと不思議な国だろう。
西園寺警部は、弟分の太一警部補に言って聞かせた。今回の事件は気を付けないと警察官破滅があるからと。
今までの経験だと金持ちが絡んだ事件、裏金作りには余程気を付けないと馬鹿を見るからだ。
権力者たちは、自分の身を守るためには何でもするということだ。あらゆる手段、攻略を講じる、、人の命までも犠牲にして、、、何が正儀か分からない。
己の地位を守り、堅持するためには、時には悪行も断行するのであった。
その時のために、手を汚す人間たちまでも買っているようだ。さらに、法を守る人間にまで毒牙を伸ばしているのだった。
だから、汚職が絡んだ事件、殺人などを突き詰めていくと、初めから答えが準備されているにであった。
そして、都合が悪くなると、担当警察官などが責任を取らされてしまい、事件は幕が引かれる。
そんなことがあるから、弟分の太一警部補には苦湯をのませたくなかった。どういうわけか、西園寺警部には自分を慕ってくれる太一が可愛かったのである。
しかし、親心、子知らずなのか、太一警部補は燃えていた。今回の事件に、やけに熱心であった。
そして、抜き差しならない羽目になったのであった。
今回の総武不動産開発株式会社には、父親の建長寺雄一郎が絡んできたからだった。
太一警部補が捜査を始めたのは、死亡した長嶋係長の身辺からだった。
家族にあたった。奥さんの長嶋智子は総武不動産開発の経理部に勤務していた。従って、総武不動産開発の経理部の仕組みと言うか、内情を良く知っていた。
そして、夫の長嶋三郎係長が営業に関する資金管理をしていたので、資金運用が会社社長である、二階堂保の決済である程度処理できたのである。
捜査によれば、北海道小樽のリゾート用地買収に50億を要していた。しかし、太一の調べでは30億と分かった。
それでは残りの20億はどうしたのかとなる。
そのカラクリは見事なものだった。
太一警部補たちの捜査でも、用地買収には50億が使われていた、しかし、太一警部補の執拗な調べで、そのカラクリが暴かれたのであった。
その結果、西園寺警部は「やばい、、まずいな」と、思った。
その資金内訳が暴かれなけらば、長嶋係長の事件は自殺で処理されていたのであった。
(太一警部補に試練が、、、)
太一警部補が小樽に捜査に言った時だった。その時は西園寺警部が都合が悪かったので、同僚の大石警部補と捜査をしていた。
総武不動産開発の用地買収に関わった地元の柴田不動産を調査したときだった。偶然、同僚の大石と洒落た居酒屋に入った、先方は気が付かなかったが、噂話をしていた。
その話を聞いていた太一警部補は、、、、
「そうだったのか、、、ごまかしがあったのか、、、」
反面、どえらいネタを掴んだなと思い、、
翌日、柴田不動産を責めた。少し、強引すぎたかもしれないが、その裏付けを取った。
太一警部補は鬼の首を取った気分で、東京に戻った。
太一警部補は正儀溢れる、熱血漢刑事であった、誰が何と言おうと、今回の裏付けを取ったネタは折れないという覚悟を持って警視庁に帰り、上司の西園寺警部に報告をした。
話を聞いた西園寺警部は「まずい、、」と唸った。
必ず、今回の事件はクレームがつくはずだと、、、
しかし、太一警部補は強い意志を表して、クレーム覚悟していた。
今、横やりが入っいてることも知っていた。
西園寺警部補は、、「太一、本当にいいのか、、覚悟はできているのか、、」と、念を押してきた。
横やりは警察幹部や政治家絡みのものであり、最終的には民友党幹事長の建長寺雄一郎が出張ってくるはずだ。
太一警部補は覚悟していた。
自分の首をかけて、、、、、
一度は父親と対決しようと思っていたので。
兄貴分の西園寺警部は太一警部補の覚悟を知り、確認した。
そして、自分も一度ぐらいは警察官としての誇りを持って、望むことにしたのであった。
警視庁内部では大騒ぎとなった。
何としても、揉み消そうという、警視庁組織、、、しかし、太一警部補は引き下がらなかった。
(3)命を賭けた警察官としての誇り
(誇り高き男たち)
西園寺警部は、安定した生活を送ることも一生、男一匹、人生最後を太一警部補にかけてみたくなった。
男としてロマンに夢にかけてもいいような。。。太一警部補には何かを感じていたのであった。
「太一、、、お前の思う通りにやってみな、、、俺な、、人生を間違うかも知れないが、、お前にかけるからな。。。」
「太一、お前の馬にのったぞ、、、走れよ、、しっかりな」
西園寺警部に尻を叩かれた。
太一警部補も走り出したのであった。
もう何があっても戻ることは無い。。。。
競馬で言えば最終コーナーだ。
走って見せるぞ、、、太一は心に誓った。
「西園寺先輩、ありがとうございます。力が湧いてきましたよ。。。警察官生命をかけて、頑張ります」
太一警部補は父親との確執もあったが、跳ねのける覚悟をしていた。
場合によっては警察官生命を絶たれるかも知れなかった。
太一警部補の見方は西園寺警部だけだった。
4)父親建長寺雄一郎との対決
太一警部補は呼ばれた。父、建長寺雄一郎に、、、
太一に電話があり、、、「太一、、今夜でも明日でもいいから、久しぶりに飯でも食わないか。。」と。誘いがあった。
太一は「来たか、、、覚悟するかな」と、思いながら父の誘いに向かった。
向かった先は六本木の寿司屋だ、、、父、建長寺雄一郎が好きな寿司屋で、注文の出来ない寿司屋であった。
しかし、魚は超一流のものが揃っている。
太一警部補に言わせれば、大人の見栄だ。不思議なことに太一は、その寿司屋へ行くと、決まって、次の日には腹を壊していた。行きたくなかったけど、今回は父親に顔を立てたのであった、
「太一、、お前、頑張ってるみたいだな、、張り切り過ぎるなよ、、、話はきいているけど」
「ああ、親父の脚は引っ張らないようにとは思っている」
「おやじ殿、俺はやっぱり、カエルの子だよ。。。。こうと決めたら、止まらないようだ。。。」
太一と父雄一郎は酒を酌み交わした。
そして、 太一は言った。
「おやじ殿、、、俺に構わずに親父は親父の道をいってくれ、、」
無言だけど、親父の道にあがらうと、決心をしていることを太一は告げた。
「そうか、、、太一、、お前は俺の子だ、、、わかった」
そう言って、父、雄一郎は盃を干した。
「太一、、、俺は帰るぞ」と、お店を後にした。
何処かに息子を誇らしげに思いながら、いつもの黒のハットをかぶりながら、背中で手を振ったようだった。
太一も思った。
「おやじ殿、、ありがとう、、、命を賭けてぶつかっていくよ」
頑固な親子の話しあいは終わった。
太一が夕闇の六本木の街へでた、、、明日もまた、腹が痛くなるだろう、、、、
(5)男の戦い
太一警部補は思った。これで悔いなく思いっきり戦えると、、、今回の汚職事件を解決するためには、幕引きをするためには、どうしても父、雄一郎との対決を避けずには通れない道であった。
西園寺警部には本音を話した。今回の決着をつけるためには、どうしても、民友党幹事長、建長寺雄一郎をも潰さなけらばならに事を、、、
西園寺警部は太一警部補の覚悟を聞いて、どこまでも応援しようと決めたのであった。警察官の誇りをかけて、最悪の場合は警察官の職を辞しても仕方がないと。。。
「太一、、、わかった。思いきりやれよ、、、悔いを残さないように。」
二人は覚悟を決めて、今回の汚職及び殺人教唆事件の最終捜査会議に臨んだ。
合同捜査会議に入り、まずは担当課長から話があった。
「今回の汚職疑惑及び殺人教唆の疑惑に関して説明をします。、、、捜査の結果、汚職は無かった、また、殺人教唆ではなく、本人の自殺であったことが判明した。そのことによって、今回の事件は終了。」
と言う捜査結論に達した。
太一は怒りをぶちまけることにして、反論をした。勿論、全ての捜査からなる証拠を出して、警察の今回の暴挙に対して自分の警察官生命をかけて、捜査結論に対する意見を述べた。
捻じ曲げられた事実を訴えた。法治国家であるべき日本の警察のやるべきことではないと。。。
そして、太一警部補は自分の意見を取り入れて、再捜査なり、再検討をしてくれと訴えた。
しかし、結論は変えられなかった。初めから覚悟していたので、その場の報道機関に訴えたのであった。
会議は大混乱を起こした。警察内部の上層部も慌てた。
まさか、太一警部補がここまでやるとは思ってもいなかったのである。
この捜査会議の記事が報道された。
パニックを起こしたのであった、警察内部でも責任問題が起こり、収まりがつかなくなっていた。
(6)決着
太一警部補の反乱ともいうべき行動によって、警視庁内部は大パニックになった、、、検察庁も同然であった。民友党事務局内でもてんやわんやの大騒動になった。
普通なら、政治力によりねじ伏せられた事件であったが、太一警部補が警察官生命をかけて、ぶちまけたことにより、全てが白日の下にさらけ出されたのであった。
どうにも止まらない、止めることが出来ない状況になり、社会悪が表面化したのであった。
手始めに民友党幹事長、建長寺雄一郎が辞任に追い込まれるとともに今回の汚職に絡む賄賂受託罪に問われた。
警察内部の刑事局長水野忠助、検察庁検事副総裁が起訴された。
また、総武不動産開発株式会社の鳳社長、経理部長の堀尾利助が汚職に絡む嫌疑で逮捕された。
更に北海道小樽の柴田不動産の柴田社長も汚職に絡んだ嫌疑で逮捕された。
一網打尽であった。
更に、殺人教唆に関わったと思われる暴力団青龍会の青田隆二幹部も逮捕された。
これまでの汚職などに関する事件では、大部分が隠蔽されてしまったいた。しかし、今回は処罰された。
勿論、正義のみかたである、太一警部補は警視庁から飛ばされた。遠い南の沖縄に左遷となった。
警部補から一巡査に格下げされて、交番勤務となったのであった。
西園寺警部も左遷となった。
日本と言う法治国家では社会悪を撃退すると、はるか彼方に飛ばされてしまうようだ。。。
なんとも空しい、馬鹿げた法治国家なんだろう。。。。
優秀な熱血刑事は消えたしまったのである。
7)沖縄に流されて。。。
建長寺太一は警視庁時代は警部補を拝命していたが、今回の脱税汚職事件の摘発に関しての功労者ではあるが、、日本の法治国家の不都合で、不始末を咎められ沖縄県波照間島にある、、、巡査部長として転属なったのである。
早い話が左遷であり、、日本最南端の波照間島にとばされた。
八重垣山警察署管轄の「最南端の交番「波照間駐在所」に転属になったのである。
波照間島駐在の先任者が定年となったためのことであり、、駐在員は1人だけであった。
沖縄県石垣市矢崎町に存在する波照間駐在があるところは「日本最南端で南十字星に一番近い島」であり、、空がきれいで海が美しい島である。
人口500人足らずで、面積も約13キロメートルと小さな島であるが、、最近観光客が多くなってきた。
島内にはホテルや民宿、ペンションもあり、、、観光ツアーが組まれている。
東京からは羽田空港経由で石垣島空港へ約3時間、そして、高速船で波照間島まで約1時間40分のきょりであった。
太一巡査部長は交番勤務も一人なので気楽であり、、、島の人々も親切でやさしくすみやすかった、、
二人住まいの老夫婦の所に下宿をしたので、、、近所の人たちも面倒を見てくれたのである。。
下宿先の中曽根忠治さんは釣りが好きで、太一が休みのたびに連れて行ってくれた。
海もきれいだし、、、食べる魚も新鮮なので、太一は色も黒くなり、、少し太ったのである。。沖縄の波照間島に来て、心が落ち着き、ゆったりして、、左遷ではあったがよかったと思っていた。
波照間島の部落の屋根は「赤煉瓦屋根が残り」塀はサンゴの石垣が、、、白砂の道の上を「水牛車がゆっくり歩いている」そして、屋根の上には「シーサー」がある。
太一は沖縄で生きていることを肌で感じた。ずっと、沖縄に居てもいいかなと思うようになったいたのである。
そんなある日,警視庁時代の上司でもあり、、兄貴のように世話に成った西園寺警部から電話が入った。
現在は太一と同じに左遷をさせられて北海道警察勤務であり、、警部補に格下げになっている、、、その西園寺警部補が尋ねてくるというのであった。
仕事を兼ねての来訪であるが,、、太一には嬉しかった。
8)恩人の西園寺警部補が訪ねて来た。
西園寺警部補が沖縄県波照間島まで北海道から来たのであった、、、仕事を兼ねての警察旅である、、、飛行機で石垣島まで来て、高速船で最南端の島までの旅であった。
太一の赴任した波照間島駐在には太一が一人勤務するだけであるが、ホテルや民宿、ペンションはいくつかあるので、、、太一が世話に成ってる「民宿うるま家」を予約しておいたのである。
「民宿うるま家」は海が見える大浴場が気持ちがよく、、魚料理が旨いのであった。
西園寺警部補が港に着くころに太一は,駐在のぼろ車で迎えにだたのである。。。。
西園寺警部補と同僚の大和警部補を車に乗せて「民宿うるま家」に案内する間、、太一は波照間島のガイドをしていた。
「この波照間島は日本の最南端で、、、南十字星が見られる島なんです、、空の綺麗な海の素敵な島で、最近は観光客も多いよ、、」
と、自分の家を自慢するように話したのである。
「西園寺のおやじさん、、、今夜の民宿のお風呂はいいですよ、、魚も旨し楽しみして居てください、、、」と、太一は旅行でも行くようにはしゃいでいた。
「事件のことは大体、聞いていますけど、、本人は家にはまだ、もどっていませんよ、、」と、、太一は報告だけはしておいたのである。
「わかった、、細かい話は飯でも食いながら、夜話そう」ということで、目的の民宿に着いた。
「親父さん、、まずはお風呂に入ってください、、」と、、太一は案内したのである、、、我が家を案内するように。。。
太一も一緒に風呂に入った、、
「親父さん、、、久しぶりに背なかを流すよ、、どうです、、海が眺めていいお風呂でしょう、、」
太一は久しぶりに会う西園寺警部補が懐かしかった。
夕食の時に民宿の中曽根夫婦が挨拶に来てくれたのである。。
「初めまして中曽根です、、太一さんからお話は聞いていますので、宜しくお願いします。。。」と、、、
西園寺警部補も軽く会釈をして「よろしくお願いします、、西園寺です、、、一緒に来ているのが大和です、、今回はしばらく、お世話に成りますので、、、」と、、中曾根さんの釣ってきてくれた魚の刺身と煮つけを食べた。
西園その恨みで寺警部補と大和警部補は舌鼓をうつほどの美味しさであった。
太一たちも仕事の話は明日ということにして、美味しい料理と旨い酒に包まれて、南海の島の夜を楽しんだのである。
ほんのわずかな警察官の癒し時間であった。
9)太一の刑事魂が燃える
沖縄県の最南端である波照間島の駐在に赴任してからの太一は自然に恵まれて、精神的にのんびりし過ぎた気がした。。
余りにもきれいな海や南十字星の見える島で、正直言って事件らしい事件も起きないので、太一は警察官でいることを忘れてしまったようだった。
そこに、西園寺警部補が刑事としての仕事を持ってきてくれたのである。
その犯人に今の自由党幹事長である松平重太郎の娘婿の松平史郎が殺されたと、、、そして、その犯人が実家のある沖縄波照間島に逃げてきているというのであった。犯人の名は中曽根三郎といい、、その犯人の母親が重病で明日をも知れぬ命であるというのであった。
西園寺警部補から話を聞くと、、、犯人の中曽根三郎はやくざ組織の組員とのことであり、、、北海道開発(株)とはリゾート開発での利権が絡んでるようだった。
詳しい話では、、、東京の本社「北海道開発(株)」が自由党幹事長松平重太郎の口利きで始まった開発事業であり、、「1000億円」からの開発内容で、、ホテルからスキー場施設やカジノまで併設した事業規模であった。
プロ野球球団の総合野球施設も含んだ大規模開発であるらしい。
そんな開発事業に黙って指を咥えてみているようなやくざ組織はいなかった。北海道に勢力を持っている「北海東北連合榎本会」が横車を押してきたのであった。
そんな利権争いの渦の中で、北海道開発(株)本社から松平史郎専務取締役が、、支社長として送り込まれてきたのである。
松平史郎支社長は「イケイケ行動派」だったので、強気の営業展開をしていたのであった。
札幌に近い石狩平野のどまんなかでの開発事業だった。
強きの松平史郎支社長は、「北海東北連合榎本会」にしてみれば、、邪魔だ
榎本連合会の榎本武会長は、、、
「幹部会を開き、、松平支社長は今回の俺たちの仕事には目障りだ、、邪魔だよ。。」
と、、言っただけで石田若頭が動いたのである。
そして、、今回の中曽根三郎組員が松平史郎支社長の暗殺となったのだった。
やられた「北海道開発(株)」の後ろ盾の自由党幹事長松平重太郎も黙ってはいなかったのである。。。
松平幹事長が悪事商売をすべてやらせていた、東京赤坂の総武不動産(株)の二階堂保社長に連絡を取り手を打たせた。。。総武不動産は反社会勢力のやくざ組織であったので、、
母体組織の「東京連合睦会」と今後の打つ合わせをしたにであった。
総武不動産(株)の不動産トラブルの専門やくざを3人チームを作って北海道へ乗り込ませたのである。
西園寺警部たちも太一を入れて、、、3人で波照間島へ来た犯人、中曽根三郎を探した。
太一も本来が熱血刑事であるので、、暇を惜しんで探したのである。
狭い島である、、人口500足らずの島なので簡単に探せると思っていたが、、、なかなか、思うようにはいかなかった。
犯人の中曽根は必ず、会いに来ると思っていた、、、
島の人たちの話では「母親思いの息子」らしいので、必ずくるはずだと、、太一たちは脂肪してまっていたのである。
しかし、中曽根三郎は現れなかつた、、
こない筈で有った、、、彼も島では「いい人」」で通っていたのである。
警察に追われているけれど、、、島の彼を知る人たちは「一目だけでも」会わせてやりたいというのが人情であり、、たとえ逮捕されても、その前に会わせてやりたいと思ったいたのであった。
そんために彼を知る人たちの協力が得られなかったのである、、、そして、太一も警察でも社会でも「苦水」を飲まされいるので,そのへんんの「武士の情け」を知っていたのである。
そして、、、中曽根三郎が母親を尋ねて来た夜に、太一は寝ずの見張り番だったが、、寝たふりをして、彼を見逃した。
親子の別れは出来たはずだった、、
中曽根三郎が母親と別れを済ませた出てきたので、、「中曽根、、別れは出来たかな。。」と、、太一は声を掛けた。
彼は頭を下げて、、、「ありがとうございました、、、母とは別れを済ませました」と、、潔く太一に両手を差し出したのである。
「よかったな、、、お母さんと会えて、そして、別れが言えて」、、、、
太一は思った、、、中曽根三郎は男だったなと、、、
自分は親父に別れを言ってなかったと後悔をしていたのである「残念無念」だ。。。
10)太一刑事、、転属に成る。。。
西園寺警部補たちが中曽根三郎を逮捕して、北海道に帰ってから、しばらくして太一刑事のもとに「転属命令書」が届いた。
海の綺麗な南十字星の見える南の島から、、冬は雪景色ばかりの北海道警察署への移動である太一刑事にしてみれば「復帰昇給」の嬉しい知らせであった。
しかし、太一刑事は心から喜べなかったのである、、、余りにも沖縄の波照間島の美しい自然に惹かれていたからであった。
世話に成った優しい人たちと別れての旅たちであったのだ。
そして、波照間島に別れを告げて北の新天地札幌にある、「北海道警察捜査一課」に向かった。
急の転属であった日が、、真っ白な雪景色に覆われた寒い冬だったのである。
西園寺警部補が寒い朝の札幌駅に出迎えてくれた。
「太一、、寒いだろう、、大丈夫か、、よく来たな、、警部補に昇給出来ておめでとう、、、」と、、歓迎してくれたのである。
「太一、、今回の昇給は犯人逮捕というお手柄の褒美でもあるが、、、注意しろよ、、、お前の悪に対する正義感が功をなしてるが、、、転属,昇給は政治力によるものだからな、、、」と、、話してくれた。
更に、自由党松平幹事長の思惑での事情のようだったのである。
それは組織暴力団「北海東北連合榎本会」に、太一警部補を担当させて、それらの行動を封じ込めようとしての陽動作戦だった。
松平幹事長は国家権力を利用しての金儲けの事業対策であり、、前回の父親であった「建長寺幹事長」を引きずり下ろした手腕をかってのことだった。。。
松平幹事長は自分は建長寺幹事長の二の舞はごめんなので、、、用意周到に準備はしていたのである。
悪くいえば罠を張っての悪だくみの国家権力の利用であった。
西園寺警部補は承知の上で、太一に今回の捜査作戦をうちあけたのである、、、二人だけの作戦であり、企業秘密であったのをするからな。。」
と、、、西園寺警部補は太一警部補に作戦を授けた、、、
その上で太一警部補にも考えて行動を擦る様にと告げたんである。
今回は警察の都合や面子ばかりで動くのではなく、、あくまでの二人のここまでの経験を生かしての捜査をしていくことにしたのであった。
勿論、松平幹事長たちの都合は後回しであったのである。
寒い北海道で燃えるような熱血漢が吠えたのであった、、、燃える相棒の復活である。
11)西園寺警部補は気になった、、、政治家の罠ではないのかと、、、
「太一、、今晩、飯でも食いに行こうか、、北海道にも馴染の店が出来たのでな、、
お前、、寿司が好きだったな、、帰りは一緒に出ようか、、」
と、、西園寺警部補と約束をしたのであった。
西園寺警部補は心配なのだ、、、今回も政治家が絡んでの転勤であったので、、、
どうも、太一の過去の実績を見ての自由党松平幹事長の思惑がありそうなのである。
太一警部補の行動力、捜査能力をかっての移動であってと思う西園寺警部補であった。
今度だけは政治力に、、悪だくみに利用されないように注意しないと、、そればっかりを考えていた西園寺警部補であった。
夜、、太一警部補は西園寺警部補に連れられて、、札幌市内の「狸小路商店街」にある、縄のれんの有る寿司屋に入った。
小ぎれいなカウンターだけの寿司屋で、老夫婦でやっているようだった。
「いらっしゃい、、西園寺の旦那、ご無沙汰ですね。。。」
と、、意気のいい声で挨拶をされた。
「おお、、こんばんわ、、今夜は俺の警視庁時代の愛弟子を連れ来たので、、
親父さんお奨めの寿司を握ってくれ、、」
頼むと威勢のいい返事が返ってきたのである。。
「西園寺の旦那は元気でしたか、、、」と言いながら,おかみさんがお茶を出してくれた。
そして、、太一警部補の前に旨いと言われる寿司がえてきた。
「旨いです、、久しぶりの美味しい寿司ですね、、ありがとうございます」
と、、太一は旨そうに頬張っていた。
「ところで、太一、、今回の締めくくりは上手くな、、、馬鹿を見ての責任取は絶対に御免だからな、、」
念を押したのである。。
「いいか、太一、どんなことがあっても最後は松平に、、そして、連合に泥をかぶせないとな、、、忘れるなよ」
と、、西園寺警部は何度も念をおしたのであった。
「太一、、よくよく考えとけよ、、、俺たちが責任を取るのではなく、、仕掛けてきた奴らに、全てを押しつけて責任を負わせることを絶対に忘れるなよ、、」
と、言いながら西園寺警部補は好きな日本酒を「冷酒」飲んだ。
12)太一警部補に戻っての初仕事
夕べは西園寺警部補と久しぶりに、、、「親父、、、太一、、」と呼び合いながら楽しい夜を過ごした。
そして、太一は肝に銘じたのである、、、今回は前回のようなバカな責任を取らずに、事件を解決してやろうと自分に言い聞かせた。
北海道警察に赴任した朝に、、上司の清水捜査課長から言い渡させられたこと、、それは「北海道開発(株)」と「北海東北連合榎本会」の争いを鎮てもらいたいことであった。今回の北海道開発の松平支社長暗殺の逮捕の実績から突破口を見つけて、事件解決に奮励努力をして欲しいと、、、言うことであった。
そして、、「西園寺警部補と力を合わせて欲しい、、」
指示命令を受けての捜査開始であった。
そのあとで太一警部補は西園寺警部補からいわれたのである、、、
「太一、、慌てるな、、じっくり構えていくぜ、、いいな、、」と、、念を押された。
「太一、、まずは逮捕した中曽根三郎の取り調べから行くからな、、、事情をしっかり聴けよ」
ということで、、暗殺犯人を取り調べ室に呼んで事情聴取から始めたのである。
中曽根三郎は逮捕時の太一警部補の対応に感謝していたので、、「刑事さん、、沖縄ではありがとうございました、、
本当にありがとうございました、、」と、、何度も頭を下げた。
西園寺警部補と太一に感謝の態度を見せながら、取り調べに素直に話をしてくれたのであった。
中曽根三郎組員は自分が事実を話せば、どうなるかを覚悟しての「やくざ掟」を破っての暴露である、、、
それは沖縄で取った太一の中曽根に対する対応であった、、、死に際の母親に合わせてくれた温情であり、、人間としての思いやり、やさしであった。
その行為に引き換えても余りあると、中曽根は感謝していたからであった。
中曽根の供述があったことで、、「殺人教唆」で「北海東北連合榎本会の榎本会長」を 逮捕出来たのである。。
榎本会では慌てた、、今後の相談をして、北海東北連合の指示を仰いだのである。
一方、北海道警察側は「中曽根三郎」の身の安全を守るために、警戒を厳重にしたのであった、警察側も中曽根三郎を釈放はせずに、、逆に監禁状態にして、ヤクザからの報復を守つたのである。。
太一たちは知っていた、、、「やくざ所以は殺しが出来るから、、裏切りは死に値する」というやくざ組織の鉄の掟があった。
そして、今回は裏切った中曽根を許すはずがないと、、、太一は真実を話してくれた中曽根三郎を殺させるわけにはいかなかったのである。。
裏切ったやくざは、、いつか娑婆に出た時に狙われ殺されるのであった、、、「殺された後はミンチにされて、豚か鶏の餌にされてしまうのであるか、、または海にまかれて魚の餌になる」
そして、、死体が消えるのであった。
この世の怖ろしい残酷物語がある、、それが「やくざの恐ろしさ」である。。
太一は事件解明に当たると同時に、、中曽根三郎の身の安全を考えた、、、どんなことがあっても、、
守ると決めたのであった。
13)太一警部補の作戦、、、
太一警部補は中曽根三郎の命がけの証言により、、「北海東北連合榎本会」の榎本会長を殺人教唆で逮捕出来たのであった。、、「北海東北連合会」の大熊繁蔵会長は、月野若頭に号令をかけて幹部会を招集したのである。
「月野、、、いいか、、榎本が挙げられたのだから、、けじめはつけろよ、、、今回の「北海道開発(株)」の事業はつぶせよ、、、いいな。。」
と、、大熊繁蔵会長から厳命が出された、、、「北海東北連合会の面子にかけてな、、」と、、、
月野若頭が先頭を切っての戦争であった。
そして、月野若頭を中心に作戦を練ったのである。
「殺人教唆」でトップが執られたからにはトップを狙えでいくことにしたのであった。
月野若頭のもとに「ヒットマン」が仕立てられた、、、「榎本会」と「連合会本部」から4人が決められたのである。
北海道開発(株)本社の松平社長と自由党幹事長松平重太郎が今回のターゲットであった。
榎本会の狙いは二人である、、、そのほかの関係者は枝葉であり、、戦いを望んできたら料理すればよかっただけである。
準備の出来た北海東北連合会榎本会は動き出したのであった。
連合会と榎本会の「ヒットマン4人」は東京へ向かったのである。
太一警部補が仕組んだ作戦、、、それは、後処理で「政治力が圧力」がかからないように、、喧嘩相手に始末をさせるということだった。。
東京へ出た「4人のヒットマンたち」は獲物を狙って、機会を待っていた。
そして、、投稿連合会睦会が放った不動産プロたちよりも行動が早かったのである。
自由党幹事長松平重太郎と、、、北海道開発(株)の松平社長を暗殺したのであった。
テレビニュースなどで、、、大題的に報道された。
北海道開発(株)のリゾート開発に絡んだ事業は頓挫したのであった。
14)企業は強い、、頭なしでも前に、、、
北海道開発(株)の平林専務取締役は総武不動産(株)の二階堂保社長と相談をしたのであった。松平社長と自由党幹事長の松平重太郎が暗殺された後は事業が頓挫したように見えたが、、、残った幹部社員と総武不動産が力を発揮したのである。。
特に総武不動産(株)の二階堂保社長は本来のやくざ魂をむき出しにして前に出てきたのであった。
総武不動産(株)は「東京連合会睦会」の傘下であり、まるっきりのやくざ不動産屋なので、、二階堂保社長は思っていたのであった。
二階堂社長は「やられたな、、田舎ヤクザに参ったな、、何が何でもやり返したやるよ、、東京やくざの面子に懸けてな、、、」
と、、イラついていたのである。
今までは北海道開発(株)の言いなりに動いていたが、、今度はそうはいかないぞと、、意気が上がっていたのであった。
北海道開発(株)グループの中心的な存在になっての開発業務の推進を図った。
二階堂社長は「東京連合会睦会」本部から指示を受けて、今回の北海道開発の指揮権を任せられたのである。
そして、、攻めた。
「北海東北連合会榎本会」の月野若頭を狙えということで、、睦会の鉄砲球がとんだのである。
やったらやり返せということになり、、やくざ同士の戦争が始まったのであった。
太一警部と西園寺警部補の思う通りになってきたのであった。
お互いのやくざ同士の争いになり、、警察としては取り締まるだけとなったのである。
政治力の圧力はかからなかったのであった。
15)やくざ抗争始まる、、、
東京連合会睦会の黒田利三郎会長に自由党沼田源太郎幹事長から直接に言い伝えがあった。
組内の総部不動産(株)二階堂保社長を引き立ててやって欲しいと、、、北海道開発の仕事を引継いだので、これからの指揮を執るからということになったのである。
太一警部も西園寺警部補もうんざりしたのであった。
頭を失っても、、尻尾を斬っても、、入れ替わり立ち代り、、諦めずに攻めてくるしつこさに参ったのである。
何を斬り落とせば止まるのか、、、悪事事業はと思った太一警部であった。
太一と西園寺警部補は捜査会議方針とは違った動きをしないと、北海道開発の事業に絡んだトラブルを解決するのは難しいと考えた。
しかし、一度には出来ないので個々に潰していく作戦を立てたのである。
まずはやくざ抗争で一番困るのは、一般市民が巻き込まれれることであった。
太一たちは正確な情報を仕入れることに集中した、、、そのためには常に情報屋を駆使したのである。
まずは東京連合会が放った「鉄砲球」を探すことだった。その結果、太一たちは血生子に成ってあぶりだしたのである。
秘密裏に逮捕して、裏付け捜査をして証拠固めをしたのであった。
そして、北海東北連合会榎本会の月野若頭に太一たちは情報を流したのである、、
街の情報屋を使ってであった。
その情報をもとに榎本会の月野若頭は再びヒットマンを東京へ送ったのである。
北海東北連合会の大熊繁蔵会長は気が荒くて、決めたら相手を殺すというやくざ戦法を取っていたので、今回も
月野若頭に命令指示を出していた、「絶対に引くな、、最後まで闘い続けろ、、」と、、
それに常に忠実に随ってきたのが月野若頭であり、、大熊会長の信頼も厚かった。
東京へ向かったヒットマンは数人で、一挙にかたずける指示を出していたのである。
狙われる者は弱く、、狙うものは強かった。
そして、総武不動産(株)の二階堂保社長、東京連合会の大橋若頭が銃撃されて死亡したのである。
更に二人の葬儀の時に連合会黒田利三郎会長が襲撃された。
献襲撃事件で警視庁特捜部が動いたのである。
警視庁特捜部と北海道警察が合同で、、「北海東北のがさ入れが行われた。
その結果、北海東北連合会の大熊繁蔵会長と榎本会の月野若頭は「殺人教唆」で、、幹部連中は「銃刀法違反」で、
犯行に携わった組員たちは「殺人罪」で逮捕されたのである。
太一と西園寺警部補の計画は上手くいった。前回の失敗そして左遷を考えての作戦であった。
二つの組織暴力団を壊滅状態に追い込み,「解散届」までに至ったのである。
ここまでくると、政治力も役に立たなかった、、、マスコミが大々的に報道したので、、、
北海道開発事業も頓挫した、、、そして、法律的な処理が行われた。
今回は太一警部の悪人退治が出来たのである。
16)太一東京へ帰る。
太一警部と西園寺警部補は今回の北海道事件の解決で警視庁特捜部に復帰できたのであった。
反社会勢力の暴力団「北海東北連合会榎本会」を解散に追い込み、、更に「東京連合睦会」を壊滅状態にまで攻めこんだ業績で褒美のような形での名誉を回復しての転属である。。
太一は警部のままで、、西園寺警部補は定年を控えての警部昇進で戻ってきたのであった。
二人は「よかった、、よかった、、」と、喜んだ。
そして、西園寺警部の家で、辛抱して待っていた奥さんと三人で乾杯をしたのであった。
久しぶりの我が家であり、奥さん手料理が美味しくて堪らないという風な西園寺警部である。。
「太一、ありがとうな、、、すべて、お前のお陰だよ、、、定年を東京で迎えられるとは思ってもいなかったので、、本当に嬉しい。。。」
と、、笑顔を見せていた。
「親父さん、、本当によかったよ、、奥さんにも心配を掛けてすいませんでした、、」
今夜の西園寺家には明るい笑顔があった。
「親父さん、、定年までは1年ちょっとだから、、しばらくはじっとしていますか、、、あはっあふぁっ、、、」
太一は心から今日が戻ってきたことを心から喜べたのであった。
17)反社会勢力「暴力団」やくざ組織は生き返るのだった。。。
警視庁捜査一課に警部として戻れた太一と西園寺の親父は、出来れば「親父」が定年までは静かに平穏に暮らしていたかった。
しかし、、東京大都会の悪人たちは静かにはしていなかったのである。
日本の中心に「巣喰っている悪の亡者たち」は夜も眠らずに蠢いていた、、、
東京連合会睦会は黒田会長に代わって、、新しい会長が出来た。睦会直系の大前田会の大前田健次郎が総裁になり、、若頭も大前田会の熊田純一が就任して、、組織固めが行われたのである。
武闘派で慣らした大前田総裁と、東大出身のエリートやくざと言われる知恵者の熊田純一若頭が東京へ事務所を構えたのであった。
熊田若頭の指揮下のもとに組織もやくざ幹部の人事も一新した。そして、関東全域の責任者を決めて、、それぞれの地域を大前田会の幹部やくざが本部の熊田若頭の補佐役として「副若頭」となり
指揮系統を一本化したのである。
そして、、東京連合会大前田会は動き出した、、、北海道開発(株)の後始末を引き受けて、北海道に総武不動産(株)も復活させたのであった。
大前田会の熊田若頭の動きは目覚ましかったのでる。
北海東北連合会も立て直しを計り、、榎本会に代わり、「旭会の篠田大四郎組長」が北海東北連合会の理事長に収まり、、旭会の若頭である「藤堂肇」が同じように連合会の若頭に就いた。
そして、新しい対立抗争が始まったのである。
その話を聞いた太一は思った。
世の中の悪人どもの「欲望」は収まることがないと、、これからも続く、社会悪の汚い闘いが、、、
そんなことで、太一たち警察官に安らぐ時はないような、、、うんざりするのであった。
悪人たちが永久に眠ることはないなと、、太一は覚悟した。
これからも、徹底した悪人退治をして行こうと、、唸ったのである。
18)西園寺警部が定年を迎える。。。
「おめでとうございます、、、」太一は心から西園寺警部の定年退職を祝った。
「本当によかった、、親父さん、いろいろありがとうございました、、、これからは奥さん孝行をしてください。。」
と、、西園寺警部の家で、奥さんの手料理でお祝いをしたのであった。
「太一、、本当にありがとう、、子供の居ない俺たちにはお前は、俺たちの子供だ、、これからも遊びに来てくれよ」
と、、無事に退職が出来たことが嬉しかったようであり、、西園寺警部も奥さんに感謝の気持ちを表したのである。
「今日からはもう、警部ではなく,、ただの親父さんだな、、ゆっくり骨休みをしてください、、」
と、、太一もその夜は楽しく呑んだ。
一晩泊まって、太一は朝飯を食べてでかけたのである、、
「太一、、、無理はするなよ、、、困ったときにはいつでも来いよ、、、」と言われて、出かけた。
太一は少し寂しかった、、、
警視庁特別捜査課に出勤した太一にはゆっくりする暇はなかった。
北海道警察から連絡が入り、、東京連合会の大前田会が札幌に関連企業の「総武不動産(株)」の支店を出して、北海東北連合会の旭会との問題を起こしたというのであった。
それで警視庁特別捜査班に応援の要請の相談が入ったので、、、北海道警察にいたことのある太一警部に白羽の矢が当たったのであった。
西園寺警部が退職したので、その補強人材で「沖田守警部補(29歳)」が東京機動隊から転属になったのである。。その新人警部補と北海道警察に行くことになったのである。
沖田守警部補は185cmの大男であった、そして、射撃が得意とのことである。
19)北海の地で再び、、、太一暴れる。。
北海道開発(株)の手掛けたリゾート開発事業の不動産は競売に掛けられたのであった。、、不動産の固定資産税や脱税の疑いで「国税」の調査が入り、不動産取得税や事業税の滞納からの競売であった。
構造物が未完成の為に「価値はなかった」のである、、、もともとが山林原野がほとんどなので「評価証明」低かった。。
従った「競売価格」も低かったが、、、「構造物が未完成」の為と、誰もが知っていたのである、、ヤクザ抗争があり、、関係政治家が逮捕されたり、、関係者が死亡というか「殺されている」事を、、、
そのために「競売」に参加する者がいなかったのである。
反社会勢力のやくざ組織にとってはありがたいことであった。
東京連合会傘下の「総武不動産(株)」の支店を札幌に出していたので、、、その段取りをしたのが連合会大前田会の熊田純一若頭が、、前田健次郎総裁の意を組んで、北海道開発(株)の競売に乗り出したのであった。
そして、「競売価格」の2倍で落札したのである、、、「総武不動産(株)」と関連のある、、「北海道不動産(株)」をつかってのことであったが、、、
誰が見ても見え見えの行動である。。。
北海道不動産(株)の社員は前から準備をして、東京連合会の企業舎弟を養成して大前田会アいたのであった、、、全て、熊田若頭の采配であり、、着々と事業を合法的に進めたいた。
黒田会長たちの失敗はしたくなかった、エリートやくざの熊田若頭は作戦を練り、、北海東北連合会旭会との「連合開発」を考えたいたのである。
東京連合会大前田会の前田健次郎会長の強気に、少知恵が混じっての、熊田若頭であった。。。
そんために、噂だけで北海東北連合会旭会の下部組織が動いたのであるが、、、
熊田若頭からの連絡で収まり、、その話合いの日を待ったのであった。
20)太一警部と熊田若頭の知恵比べ
太一警備は考えた、、、今までのやくざとは違うぞと、、、、
今までは勢力争いをして、力で抗争を起こして仕事を奪う。それがやくざ商法だったのである。
しかし、大前田会の熊田若頭は、敵対して争わずに協力して、助け合って、利益を分配しようとしているのだから、
始末が悪いのだ。
この話は時間はかかったが、北海東北連合会旭会も手を打ったのであった。残る問題は「利益分配」だけとなった。
この利益分配のシステムが凄かった。熊田若頭は欲張らずに、地元やくざに花を持たせて、、北海東北連合会旭会に「利益の6分」そして、熊田若頭たちは「4分」としたのである。
文句のつけようがない采配だった。
「北海道開発(株)」の監理は地元の「旭会」に任せ、、東京聯合会大前田会は利益だけを徴収した。しかし、会社経営の管理者は大前田会の企業舎弟が加わった。
これで北海道開発(株)のトラブルは全て解決して、、企業運営も動き出した。
北海道警察が心配した暴力団抗争はなくなったのである。
やくざ組織も、見てくれは「やくざ」ではなくなったが、、一皮むけばやくざはやくざであった。
なんの問題も起きずに、商いが平穏に進めば、ヤクザは出てこない、、、これからのやくざは企業戦士にならなければという、、大前田会の熊田若頭の方針通りに動き出したのである。
北海道警察捜査課から相談を受けた太一警部は、やくざ組織が巧妙になり、、ヤクザの組員が「やくざ戦士」となって、企業戦士になり動くとなると厄介であった。これからのやくざは表向きには会社員であり、、一皮むけばやくざになるという構図ができる。
この熊田若頭のやり方というか「やくざ運営」が広まると、組織暴力団は地下に潜ってしまう。
見てくれは、恰好では「一般サラリーマンもやくざも」見分けがつかなくなるような。。そんなことを考えながら、警視庁にもどった。
〇「第二話」片目のジャガー
1)新「片目のジャガー」
銃声の音で家に飛び込んだ、流健次郎警部補だったが、、、遅かった、、犯人は拳銃で狙いを定めて待っていた。
そして、流健次郎は撃たれたのであった。
狙い撃ちだからたまらない、、、流健次郎警部補は撃たれてその場に倒れた。
気が付いた時には病院のベットだった。
そして、知らされた。。。残酷であったが妻の芽衣子と子供の正一も襲われていた。
流健次郎が気が付いたのは銃撃されてから、1か月がたっていたのであった。
妻の芽衣子と子供の正一は即死だったと。。。
流健次郎警部補は左目を撃ちぬかれ、頭部に弾痕が残ったのであった。
即死状態だったのが一命をとりとめたのが奇跡だった。
流健次郎は退院してから、まずは二人の墓前に花を添えた。
そして、、、一人で涙した。
みえぬ目にも涙が流れたような気がした。
流健次郎は誓った。
必ず、犯人は逮捕すると、、、二人の仇討ちはすると。。
墓参りを済ませた後、誰もいない我が家に戻り、一人酒を飲んだ。
2)(酔いどれ、ジャガーの復讐心)
病院から退院した、流健次郎警部は警視庁過去の事件記録を調べた。同僚の如月弥生巡査部長が記録室に勤務していたので、流健次郎警部補が過去5年間に関わった事件で、犯人を銃殺した記録を作ってもらった。
その記録資料を見て、びっくりした、、、5年間で120件もあり、その全ての事件を逮捕時に銃殺しているか、重軽症
を負わせていた。
同僚の如月弥生巡査部長が、、、
「びっくりしたな、、、流、、、ほとんどを殺しているな、、でなければ片輪にしているよ、、」
「これでは本人か、、家族がいれば、恨まれても仕方がないな。。。復讐もあるよ、、、きっと」
と言われ、流健次郎警部補もびっくりした。
これらを全部、捜査するのは大変なので、、、本人で出所している者、、、遺族で生きている者をリストアップしてもらった。
「ありがとうな、、、如月。。。また、何かを頼むかも知れないからよろしくな。。。」
と言って、流健次郎警部補はリストアップした資料をひとつ一つ潰していった。
警視庁殺人課に所属していたので、、、本庁の事件も捜査しなくてはならなかった。
大和田捜査課長からも。。。。「流、、、自分の捜査は休みにな。。。勝手はだめだからな。。」
と、念を押された。
流健次郎警部補は休みは、、、資料を潰していった。
そんな流健次郎を見ていた、、、如月弥生が捜査を手伝ってくれた。
休みの今日も疲れて、、、、いつもの居酒屋に来ていた。
居酒屋八千代は流警部が独り身であることを知っていたので、夕食を用意していてくれた。
流警部補にしてみれば、癒しの時間であり、いっぱいのビールが美味かった。
自分の捜査の方はなかなか、、、、はかどって居なかった、
しかし、流健次郎はあきらめなかった。
3)(今回の休みも情報を頼りに九州博多へ)
流健次郎警部補は休みを利用して、流れてきた情報をもとに九州博多を訪ねた。自分が逮捕時に射殺した家族ががいるというので探し求めて、尋ねてみると、犯人の妻は再婚して幸せに暮らしていた。
もう一人の女は鹿児島にいた。子供と二人で水商売をしながら生きていたが、娘の近藤彩芽は18歳になって、行方不明だった。
娘、近藤彩芽は16歳の時に傷害事件を起こして、:少年院に服役していたが、出所していた。
流健次郎警部補は思った。。。この、近藤彩芽と言う少女を探さないとと、、、、
最終の新幹線で東京へもどり、同僚の如月弥生巡査部長に調査を頼んだ…少年院を出所してからの近藤彩芽の足取りを。。。
流健次郎警部補は翌日から合同捜査に戻りながら、考えていた。
そして、近藤彩芽の近況報告を待った。
その後、少年院の記録によると、東京へ出て、万引きで補導されたいた。その足取りも如月巡査部長に追ってもらった。
その間にが流健次郎警部補が逮捕時に重傷を負わせて、現在は出所してい大木戸誠が千葉県松戸市に在住していることがわかって、尋ねることにした。
大木戸誠は松戸で施設に入っていた。逮捕時の銃弾がもとで、半身不随になっていた。とても、流健次郎警部補を襲えるようなことは不可能だった。しかし、流健次郎警部補はしみじみした、、、事件を起こした犯人を逮捕す時とは言えど、自分の行動で一人の人間を片輪にしてしまったことに、、、何か仏心が出た。
半身不随にして生かしているよりは、、いっそ、殺した方がよかったのではと、、、
そんな時に、如月巡査部長から連絡が入った。
調査を頼んでおいた、近藤彩芽の報告が入った。現在、住んでいるところがわかったので、今度の休みに行くことにした。、、、、
4)(近藤彩芽を訪ねて、、、、、)
流健次郎警部補は自分の休みを利用して、過去の自分の事件簿を追いかけたいた。資料は同僚の記録室に勤務する、如月巡査部長から情報を流してもらったいた。
過去の捜査記録を見ると、普段気に気にしていなかった資料から、自分がいかに犯人逮捕をしたか、、びっくりした。
そして、逮捕時に射殺したり、負傷させていたかがわかり、
少々、反省をした。
今回は殺人課で事件が起こり、その捜査をしながらだったので、流健次郎警部補も忙しかった。
上司に藤田課長から、、、「おい、、流、、殺人課の捜査にも力入れてな、、、、頼むぞ」
と念を押されていた。
しかし、流健次郎警部補は自分の捜査も手を抜かなかった、
今回の休みも如月巡査部長からの情報をもとに、千葉県千葉市に出かけた。
流健次郎警部捕は一番関係が有るような気がした、近藤彩芽と期待していたのであったが、千葉市の自宅マンションを訪ねてみたら、本人は交通事故で亡くなっていた。
千葉市の帰り、電車の中で考えていた。本当の下手人は何処にいるんだよ、、、、必ず、見つけてやるからな。。。
「待ってろよ。。。」と、、、更に探す意思を固めた。
流健次郎警部補は東京へ戻ってから、殺人課の捜査に戻った。
殺人課の相棒、轟肇と今回の殺人事件の捜査に当たった。
「流さん、、、休みなくて大丈夫ですか、、、心配ですよ。
自分が動く時には、少し、休んでください」
と、後輩の轟刑事部長は気を使ってくれた。
「ありがとう、、、心配するなよ」
と流健次郎警部補は感謝をしていた。
今回の事件は人質を取っての引き籠り事件で有った。
今までの流健次郎警部補なら乗り込んで、強引に犯人を射殺して済ませたいたような事件で有った。
なぜか、今回は慎重だった。
自分の過去の事件記録を見ているうちに、変わり始めたのであった。
余りにも犯人を射殺しすぎている、、、そのために、復讐されたのではないかと思うようになってきたのであった。
出来れば、射殺無しで逮捕したかったのであった。
流健次郎警部補は相棒の轟巡査部長と引きこもりの現場についた。しかし、今回は突入をしなかったのであった。
引き籠りした新興銀行代々木支店の周囲には、警察官と報道関係でいっぱいだった。
警察の説得が思うようにいっていなかった。
その現場の状況を見ているうちに、流健次郎警部補は少し苛ついてきた。
5)(流健次郎警部補は、事件記録を見て、少しは変わったような気がしたが、、そうではなかった)
流健次郎は事件現場に戻ると捜査エンジンがかかってしまう様な。。。
「轟、、人質立てこもりで、何をやっているんだ、、、まだろっこしいいな。。。俺はいくぞ。。。」
「流警部捕。、まずいですよ、、、他の係の事件ですし、ちょいとひかえましょうよ、、」
「馬鹿野郎、、、犯人は待ってくれないよ、、早く要求をのまないと。。。人質事件の時は要求を断るか、飲むかだけだよ、、、」
といいながら、人質を取っている犯人の前に立ち肌っていた。
流健次郎警部補は、、「あんたの要求はのむから、、、人質を離せよ、、」と、近距離2mのところまっで近づき、拳銃を素早く打ち込んだ。。
犯人はびっくりして、後ろにのけぞった。
流健次郎警部は人質を撃って、その撃った銃弾が近距離だったので、犯人まで貫通して倒れていた。
銀行強盗はもう一人いた、、人質の中にまぎれていたが、その犯人が拳銃を構えた瞬間に流健次郎に撃たれた。
その瞬間に周囲を取り囲んでいた警察が
犯人たちが取り押さえた、、、そして、救急車も来て、怪我した人質を運んでいった。
犯人逮捕もしたが、犯人にも、人質にも怪我人がでたので。。。
警視庁殺人課の藤田課長から苦言が出た。
「流、、、死人が出なかったら良かったけど、、、控えろよ」と、、、、
事件を解決しながら思った。
そうか、犯人ではないが、事件解決の時に巻き添えを食った人間からの恨みもあるな。。。。
警視庁に戻ってから、記録室の如月巡査部長に会いにいった。
そして、過去の犯罪記録の中で、巻き添えをした第三者がわかったら、調べて欲しいと。。。。
それから1週間たった日に、如月巡査部長から連絡が入り。。。
その晩に流健次郎警部補はいつものいつもの居酒屋八千代で如月巡査部長とあった。
流健次郎は疲れていたが、、如月巡査部長の話を聞いて、いくつか気になる事件があった。
6)(流健次郎警部補が気になった事件を見つけた)
流警部補は今回の銀行強盗で分かったことがあった。
どんな事件でも第三者を犠牲にしてはいけないと、、、、犯人が逮捕できれば
多少の犠牲は仕方がないと思っていた自分が、恥ずかしくなった。
警視庁記録室に如月巡査長を訪ねて、、、、流警部補は聞いてみた。
「流警部補の逮捕には第三者の犠牲者が多すぎます。。。犯人逮捕はいいのだけれど、
その際のケガ人や、死人が多すぎる感じがする。。。。」
いわれて、、、流警部補はやっぱりと思った。
その関係の犠牲者の恨みを忘れてたような気がする。。。
「如月、、、巻き添えを食った、関係者を調べてくれないか。。。大変だと思うけどな、、」
「わかった、、、警部補、この調査は高くつくからね、、、」
流警部補は了解した。。。。
7)(流警部補の事件簿控えの調査)
流警部補に依頼された如月巡査長は、過去の事件記録の調査を始めた。
そして、1週間後に調査結果が出た。
如月巡査長もびっくりした。犯人逮捕は殺人課ナンバーワンであったが、その事件の被害者が多いことであった。事件の巻き添えを食って,けが人の多いことで。
死人は出なかったが、第三者からの苦情が多かった。
その結果の後始末には時間を要していた。
そのことに気が付いた、流警部補はその第三者を調べることにしたのであった。
恨み、苦情をうけていたのだと。
自分のやってきたことが恐ろしくなってきた。
そのいくつかの恨みの中に、、、今回の妻と子供の復習があったのだと。。。。
すべてが、自分のなすが故の結果のような。
流警部補はその晩に如月巡査長といつもの居酒屋であった。
「如月。。。いろいろとありがとうな、、、本当にありがとう」
事件記録を調べてくれたお礼を告げた。
「如月、、、俺の捜査は間違っていたような、、、少々強引すぎたかな。。。
あの記録簿を見ると、第三者の犠牲が多すぎる。。。」
「如月もそう思うだろう。。。少し、反省しないとな」
「警部補の捜査が間違ってるとは言えないと思いまながすが、、、」と言葉を濁した。
自分の復讐のことばかり考えていたような気がする
8)(流健次郎は過去の事件簿を調べた)
流健次郎は過去の事件簿を調べてみた。確かに逮捕数は多い、、、しかし、その逮捕に伴って犠牲が多いような、、、
その結果の恨みを買っているのではと思うようになって来た。
そして、如月に巡査部長に逮捕時の犠牲者を詳細に調べてもらった。
その結果を流健次郎警部補は追跡調査を追ったのである。
そして、いくつかの犠牲者が浮かんできた。
その地殺した犠牲者の中に、意外な人間がいた。殺人課の後輩の轟刑事部長の家族が含まれていた。
それも、轟刑事部長の妹さんが犠牲者の中にいたのであった。
流警部補が担当した通り魔連続殺人事件があった、、、その中の犠牲者の中に轟刑事部長の妹さんがいたのである。
妹さんが拉致されて、犯人が追い込まれ、妹さんを人質に取って立てこもった時である。
流警部補が強引に逮捕に踏み切り、犯人を撃ち殺したときに、妹さんも巻き添えを食ってしまっていた。。
轟刑事部長がまだ、警察官になる前のことだったので、、、流警部補もしらなかったのであった。
9)(過去の事件帳のなかに、轟警部補の妹がいた)
以前に通り魔事件の犯人逮捕の時に、偶然であったが、被害者の中に轟警部補の妹が含まれていたのだ。
当時は犯人逮捕にだけ気を配り、周辺の人々への配慮がなかった。
ただ、がむしゃらに犯人逮捕にだけ集中して、検挙率ばかり考えいた。こうして過去の事件控え簿をみて、恥じるところ出てきた。
犯人逮捕だけが先ばしってしまい、よくよく考えてみれば、過ちであると、、、、
今になると反省だけである。
流警部は自分勝手な捜査をして、第三者に迷惑をかけていたと。。。。
流警部は過去の事件控えの資料をみて、、、、ただ、単に事件関係者というか、、、その家族だけを調べていたような気がした。
事件に関係のない第三者を巻き込んでいたことを見落としていた。
その中に後輩刑事の轟警部補の妹さんが、事件に関係のない第三者にいたのであった。
。。。。「きっと、、、轟警部補は恨んでいるだろうな、、、」と痛感した。
すぐにでも、話をして、謝ろうと思ったが、、、それが出来なかった。
いつかは事情を話して、心から謝ろうと思った。
しかし、なかなかできなかった。
そして、他の事件控え簿を丹念に調べなおした。
しかし、他には見つからなかった。
それから、如月巡査部長を夕食をしたときに、、、流警部は思い切って、彼女に話をした。
「如月、、、過去の事件控えをみて、後悔していることがあるんだよ」
「それはな、、、俺の捜査はあらっぽいだろう、、、、だから、犯人逮捕の時にすぐに拳銃を使ってしまう。。
そんな逮捕時に、第三者に怪我をさせたりしている。。。」
「その第三者の被害者に。。。。轟警部補の妹さんがいたんだよ。。。そして、運悪く死亡していたんだ。。
俺、本当に後悔している。。。」
「如月、、、本当に今、まいって要るんだよ。。」
流警部はことの次第を、、、悩みを話して、さらに悩みながら酒を飲んだ。
話を聞いた如月巡査部長も困っていた。
その夜、流警部は深酒をしてしまった。
10)(深酒で寝覚めが悪い流警部)
前夜、飲みすぎたのか頭が痛い。。。。
正直悩んだいた、、、、同僚の轟警部補の妹の件では、、、
謝って済むものではないことも分かっていた。
しかし、話さなければならないと。。。
もし、轟警部補が妹の復讐のために、俺を撃ち、家族を殺していたらと
思うと、、、
正直言って、どうしていいかわからなかった。。。。
流警部はもう少し時間をおいて、、、様子を見て判断しようと思った。」
11)(流警部の心揺らぐ)
流警部はいくら考えても、正直言って考えがまとまらなかった。、、、
自分の過去の行動が、今回の引き金になっていたとは、、、、のである
若さにはやり、検挙率一番とはやっていた自分が蒔いた種とは思いもよらなかった。
自分の軽挙妄動が人を不幸に落としれ、取り返しの付かない過ちを起こしていたことの、、、
罪の重さを思い知ったのであった。
自分の軽挙妄動が恨めしかった。
しかし、反省しても遅かった、、、、どう、接していいか、分からなかったのである。
今頃になって、過去の過ちが、自分に覆いかぶさってくるとは、、、、
それでも何とかしなければならない。
部下でもあり、同僚の轟警部補にはどうすればいいのか、、、正直分からなかった。。。
今まで、轟警部補の心中を察したら、、、なんと,わびればいいのか。。。
自分への最初の攻撃というか、、、仕打ちを見ればわかる。
彼は妹さんの恨みを自分に向けてきたのだ、、、、そして、片目を失い、、、今も銃弾の破片が
流警部の頭の中には残っているのであった。
轟警部補にしてみれば、、、今すぐにでも、流警部を撃ち殺したいのだと、思ってるはずだ。
それをじっと、、しているのだ、、、、仇が 目の前にいるのに,、、
そのことを思うと、流警部は耐えられなかった。
流警部としては、、、死んでわびなければならないところだったが、自分の場合も妻と子供をころされているので、、、
どうしても、割り切れなかった。
今の流警部には、、、どうしていいのか、分からなく、、、、毎日、酒を飲んでいた。
12)(流警部の心を決めたものは、、、、)
毎晩、居酒屋で酒を飲み、悩んでいた時に、、、警視庁殺人課から連絡が入った。
当時、汚職事件で担当刑事が行方不明になり、、、その担当刑事が殺されたことが分かり、
流警部にも召集がかかった。
そして、その犯人が立てこもっていて、、、人質を取っていたのであった。
その人質は小学生3年生とのことであり、、、、警察としては、今、説得してる最中で
、その周囲を取り囲んでいるところであった。
流警部も、轟警部補と合流して、逮捕のための準備をしていた。
以前の流警部だったら、強硬突入していたところであったが、、、、できなかった。
指示を待って、取り囲んだ中にいた。
そこへ、上司の殺人課長が来て、、、
「流、、、どうだ、、、強硬突入できるか、、、」と聞かれたが
返事が出来なかった。
依然の流警部なら、やっていたかも知れない。
しかし、今は出来なかった。
そして、轟警部補を見た、、、、
その時、「流警部、、、あなたなら出来るよね、、、」
と言われたが、体が震えた。
そして、みんなが思っているのだ,、、
流健次郎警部は思った、、、
今度こそ話そうと、、轟警部に真実を話して、謝れるものなら心を尽くして謝ろうと。
それで、人質救出に立ち向かうことをきめたのであった。
「おい、、、今からそっちへ行くから、、撃つなよ、、、話があるから」
と、、、流警部は拳銃を犯人の見えるとこで地面においた。
「いいか、、、拳銃は持っていない、、丸腰だからな、、撃つなよ」
そうして、犯人の目のまえに歩いて近付いた。。」
犯人が「止まれ、、、それ以上近付いたら子供撃つぞ、、」と、脅してきたのである。。
「わかった、、、あんた、子供を撃ったら罪が重くなるから、、どうだ、、俺と人質の交換をしないか、、、俺は丸腰だし、片目片手の片和だから何もできない。。」と、、言って更に近付いて行った。
そして、犯人も流警部の容姿を見て、安心したらしく、子供との人質交換を飲んでくれたのである。
無事、人質の子供を返してもらい、子供が轟警部補のもとに戻ったことを確認した流警部は犯人を撃ったのであった。
失った片手から銃が撃たれて、犯人は崩れるように倒れた。
流警部の行動を見ていた周囲の警察官は流石にとおもったのである。
特に轟警部補は人質を庇いながらその逮捕劇を見ていたのであった。
轟警部補はおもったのである。。。流警部は警察には必要な警察官であり、
頼りがいのある刑事だと。
しかし、、流警部は命を捨てて犯人逮捕に尽力をしていく姿を轟警部補にみせたかったのである。
そして、心の中では葛藤して、、迷いが生じていた。
13)流警部を狙っている奴は別だった。
流警部は轟警部補を誘って、居酒屋八千代に飲みに行ったのである。
どうしても、轟警部補とははっきりしておきたいと思った、、、それで、思い切り聞いてみたのである。
「轟よ、、、お前に聞いておきたいことがある、、もし、それが事実なら、お前はどうする気でいるのか、、本当のところを教えて欲しい、、正直に答えてくれ、、、」と、、、ずばり、聞いてみたのであった。
「もし、そのことで,こだわっていたら、正面向かって言った欲しい」
轟警部補は逆に聞いてきた。
「なんですか、、、改まって、、僕は警部には何も言うことはありませんよ、、警部は凄い人だと思っています、、
警察官として尊敬していますから、、、」
と、、答えが返ってきたのである。
「じゃあ、、、轟よ、お前の妹さんを俺が犯人逮捕の時に撃ってしまったことを恨んではいないのか、、、本当の気持ちを教えて欲しい、、、言って欲しい」
と、、、流警部は短刀直入にいたのだった。
「ああ、、、そのことですか、、、恨んでなんかいませんよ、あれは不可抗力ですから、、、仕方がないことですし、、妹も恨みになんかおもっていませんから、、
安心してください、、」
と、、轟は遠い昔の思い出話をする様に答えてくれたのだった。
流警部は信じがたかった、、、本当なのかと。。しかし、轟警部補が言うのだから信じないわけにはいかなかったのである。
一緒に仕事をしている仲間を信じないわけにはいかなかった、、、信じなけれなこれからの警察業務を、、時には命がけの警察業務をできないのである。
流警部は轟警部補の言葉を信じた。
14)流警部は初めから自分のやってきた警察業務を見直した。
流警部は自分のやってきた捜査をもう一度、見直すことにしたのであった。自分の逮捕した犯人の再捜査をすべて、人を頼らずに自分の手で、目で確認し始めたのである。今までは全ての資料を如月巡査部長に調べてもらっていたが、今回は見える片目で資料をみたのであった。如月巡査部長を信じないわけではないが、、、すべてを再確認したかったのである。
勿論、如月巡査部長には手伝ってもらってはいるが。。。
「如月、、、ごめんな、二重手間になってしまって、、どうしても、見落としが無いか、調べたいのでな、、、宜しく頼む」
と、、流警部は誤った。
過去の記録も膨大なものであったが、、流警部は出来るだけ記憶をたどったのである。。。
犯人逮捕の時に、犯人や関係者を射殺した事件や、誤認逮捕が無かったか、資料を見ながら過去の事件を追っていった。
流警部もあまりにも犯人逮捕が多く、強引な捜査が多かったので、思い当たる事件が浮かんでこなかったのである。
一緒に再資料の検査をしていた如月巡査部長が一つの奇妙な事件を見つけてくれた。
7年前になるのかな、、、立てこもり事件で、一緒に捜査していた先輩警部の館林総一郎という警察官が殉職したことがあったのである。
その時の事件は、流警部がまだ警部補時代であり、館林警部の指揮下にあって、流警部は犯人逮捕時に発砲はしていなかったので、見落としていたが、、、犯人の撃った拳銃で館林警部が撃たれたのであった。
確かに、犯人逮捕時には現場にいたが、直接には銃撃戦には参加していなかったのである。
その殉職した際に、館林警部の援護射撃の中の一人ではあった。
しかし、まだ、警視庁捜査一課に配属になったばかりで経験も浅かったので、援護射撃ができなかったのである。
流警部は如月巡査部長から、その資料を見せられたので、、、そんなことは無いとは思うが、、、調べてみることにした。
そして、館林総一郎警部の住まいを訪ねることにしたのである。
埼玉県草加市の住居に家族は住んでいなかった。
館林警部の家族は妻の里美の実家に引っ越していたのである、、、茨城県つくば市に家族3人で済んでいたのであった。
息子の修一は現在23歳になり、陸上自衛隊特殊部隊勤務で、、娘の茜は22歳になり、警察学校を卒業して現在は警視庁生活安全課勤務であった。
実家を訪ねた流警部は奥さんの里美さんから話を聞いてびっくりしたのである、、、
館林警部が殉職したのは、援護射撃を担当していた当時警部補だった「流健次郎」の射撃ミスであったと聞かされていたという話であった。
当時、館林警部と同僚の「大河内重一」から聞かされていたのである。現在は警視まで出世して管理官を務めている。
その話を聞かされて、奥さんの里美さんは流警部補を恨んだこともあったというのであった。。多分、二人の子供たちも恨んでいたと思います、、、聞かされて愕然とした。
「そうだったのか、、それでは人を恨むよな、、、」そう思った流警部であった。
15)人に恨みを残すこととは、、、
雪崩警部補は警察間としての仕事に誇りを持って生きて来たのであった。世の中の悪に向かって、社会悪を、そして、悪事を働いた人間を罰することが正義と思い、悪人退治をしてきたつもりだった。
しかし、人の道にはやってはいけないことが、、、正しいと思っても、その悪への向き合いが間違うこともあるようだったのではないかと、、今となっては思うのである。
どんな悪にも、社会悪にも理由はあるのだと、、それらを正しての裁きが必要なのではないのか、、、
昔の歴史物語にもあるような「大岡裁き」が出来ればと、、最近の流警部を思うこともある。
ただ、がむしゃらに「猪武者」のような突進は違うような気がしてきたのであった。
流警部は悪への怒りから、何が何でも目の前の敵を倒さなければ、、逮捕しなかければと「しゃにむに」犯人へ向かっていったような気がするのである。
そのための犠牲は仕方がないと、、、今の流警部に出きることは反省と後悔だけだった。
しかし、何かできるはずと日々、葛藤する流警備である。
自分が撃たれt事や家族の命を奪った奴は、殺したいほど憎い、、、その原因を辿ればすべて自分の至らなさに帰ってくるのであった。しかし、、それでも犯人は憎い。
流警部は事情を知ったうえでも、今回の犯人に復讐行為が出来るかと、、自問自答したのであるが、、、自分に自信がもてなかった。
流警部は館林警部の事件を、当時の状況を調べた、、、入念に調べたのである。
自分に落ち度はなかったかと、、、あの時の自分の行動に迷いはなかったかと、、、何故、援護射撃ができなかったか、、、もし、援護射撃が旨くいってたら、、自分が犯人を銃撃していたら、、館林警部は死ななかったかも知れない。確証はなかったのである。。。
自信を持って、あの時の行動は間違っていなかったと言えるのか、、、何度も思い返した。
しかし、はっきり、「間違っていなかった」と、、言えなかったのである。
迷ったそんな、ある晩に如月巡査部長を誘って居酒屋「八千代」で飲んだ。
今回の流警部の計画を初めから知っていたのは、如月巡査部長だったので、、その晩は「愚痴」をこぼしたのである。
その晩は酔ったせいもあるのか、、、流警部も自分の心の迷いを覗かせたようだった。
「警部、、、難しいですよ。人の気持ちを知るということは、、、」
と、、、如月巡査部長はぼそりと答えたのである。
そして、居酒屋八千代のママが。。。「
「ケンちゃん、、、人に答えを求めては駄目だ、、、私もうっすらと話は分かるけどね、、
如月ちゃんもこまっているよ、、、大変だけど自分の人生だから、今夜はうーんと飲んで寝てしまえば、、明日は明日の風がふくから、、、」
と、、慰めにはならない慰めを聞きながら夜は更けた。
16)流健次郎警部は悩んだ。
今朝は目が覚めた時に、、、頭が少し痛かった。飲みすぎたようだった。
今日は休日だったかと、目が覚めてから気が付き、もうすこし寝ることにして、ベットに潜り込んだ。そして、目が覚めたらお昼をすぎていた。
流健次郎は久しぶりに休みらしい休みを取ったのである。
仕事から離れてのんびりしようと、近くの公園に散歩しながらでかけた、、、本当に久しぶりだったので、素足で下駄を履いて歩いてみた。公園の木々が風に揺れ、気持ちがすがすがしかった。
公園を散歩する老夫婦や子供連れが眩しく、、世の中の自然に歩く人々をみていたのである。
自分には忘れていた光景だった。
やさしかった妻と愛しい子供が浮かんできた、、、懐かしい、あの頃に戻りたい。
流健次郎の目の前には素晴らしかった過去がある、、、
失った妻と子供は戻らないのだ、、、何をどうしても戻らない。
本当に悔しかった、、、しかし、過去は戻らないのだった。
急に妻と子供に会いたくなって、、流健次郎は二人の墓参りにでかけたのであった。
二人の墓前に妻が好きだったバラと子供が好きだったどら焼きを備えて一人、マンションに戻った
のである。
そして、部屋で考えた、、、犯人への恨みは恨みだった。
やはり、許せないのだ、、、自分よりも、やさしかった妻と、甘えん坊の息子を奪ったことを、、
これからあるだろう人生を消されたことへの憎悪の念が沸き上がってきた。
妻と子供を奪った犯人をゆるせなかったのである。
流健次郎警部は警視庁に出勤してから、もう一度、館林警部が担当した、あの人質事件を調べなおした。
そして、あの援護射撃が出来たのは自分だけだは無かったのである。あの周囲には犯人射撃が出来る警察官が3人もいたのであった。
その警察官は3人とも一人は定年退職、そして、大川警部は新宿警察署、生活安全課課長として転属になり、、一番、館林警部の近くで、すぐ後ろにいた太田警部は現在、警視となって大阪府警に転属になっていたのである。
若かった流警部は当時は警部補だったが、、警視庁殺人課に部署転属をしたのであった。
よくよく考えてみたら、、流警部を入れて4人の警察官に容疑を掛けることも出来るような気もしたが、、、
今となっては確かめることもできなかった。
流健次郎は不思議に思ったのである、、、当時の状況からすると4人の容疑が浮かんでくるのであるのに、、、どうして、自分が狙撃されたのかと。
それが謎であった。それを確かめるべき流警部は動いた。
そして、流健次郎警部はすでに退職している坂田三郎、元警部補の自宅を訪ねることにしたのであった。
現在は実家のある青森県弘前に住んでいたので、休暇を取っていくことにしたのである。
17)3人の元警部補の誰かが嘘をついている、、、
流警部は青森県弘前市に住んでいる坂田三郎元警部補の自宅を訪ねた。弘前市えていたのである。ていたのである。
「こんにちわ、、、坂田さんですか、、、先日連絡いたしました流健次郎です」と、、、挨拶した老夫婦はいかにも田舎のおじさん、おばさんといった優しそうな人たちだった。
とても元警察官には見えなかったのである。
「はい、、、坂田です、、ご苦労様です、、、こんなに遠い田舎まで疲れたでしょう」と、、出迎えてくれた。
坂田さんの奥さんが、、「田舎の家ですが、、、さアー、中に入ってお茶でも飲んでくださいな、、」と、、案内してくれた。
流警部にはこの坂田夫婦には出来ないな、、、まるっきり、善人だとみえたのである。
「坂田さんはおいくつになられました、、、」腰が少し曲がった坂田さんに尋ねた。
「あはっは、、、あはっはは、、もう、70を過ぎましたよ、」と、笑みを浮かべながら答えてくれたのである。
そして、家の中に入ってから坂田三郎さんは静かに話してくれた。
「覚えていますよ、、、私にとっては大きな事件だったので、、忘れることの出来ない不祥事でしたからね」
と、、その当時を振り返りながら、ぼそぼそと語り始めた。
「以前も私のところに、亡くなった館林警部の息子さんで、修一さんだっかな、、、あなたと同じことを聞きにこられましたよ、、、私は正直に答えました」
坂田三郎さんは、、、「あの時、私も援護射撃の指示を受けていましたけど、、私などは警察官になってから拳銃などは撃ったことが無かったので、撃てませんでした」と、、、教えてくれた。
「私は確かに聞きました、、、あの時に拳銃を撃った音が二発だったと、、、そのことを聴聞会でも言いましたが、、止められたのです、拳銃の発砲した音は一発と言えと、、、当時の監理官だった菅田浩一郎警視に指示をされたのでした」と、、聴聞会で嘘の供実を述べたことを反省したいたのである。
菅田監理官から半ば脅しのような態度でせまられたので、、、
「あれから、時間がたち、、私も年を取ったので怖いものは無いので正直に話しますよ、、、それが事実です」
と、、、いってくれたのである。
「館林警部の息子さんの時には嘘のままの供実ではなしています、、まだ、聞かれていないので訂正をしていません、、」と、、真実を話してくれたのである。
話を聞いた流警部は拳銃を一発なのか二発なのか、、その辺に謎があるような気がした。
その晩は遅くなったので、、図々しいとは思ったが、坂田さんに甘えて止めてもらったので、、さらに、詳しく話がきけたのである。
18)館林警部の死には不可解な秘密があった。
流警部は青森の弘前市に坂田元警部補を訪ねてよかったと思いながら、東北新幹線で東京へもどった。
流警部は考えた、、、帰りの新幹線の中で、、、館林警部の殉職には何があったんだろうと。
あの時の援護射撃はなんのための発砲指示であったのだろうか、、、何か警視庁内部に何かのも事情があったのか、、、
流警部はもう一度、大川警部の生活安全課と太田警視のいる大阪府警に行く前に調べる必要があると、思い警視庁に戻ってから事件の背後というか、当時の警視庁事情を調べてみることにしたのである。
警視庁監理官であった菅田浩一郎警視についても調べることにした。
流警部には今回の人質事件には、何か腐れた秘密というか、、謎がある様に思えたのである。
あの事件の時の犯人も射殺されたのであった。そのために、担当した警察官には詳細は知らされていなかっ
そして、警視庁内部の上層管理職だけで処理をれたのであった。
今になって考えてみれば不思議な事件であり、不透明な解決をしていたのである。
あの人質事件の犯人は柴田一臣で、人質になったのは、民友党の相田次郎政調会長の秘書である息子の相田安生であった。
あの事件は脱税疑惑の事件であり、、、犯人の柴田一臣がその事件の暴露記事で相田政調会長を脅していた人質事件であったのである。そのあたりに秘密裏に解決しなければならない理由があったようだ。
その事件内容を、5時になったら雑居房にある布団を敷き、6時の就寝である、
9時の消灯、電気が消える」
それが毎日の日課である。。雑居房の中に布団は一番古参の囚人が一番上に積まれて、、新参者は一番下でぺちゃこであった。
昼間は雑居房の中での会話は自由であり、、囚人仲間が犯罪の自慢話をすることが多い。
留置所での注文は自由に頼める、、「お金」次第であり、、金が無いとみじめであった。
そんなシステムであり、、取り調べが終わると「面会」もできるのであったが
「一日一組」だけである。。
誰でも規則は一緒で、破ることはできなかった。
面会が出来るようになってから、、、館林警部の子供たち二人が面会に来たのである、、、
「流さん、、、ご無沙汰しました、、会いたかったのですが、こんなことになって、会うのが今日になってしまいました。。。でも、驚きました、、」
と、、息子の正一が挨拶をしたのでした。
「流さん、、父のことで真実を知って、、本当によかったです、、それから、本当に心から謝ります、、早まったことをしてすいませんでした、、」
と、、深々と頭を下げて正一は謝ったのでした。
「この通りです、、ごめんなさい、、何といって詫びたらいいかわかりません」
と、、正一は面会室で土下座をしたのでした。
「正一さん、、、もういいですから、、手を挙げてください、、、それから、あなたたちのことは何も話していないから、、これからも黙っていて欲しい、、、どんなことがあっても、誰にも話さないでくださいよ、、私たちの秘密にしてください、」
流警部は固く念をおしたのであった。
19)館林警部の息子と会う。。。
真相を知り、確証を得た流警部は館林警部の息子、修一と連絡を取り会う約束をいたのであった。
修一が休みの日に東京駅内にある「東京駅ホテル」のロビーで待ちわせたのである、、
決められた時間に流警部が行くと、、連れが一人いた。
修一の妹で茜と言って、挨拶をしてくれたのである。。
彼女は警視庁生活安全課に勤務していた、、、流警部の近くで見られていたのであった、、、悪くいえば監視されていたようなものだった。
「初めまして、、、修一君、、、茜さん、、嫌だとは思いますけど、俺が調べたことを聞いてくれますか、、、それからでも敵討ちは遅くなによね、、、
いいかな、、、それから、妹さんの茜さんは何度か会っていますね、、事件の関係で、、、」
と、、説明してから、今回の事件の内容を詳しく話したのである。
流警部が事件の流れを説明して、、警視庁内部の上層部官僚が政治力で動された話や、、政治力の力で捻じ曲げられた事実を話したのである。
警視庁生活安全課に勤務する妹さんの茜さんは事情を呑み込み、、警察の都合も分かるような気がしたが、、、息子の修一は納得がいかなかった。
流警部は修一に対して。。。。
「俺の説明で納得がいかなかったら、、あなたの父親の仇を討てばいいよ、、、
しかし、、俺も事実を知ったからには黙ったは討たれないからな、、、」
そして、言った、、、
「それでも仇を取りたいなら、、やればいい、、、その前に、、あなたに討たれる前に、俺はやらなけらばならないことがある。。。」
「修一君、俺が済ませた後にしてくれないかな、、、」
と、、、流警部は頼んだ。
妹さんは理解してくれた、、、そして、、
「お兄ちゃん、、よく調べて、考えた方がいいよ、、」と、、助言をしてくれた。
そして、、館林修一は答えを出した。
「わかりました、、、考えてみます、、、結論が出たら連絡をしますので、、、
今日はありがとうございました。。」と、挨拶をして妹と二人で帰って行った。
流健次郎警部もやっと見つかったような気がした、、そして、覚悟がきまったのである。二人が帰った後は心が清々しかった。
20)真の仇が見つかった。。。
流警部は館林警部の子供たちと会い、、思いを告げたので、、今までの曇っていた心が晴れたのであった。
やっと自分の思いが遂げられると思い、、流警部は妻と子供の墓参に、、、
そして、、妻の芽衣子に長男の正一に言葉をかけたのである、,、今までに云えなかった言葉を。。。
「芽衣子、正一。。。待っててくれよ、、俺ももうすぐに,お前たち所に往くからな、、、」
と、別れを告げた、、二人の墓前に花を手向けて。
忠臣蔵の仇討と同じように、、やり直しができなきなかったのである。
流健次郎警部は調べた、、、相田政調会長の予定を、、、
そして、時を決めたのである、、
流健次郎警部が拳銃で撃たれたように、、拳銃を使って襲撃したのであった。
相田政調会長の自宅に乗り込み、、射殺したのである。。
覚悟の上の襲撃であるから、、堂々としていた。。
そして、流健次郎警部は死亡を確認してから、、警視庁特捜部に出頭したのである、、
翌朝のニュースで報じられた。
相田政調会長が暗殺されたことが、、、
民友党本部でも警視庁でも大騒ぎになったのであった。
21)相田政調会長暗殺の取り調べ。。。
流警部に轟警部補は取り調べをすることを述べて、、警視庁特捜部での現場検証や事情聴取が開始された。
「警部、、何んでもいいですから、、連絡するところがあったら言ってください。。」
と、、言ってから轟警部補は今回の事件を聞き始めた。
「轟警部補、、、一つだけ託をお願いします、、今回の事や今までのことで、如月巡査部長には世話に成ったので、、ありがとうと一言だけ伝えてください、、
そして、俺とは一切関係ないことを伝えてください、、迷惑をかける課かも知れないが、、すまないとだけ、、」
と、、流警部は頼んで、取り調べに応じたのである。
そう、、話した流警部には清々しい潔さを覚えた轟警部補であった。
まるで仇討を済ませて引き上げる赤穂浪士の面々の雄姿の幻影を見たような気がした、、男をみたのであった。
命を捨てた覚悟が、やり遂げたことの日本古来の武士道を感じた。
その後の取り調べは順調であったが、、事件の流れの中で、、相田政調会長から指示命令が曖昧であった。
極悪人相田政調会長は憎いのであるが、、途中の指示関係を受けた警察官僚たちは政治力に脅かされて動いた、その人たちも弱者のひとりであり、、被害者でもあったようなきもするのである。
流警部にしてみれば憎いことは憎いけれども殺すまでは無いとかんがていたのであった。
今回の取り調べでは名前を挙げるこ都ではないと思ったのであり、、、警察内部官僚の判断に委ねることにした流警部であった。
22)館林警部の子供二人が面会に。。。
流警部の取り調べは、警察拘留が2日間、検察拘留が10日間,裁判所拘留が10日間で合計で「22日間」が拘留期間である。
その期間に取り調べを行い、、起訴に持って行き、、、検察庁に起訴初めてして、、被告人が罪状を認めた時に「保釈申請を行い、、裁判所が認めた時に保釈が認められる」のである。
「保釈金」が払えない被告人は裁判が終わるまで、「判決」が決まるまで「留置所」に拘留されるのであった。留置所の拘留期間は、日本の場合、、約6か月を要する。その間は特別のことが無ければ留置所での生活になる。
「朝は6時起床、それから雑居房の掃除、そして、朝食で、昼食は12時、夕食が4時であり、5時になったら雑居房にある布団を敷き、6時の就寝である、
9時の消灯、電気が消える」
それが毎日の日課である。。雑居房の中に布団は一番古参の囚人が一番上に積まれて、、新参者は一番下でぺちゃこであった。
昼間は雑居房の中での会話は自由であり、、囚人仲間が犯罪の自慢話をすることが多い。
留置所での注文は自由に頼める、、「お金」次第であり、、金が無いとみじめであった。
そんなシステムであり、、取り調べが終わると「面会」もできるのであったが
「一日一組」だけである。。
誰でも規則は一緒で、破ることはできなかった。
面会が出来るようになってから、、、館林警部の子供たち二人が面会に来たのである、、、
「流さん、、、ご無沙汰しました、、会いたかったのですが、こんなことになって、会うのが今日になってしまいました。。。でも、驚きました、、」
と、、息子の正一が挨拶をしたのでした。
「流さん、、父のことで真実を知って、、本当によかったです、、それから、本当に心から謝ります、、早まったことをしてすいませんでした、、」
と、、深々と頭を下げて正一は謝ったのでした。
「この通りです、、ごめんなさい、、何といって詫びたらいいかわかりません」
と、、正一は面会室で土下座をしたのでした。
「正一さん、、、もういいですから、、手を挙げてください、、、それから、あなたたちのことは何も話していないから、、これからも黙っていて欲しい、、、どんなことがあっても、誰にも話さないでくださいよ、、私たちの秘密にしてくださいね、、」
流警部は固く念をおしたのであった。
23)流警部は覚悟は決めていた、、
自分の復讐劇で館林警部の子。供たちが間違った復讐心を抱いていた心を吹き払ったので、、彼らに恨み事を残さずに罪に服することが出来るので憂いはなかった。
流警部には妻「芽衣子」長男「正一」の恨みも晴らしたので、、どんな罪に成ろうが後悔はしていなかった。
自分が襲われてから、、犯人探しに心を砕いていた流警部であった、、、自分のしてきたことに反省心を持ちながら、、事件にがむしゃらに立ちむかい、、犯人逮捕に専念したことを思い出しながら。自分の警察生活を懐かしく思ったのである。
取り調べが終わった夜、、留置所の中で静かなに考えた、、、考える時間を与えられたような気がしたのであった。。。
留置所の中も9時に消灯就寝なので、布団の中での時間がながかった。
警察署の留置所は朝は6時に起床で点呼が始まり、雑居房に敷いていた布団を片付けて、所定の戸棚に終う、、それから洗面を支持されて、朝食になる。
朝食はお金を持っている被告人は弁当を特別に好きなものをメニュー表に従って注文ができるのだった。昼食も同じで、夕食も同じに注文できた。。。お金を持っていない被告人は決められて弁当を食べるのである。。
ここの世界でも「金次第」であった。
普通,留置所は2人から3人収監であり、、畳が3枚敷いてある。
今の時代は環境関係の団体が煩く、、冷暖房つきである。一昔前までは「毛布」だけ支給されて、枕も布団もなかったのであった。
今、留置所の中は布団、毛布、掛布団、枕付きであり、、悪事を働いた人間には極楽である。
警察の取り調べは朝は8時から始まり、、5時には終わる、、、余程の事がないと夜通しの取り調べは無い。
取り調べが期限内に終わる「22日間」と、、起訴されるまで暇になってしまうのである。
留置所の中でのお風呂は一週間に2回あり、、中で来ているズオンやシャツなどは、、留置所によって違うが「看守さん」が洗濯をしてくれるのであった。
今の留置所は居心地がいいので、、暮などには「コソ泥」をして、わざと掴まってくるやつがいるというのであった。始末の悪いことである。
そんな留置所で流警部は取り調べを受けて、、全て犯行を認めたので「22日間」で起訴された。、、彼は保釈申請をせずに、裁判まで留置所で過ごしたのであった。
24)流警部脱獄する。。。
流警部が留置所に移ってから4か月がたったある日に、同じ雑居房に入ってきた被告人がいた。。銃刀法違反で逮捕されて、起訴されたが保釈金が払えずに入ってきたのである。。
雑居房に入る時に挨拶があるので、、人通りに罪状を言って末席に付いた。
その被告人が最近の事件について話をした。。。その中に流警部が気になった事件があったのである。。
それで、その被告人に詳しく聞いたのであった。
話によると、、館林警部の子供たちが逆恨みで、警視庁の菅田浩一郎監理官を襲撃したとのことであった。
もう一人は大阪府警に転属になった太田警視が襲撃されて、、両方とも襲撃された警察官たちは無事であったが、襲った二人の犯人は射殺されたのことであった。
悲劇だとニュースで報道してたと、、、
その話を聞いた流健次郎警部は怒りを覚えたのである。。。
「ふざけてる、、、なんで、あの子供たちが殺されなきゃあならないんだ」と、、
無性に腹が立った。
「正一さん、、茜さん、、悔しかったろう、、無念だったろう、、」
と、、流警部は一人雑居房で涙したのであった。
そして、、数日たったある日に、流健次郎警部は腹痛を起こしてのた打ち回った。
留置所の担当看守が腹痛の薬を持ってきてくれたけど、、収まらなかったので、、
看守が付き添いで病院に行くことになった。
病院に行くためには一人の病人に付き、5人の警察官が付いていくのであった。。
流警部は知っていたので、5人の警察官に付き添われて病院にいったのである。。
警察の決まりで病人一人に対して5人の警察官が付く理由は、逃走しようとしたときの為に、、二人は両足をひとつづつ、両手を一人で方ほうづつ、そして、もう一人は頭を押さえるためだということだった。
それを知っている流健次郎警部は逃げるチャンスをうかがったのである。
その時は手錠もはめてないので、逃げることは出来るとかんがえたのであった。
そして、武道に自信のある流健次郎警部は診察中の監視の3人を倒して、、外へ出て残りの二人を倒し、、運転手を襲って逃げたのである。。
逃走後の経路は分からずに、結果的には逃げられた。
流警部にはやることがあっての、、覚悟の脱走であった。
25)流警部は怒る。。
脱獄した流警部は盗んだ警察車両で、あるスクラップ置き場に走りこんだ。
昔、命を助けた秋葉組の元ヤクザの「秋葉浩一郎」がスクラップ屋をやっていたので、、とりあえず逃げ込んだのである。。
秋葉浩一郎は一人で住んでいたので、、流健次郎は事情を話して、中古の走るだけで言い、車を借りた。脱走の理由も言って、納得をして貰った。
「俺と秋葉、、:お前の関係は知られていないので、しばらく黙っていてくれ、、」
と言って、少々の金を借りた。
「流さん、、いいですよ、、、車はいらなくなったら捨ててください、、おなたには命を助けてもらったのですから、、少しとは言わずに、必要でしょうからここにあるだけ持って行って下さい。。」
秋葉は流健次郎に「20万円」を渡してくれたのである。
「ありがとう,、秋葉、、本当にありがとう、、、返せないぞ、、すまない、、」
と、、頭を下げて礼を言った。
「最後にすまないが、、、ドスかチャカは無いよな。。。」
すると、、秋葉は黙って出してくれたのである。銃弾つきでチャカを、、、
「ありがとう、、秋葉、、面倒懸けるな、、、時間がないので行くから、、
本当にありがとう、、、礼はあの世でな、、」
流健次郎は出て行った。
秋葉浩一郎にズボンや上着も借りての復讐仇討であった。
流健次郎の動きが早かったので、、目的地の目黒区碑文谷に住んでいる、警視庁監理官
菅田浩一郎宅へ直行したのである。。
まだ、流健次郎が脱走したことは伝わっていなかった。たとえ、知られていても流健次郎が脱獄して、復讐に来るとは思ってもいなかったのであった。
それが、突然に表れたのであるから、、菅田浩一郎は驚いたのである。。。
流健次郎は家族が居ようがいまいが関係なかった。偶然にも菅田浩一郎はひとりだった。
流健次郎は「問答無用」で、狙撃して暗殺したのである。
そして、その足で大阪に向かった。
警視庁特捜部では大騒ぎであったのである、、、脱獄と菅田監理官の暗殺事件で、、
警視庁内部で騒いでいる頃には流健次郎は大阪に向かっていた。
警察も馬鹿ではない、、、流健次郎が大阪に向かうことを察知して、、大阪府警の太田警視に連絡を取り、、身の安全を守る様に指示を出していた、、そして、大阪府警には緊急体制を取る様に手配もしたのである。
流健次郎はそれ位は予測していたので、、すぐには大阪府警には攻め入らなかった。
高速を使わずに日本海沿いに大坂にむかったのである。
途中、様子を見ながら、ゆっくりと、野宿生活をしながらの復讐旅であった。
26)大阪府警には手配がされていた。
流健次郎警部は脱獄してから、菅田浩一郎監理官を暗殺したので、大阪府警に着くまでには手配が回っているだろうと思い、時間を掛けて狙撃するつもりで計画を立てていた。
そのために、大阪入りは日本海方面に迂回してから、時間差で行く予定であった。
国道や県道を使わずに田舎道を遠回りして走ったのである。
そして、野宿やホームレステントを利用しながらの道中旅であった。
流健次郎は秋葉浩一郎から借りた金があるうちに、復讐相手が隙を見せるまでにやり遂げればいいと、思っていたので見つからないことが大事であったのである。
警察の手配も地方の田舎道までは監視するまでにはいたらなかった。
流健次郎は北陸まで突き抜けて、、福井県敦賀付近の田舎街を走り、、山間部の山村に入った。
山道を走って夜になった、そして、さびれたお寺があったので山門で野宿をすることにしたのである。
夜中に雨が降ってきたが、その山門は雨避けにはなった。
流健次郎はいつしかうとうと寝てしまったいたのである。どのくらい寝たか、、人の声で起きた。
「旅の人、、風邪をひきますよ、、よかったら温かいお茶でもいかがですか、、」
そのお寺のお坊さんに起こされて、、その言葉に甘えて中に入り,温かいお茶をご馳走になった。
流健次郎は冷えたからだが、、いっぱいのお茶で温まり、、救われた。
人の情けが心にしみた。
「ありがとう、、ございました、、もう大丈夫です、、すいませんが明日の朝まで山門の隅で休ませても貰いますか、、」と、、流健次郎は丁寧に頭を下げた。
「よかったら、、古い壊れそうなお寺の庵ですが休んでください、、」と、布団と毛布まで用意してくれたのであった。
ありがたかった、、流健次郎はお坊さんに礼を言って休ませてもらったのである。
今までの疲れが嘘のようになくなり、、いつか寝てしまった。
流健次郎は次の朝、早く起きて、、自分が寝たお寺の床の掃除をしたのである、、、寺院の庭もさほどに広くはなかったがほうきで掃除をしたのであった。
今の彼にはそんなことしか出来なかったので、、、
夕べの僧が入ってきて、、、「おはようございます、、寝れましたか、、旅の人、掃除まで心使いしていただきありがとうございます、、、何にもございませんが朝飯を用意したのでよろしかったら、、ご一緒にどうでうか、、」
と、、案内してくれたのであった。
流健次郎はその言葉に甘えて朝飯をご馳走になった。「旨かった、、」と、思った。
「御馳走さまです、、、泊めていただき、、食事までご馳走になって、、名前も告げられずに、本当にごめんなさい、、
許してください、、」と、、流健次郎は心から謝ったのである。
寺の僧、、住職だったのであるが、、「いえ、、気にしないでください、、旅の人でいいですよ、、」
と、、笑ってそのあとも話をしてくれた。
27)山寺「安寧寺」に流警部は世話に成る。、、
流警部は体調を崩していたのであった。山寺の住職はすぐに流警部が体に支障をきたしているとわかり、、、
「もし、旅の人、、、お加減が悪るそうですね、、急ぎの旅でなければ、少し、休まれてはいかだですか、、」と言われた後に、、流警部は倒れた。高熱をだしていたのであった。
倒れてから二日後に目が覚めたのである。。。
山寺の住職に、、「よく寝てましたよ、、随分疲れていたみたいですね、、おかゆが出来ていますので食べてください。
元気になりますから、、」と、言われ、やさしくしてもらった流警部は深々と頭をさげた。
「大分、疲れがたまっているようですね、、こんな山寺ですが、私一人ですので体調が戻るまで休んで行って下さい。。何もできませんが、、」、
と、、言われたので流警部は事情を話す気になったのである。
何か、山寺の僧にはすべてを話してもいいような心持になった、、、何故だかは分からないが、、仇討がここで終わってしまっても後悔しないような気がしたのであった。
何もない山の中での古びた寺での一人の僧の出会いが、流警部の心を癒してくれた。
自分が今、やっている復讐はなんのためか、、どうして感情的になったのかを考える余裕が出てきたのであった。
しかし、後戻りは出来ない、、、やってしまったのであるから、、最後まで館林兄妹の悔しい思いは果たさないと、、再び言い聞かせたのである。。
そして、住職さんに話した、、、「本当にお世話に成りました、、ありがとうございます。。私は流健次郎と言います、、もとは警視庁の警察官ですが、今は脱獄犯で、ある目的のために逃亡中です、、、これ以上、住職さんにご迷惑はかけられませんので、今から逃げます、、、本当にすいませんでした。。」
と、、真実を告げたのであった。
山寺の住職は、、「そうですか、、何か深い事情はあるとは思いましたが、、しかし、あなたをみてると悪人には見えません、、人の世は全て「善悪」では判断はできません、しかし、「死」「生」は別です。死ぬ覚悟ですね、、
人は生まれて、やらなければならないこともあります、、それが「非情」でも、世の中の道理に「矛盾」していても、進まなけらばならない時もあります。」
その言葉を聞いた流警部は少しだけ救われた気がしたんである。
自分がしようとしていることは、人間の道に反しているかも知れない、、しかし、「矛盾」に刃向かっていくのであった。
山寺の住職は更に話してくれた。
「流さん、、それだけの覚悟があるのでしたら、、少しだけ考える時を作ってください、、そして、それでも、やらなければならない「非情」ならば、あなたが「死」を持って償えるならばその「矛盾道」を進んでください」
そして、、言ってくれた。
「こんな山寺でよかったら、少しだけ「座禅」でもして心を鎮てくだい、、もし、あなたに天運があれば、人生の寄り道をしても目的は叶うでしょう、、、」と、、、
流健次郎は体が復調するまで、山寺で世話に成ることにしたのである。
28)別れの日に、、、「最後の仇討」
流警部は山寺「安寧寺」で、体が復調するまでと、一か月近くも世話になった。
安寧寺の住職は「安念」といった。
滞在する間に流健次郎は健康も取り戻し、精神面の回復もしたのであった。しかし、、悩んだ。
自分が見逃した、許した人間たちが、流健次郎の居ないところで、館林警部の子供たちを殺したことに憤りを覚えたのである、、、そして、その行為が許せなかったのであった。
館林警部の子供たちは、一人の警察官同僚と上司の担当警視を許すことが出来ずに、行動に移ったのである。
その結果が失敗して、返り討ちにあってしまった。
そのことを考えると親を愛する子供たちが不憫でならなかったのである。
流健次郎は世の中の規則も何もなかったのであった。二人の無念を晴らしてやろうということで、、わが身の命を投げ打ったのである。
流健次郎はある晴れた朝、安寧寺の住職「安念」に礼を尽くして挨拶をして、旅だった。
「和尚、、お世話に成りました、、どうしても「非情」に生きるような運命ですので、、ありがとうございました、、」と、、、山門をでていったのである。
その後の流健次郎の消息は無かったが、、風の便りで大阪での事件を「安念」は知った。
〇「第三話」男一匹駄目な奴
1)警視庁の駄目な刑事「羽目田長次郎」
警視庁生活安全課の「羽目田長次郎警部補」は何をしてもドジをして、警視庁刑事仲間から、
仲間外れにされていた。
仕事は半人前と言われながら、、、時間が来ると帰宅の支度をして、、規則正しく帰っていった。
そして、遅刻することなく毎日、決まった時間に出所していた。
人間としてはおとなしく、、、何でも几帳面にこなす、何事にも「はい、、」と言って、上司にも逆らわずに、警察署内では便利な男、、だった。
そして、個人的な付き合いは誰もしていないので、、、私生活に関しては分からなかった。
帰宅後のプライペードな付き合いは誰もなく、、、友達関係の話も聞かなかった。
家族もなく、独身なので不思議な男だった。
そして、不思議なことに酒も飲まず、、賭け事をするわけでもなく、、、女遊びをすわけでもなく、、、
まったく不気味な男だった。
しかし、、羽目田長次郎警部補が警視庁生活安全課に着任してからけいさつに、時々、怪事件が起きていた。
それは時々,通り魔殺人事件であった。。。犯人はなかなか検挙出来なかったが、、、被害者はすぐに割り出された、、、それは、
被害者が過去の指名手配中であったり、、現在、捜査中の凶悪犯人だったりしていたからであった。
警視庁殺人課でも捜査課長直々の言い伝えもあったが、、、その捜査は一向に進まなかった。
捜査が進まないばかりが、事件が解決する前に次の通り魔殺人事件が起きているのであった。
警視庁内部でも問題になり、、、「これは警察に対する挑戦だ」と、、言い始めてきた。
警視庁上層部でも騒ぎ始めた。
2)通り魔殺人事件
今回の通り魔殺人事件は、その捜査が進まないで警視庁内部でも問題視していた。
捜査一課だけではということで、都内警察全体に捜査の手を広げていった。
その結果、、、生活安全課にまで、捜査を手伝うようにと指示が出たのであった。
生活安全課の安田課長は、、、
「まったく、、、捜査一課や殺人課は何をしているんだ、、、しみじみ捜査しろってんだ」
と、、、自分たちに回ってきた仕事にいらいらしていた。
「おい、、、羽目田警部補、、、あんた暇だろう、、、通り魔殺人事件の捜査に当たってくれや、、、毎日、報告をしてな」と、、、
生活安全課で暇な羽目田警部補に仕事を振った、、、
羽目田警部補、、、半人前と言われる男に通り魔殺人事件の捜査が振られたのである。
「はい、、、分かりました」と言って、
通り魔事件の捜査本部が開設してある、事務所に出かけていき、、、捜査状況を聞いてきた。
そして、、生活安全課の安田課長に報告してから、、、捜査と称して出かけた。
羽目田警部補は、、、外に出てから、いつもの定食屋「八千代」に出かけ、、、早めの昼食をとった。
「馬鹿野郎ってんだ、、、俺に仕事なんか振りやがって、、、捜査なんかできるかよ、、、」
彼は初めから捜査なんかする気はなかった、
「いくらな、、、捜査なんかしたって、、、犯人は捕まらいよ、、、バカばっかりだものな、、
警視庁のお偉いさんは、、、本当に馬鹿だからな。。。」
と、、羽目田警部補は独り言を吐いていた。
「定食屋八千代」の縄のれんを潜ったら、、、おかみの八千代が、、、「半ちゃん、、、いつものやつだね、、さぼりかね、、、ふっふっか、、、」
と、、、熱燗を一本つけて、出してくれた。。、
いつもの羽目田警部補のお決まりな捜査コースのようだった。
3)羽目田警部補はさぼりや刑事
羽目田警部補は警視庁の業務である、、、生活安全課の仕事はほとんどしたことがなかった。
自分では市中見回りをしていれば「いいと、、」思っていた。
管轄である管内というか、、、丸の内や千代田区内の巡回だけはやっていたので、、、管内での顔だけは広かった。
ただし、、ビル街だけなので、サラリーマンだけが通り過ぎて、街の顔らしき顔は無かった。
東京駅前の一角にある飲食街だけが少しだけ「東京の顔」を覗かせていた。
昼は定食屋が一斉に開いて、、、八重洲付近のサラリーマンが賑わっていた、、、なんの変哲もない飲食街である、、、およそ、殺人事件など起きそうな場所ではなかった。
そんな飲食街の一角にある「八千代食堂」で昼間から、酒を飲んでいた。
誰一人、すれ違っても知らないといった顔で、歩いて、食べて、また、会社に戻って机に座ったいた。
そんな街で「聞き込み」をしても無駄だった、、、誰も知らないと答えるだけだった。
そんな無情な世間の風を知っていた羽目田警部補「ダメ男」は酒を飲んで時間を潰していた。
そんな昼間の街角で事件が起きた
ダメ男の羽目田警部補は慌てた、、、酒を飲んでいたので、、、
事件が起きた現場には人盛りが出来ていた、、、飲食店の客同士が喧嘩になり、一人の男が包丁で刺されて倒れていた。
人だかりはサラリーマンばかりで、右往左往していて、、、誰一人として救急車をよんだり、警察というか近くの交番に知らせることもしないで、、、
「きゃあーー」とか「大変だ、、」とか騒ぐだけだった。
駄目男の羽目田警部補は警察官の端くれだった、、、
救急車の手配と近くの交番に手配をしていた。
自分も生活安全課の刑事なので、、することはした
この昼間の東京駅前の飲食街で起きた殺人事件が後日、大きな事件に発展していった。
その喧嘩相手の殺傷あいほしたと魔殺人事件の犯人は俺だと、、、
4)通り魔殺人事件の偽犯人
羽目田警部補「ダメ男」はびっくりした。
最近騒いでいる通り魔事件の犯人は「俺だ」と言い出した男を見て、、、なんて野郎だと思った。
その男が通り魔殺人の犯人であるわけがないと、、羽目田警部補は知っていたから、、
しかし、「俺が犯人だ」と叫んでいるので、、とりあえずはその男を確保した。
それだけで噂になり、、、「生活安全課の羽目田警部補が、、あのダメな男が通り魔殺人を逮捕したと」となってしまった。
警視庁が躍起なって探している、、、追跡している殺人犯を逮捕したと
いうことになり、、、大騒ぎになつた。
しかし、、実際に逮捕して取り調べをしていくうちに、、通り魔殺人事件の犯人とは違っていた。噂の話はやっぱり噂であって、、、警視庁のダメ男と言われている警察官に、犯人逮捕などが出来るかということになった。
生活安全課の人たちも、事実と違い噂だったので、、、なぜかほっとしたのであった。
「そうか、、、間違いだったか、、、そうだよね、、」
と、、できることが無いとおもっていたので、、、
5)ダメ男のいいところ、、、
警視庁生活安全課の羽目田警部補が「ダメ男」と言われる所以、、、それは、仕事が出来ないが毎日決まった時間に出勤して、部署内の清掃をすることことであった、、、そして、部署内に勤務する人たちに心を気持ちよくすることであり、、、朝のお茶が旨く飲めるために準備してやることであった。
ダメ男には違いないが、、、仕事始めの姿勢を正すためには、、いい刺激剤でもあり、、仲間から「ダメ男」には違いないが、、便利な「心の準備男」でもあったのである。
生活安全課の安田課長などは朝の体操を任せているほどであり、、同課の人たちからは愛せられて人間であった。
仕事は目立った成果は無いが、、、生活安全課にとっては、なんとなく必要な男だったのである、、、羽目田警部自身もそれでいいと思っていた。
警視庁生活安全課においては目立ちたくなかったのである。
ただ、羽目田警部補は警視庁内部または警察が取り扱っている事件情報については、よく熟知していた、、、部内の仲間が管内での事件のことを、それとなく聞くと、、いつも詳しく説明してくれる「物知り」でもあった。、
そして、担当しているわけでもなく、、事件内容を理解して知っていたのである。
時には安田課長など、、は、「本当はとんでもなく利口で馬鹿なふりをしているのではないかと、、」思うことがある。
一つ言えることは、周囲をというか、世の中を警視庁関係の事件を良く勉強していることであった。
特に今回の「通り魔札事件」のことになると、、、細かい事情をゆくしっている。
まるで事件を見てきたようなことをいう時があった。
今回も間違って逮捕してきた男は「通り魔殺人事件の犯人」ではないようなことを言っていたので、、安田課長は不思議だなと思ったことがある。
あおやまそんな風に見た安田課長の目は正しかった。
6)ダメ男酒屋で、、、
いつも行く「八千代食堂」で、、、昼間は定食屋で、、、夜は居になるのである。
その居酒屋で八千代ママとカウンターで好きな日本酒を冷で飲んでいたら、見慣れない男が一人で入ってきて男一匹駄目男の羽目田警部補がつぶやいた、、「へー冷で飲むやつもいるんだ、、、」と、、
カウンターで飲む男に聞こえたかどうsiおうかは知らないが、、軽く会釈をしてきて
にこーって笑った、、、なんとも人なつこい顔だった。
それでダメ男も軽く頭を下げた、
それを見ていた八千代ママが、、、
「二人とも一人なんだから、、、一緒に飲んだら」と言ってくれた。それでなんとなく、二人並んで酒を飲んだ。
無口な酒のみであったが、気が合ったのかぼそりぼそりと話を始めた。
さすがに刑事とは言えなかったのである、、、名前は「羽目田」と言います、、仲間はダメ男と呼んでいますと。。「よろしくお願いします:」と挨拶をしたのである。
この「八千代食堂」にはいつもいますので、、、俺はいつでも相手が出来ますよ、、、酒のみですけどね、、、
ということになり、、、この日を境に一緒に飲むようにな
7)ダメ男、八千代食堂で青山精神科医と飲む時が楽しい、、、
あった
羽目田警部には人と時間を過ごして、、酒を飲みながら過ごすという楽しみがなかった。
いつも一人で「八千代食堂」で冷のコップ酒を飲んでは家に帰るという日課であったのである。
週に一度くらいは飲みに来なかった、
不思議な生き方のような気がしていたのである、、、、八千代食堂の八千代ママに言わせればしみに生きているんだろうと思っていた。無口でカウンターで黙ってコップ酒を5杯飲んだら帰るのだった、、、家に帰っても一人なので、、、何をしているのだろうと。。。
それで青山精神科医が来た時には幾分か顔がほころんでいたのである。八千代ママから見てわかるのであった。来ないとわかるとなんとなく沈みがちで酒が進まないようだった。羽目田警部補には秘密があったのである、、、、
別れた妻の一人娘が会いに来てくれるのだった。
土曜日の晩に、、、泊りがけで食事をするので、、いつも土曜日には早く帰って羽目田警部補は用意をするのだった、、、
羽目田警部補の娘さんは祖母の家で厄介になっていたのである。
羽目田警部補の妻はある事件で殺されてしまったのだった。、、、その事件には羽目田警部補もからんでいたんで、、、それから、警察の仕事には熱がはいらなくなくなり、、、ダメ男になってしまったのである。
しかし、、、娘さにはいい父親であり、、、好かれていた。
娘の名前は「すみれ」といった。
8)ダメ男の本意は。。。。
羽目田警備補はもともとは警視庁の敏腕けいじであり、、将来を期待されていたのである。
しかし、ある事件がきっかけとなり、、、ダメ男になったしまった。
それでも一人娘の「すみれ」には優しく、、素敵な父親だったのである。
土曜日の夜は娘「すみれ」の為に,彼女が好きな、ハンバーグやオムライスを一生懸命に作って、来るのを待っていrのであった。
そして、、、そん挽は楽しく二人ですごすのである。
「お父さん、、お父さんの作るハンバーグかすごくおいしいよ、、、ありがとう」
という娘が愛おしかった。
「お父さん。。。いつまでも私のお父さんでいてね、、、うふっふと」笑うのである。
「当り前だよ、、、お父さんにはお前しかいないからな、、」という親子の会話がいつまでも響いていた、、、ダメ男の羽目田警部補には願っていたのである。
大事な妻のさゆりを失った日のことを思い出すのだった。
羽目田警備補には後悔しても後悔しきれない時間があったのである。
羽目田警部補が犯人を追い詰めたいた時に、、、その場所に、妻のさゆりが来たのであった。本当に偶然であったので、、、彼女を助けることが出来なかった。
追いかけた犯人が妻さゆりのいる方角に走り、、、かちあってしまったのだった。
そして、拳銃を持った犯人の人質になってしまい。。羽目田警部はその場に立ちすくんでしまったのである。
その時に後方から追いかけえ来た警視庁同僚の刑事が、犯人めがけて拳銃を撃ち放った、、、撃った拳銃の銃弾は犯人に命中したが、、、犯人は倒れずに、人質を離さなかった。
そのために犯人は羽目田警部補の妻さゆりを撃ったのであるから、、堪らない、、胸を撃ち抜かれて、その場に倒れた。
羽目田警部補は、、「ああ、、、」叫びながら、夢中で妻さゆりに駆け寄って抱き上げた。
彼は犯人から撃たれるなどという心配はかけらも見せずに、、ただ、妻さゆりを抱きしめたのである。。。打った犯人は同僚の刑事たちに取り押さえられたが、、、妻さゆりは即死状態で息が絶えた。
羽目田警部補は吠えた、、、しかし、同僚の刑事たちを責めることは出来なかったのである。
あくまでも過失であり、、偶然の出来事であり、、、防ぐことが出来なかったからだ。
自分が刑事であったために、大事な妻さゆりを守ることが出来なかったことに、、憤慨したのであった。
刑事という仕事に、自分の
至らなさに悔しさを覚えたのである。。
その事件から、、、妻さゆりの葬儀を済ませて、彼は警視庁殺人課部署から移動を願い、、、現在の生活安全課に配置になった。
羽目田警部補は本当は警察を辞めようとまで思ったんであるが、彼は刑事より何もできない自分を知っていた。
そして、一人娘の為に、まだ、小学5年生「すみれ」の為に生きなくては、妻さゆりにすまないと思い。。給料泥棒をしているのだった。
9)妻さゆりの思い出
羽目田警部補は時々思い出すのであった。夜、寝苦しいときなどはあの時の事件現場が浮かんでくる、、、
そして、いつも後悔そているのだ、、、どうしてあの時にと、、、戻れるものなら戻して欲しい。。。、、、
羽目田警部補とあの事件にいた、、、同僚刑事の黒田警部は出世をして、警視庁刑事課第一係長になっていた。
黒田警部は時間がある時には、生活安全課の羽目田警部補を訪れた。、、、
そして、羽目田警部補を誘い、食事に出かけたのである。
「羽目田、、、二人の時には黒田でいいからな、、、たまには酒でも飲みに行こうや、、、いつもの八千代食堂へは言ってるのか、、、懐かしい」
と、、、語り掛けて。。。。
「いつも反省してるよ、、、、本当にすまなかった、、、謝って済むことではないけどな、、、」
と、、頭を下げて謝った黒田であった。
そして、、「何を今更言うんだよ、、、仕方がない。。。あの場合、、、逆だったら俺だってそうしてたよ、、、もういいから、謝るな」
と、、言ってくれた羽目田警部補に心から黒田は頭を下げた。
今までに何度も、、、会うたびに黒田は頭を下げていたのである。
久しぶりに黒田警部と食事をした後で、、八千代食堂で飲む約束して別れた。
羽目田警部補はいつもすまないと思っていた、、、それは、同僚の刑事である黒田警部に負い目を追わえていることだった。
彼とは警察学校も同期で、、、将来を共に誓っていたむいちど仲間であるから、、、
彼に精神的な負担をかけてしまったことに済まないと反省しているのであった。
そして、、、自分の不甲斐なさに、羽目田警部補は腹が立っていた。
どうして、、、仕事に打ち込めないのかと、、、いつまで,亡き妻さゆりの亡霊に拘っているのかと、、、
きっと、亡き妻は怒っていると思うのである。
「この意気地なし、、しっかりしないか、、、」と怒鳴られそうだ、、、
そう思って、、、思うこともある、。
娘「すみれ」の寝顔見ていると、、、己の不甲斐なさがしみじみするのだった。
10)八千代食堂での事件
羽目田警部補と警視庁刑事課第一係長の黒田警部は先日約束した通りに、八千代食堂であった。
「ご無沙汰しております、今夜は宜しくです、」と、挨拶をしながら、、黒田警部が入ってきた、、、そのあとに羽目田警部補が、ガラス戸を、、、ガラガラと開けながら暖簾をくぐって来たのである。
「あ、、、ごめんごめん、、遅れるかとおもったよ、、、何とかまにあったな」と言いながら、、、いつものカウンター席に着いた。
「いらっしゃい、、、本当に久しぶりだね、、、黒田んは、、偉く成ったら、ご無沙汰だね、、、」
と、、八千代ママが冷やかした、、、
「いやいや、、、そんなことは無いんだよ、野暮用が多くてな」
と話しながら、、二人は冷のコップ酒を飲み始めた。
そんなところへ、最近飲み友達になったばかりの青山精神科医が入ってきたのである。
青山精神科医と羽目田警部補が挨拶をした、、、どちらからともなく「やあ、、」と、、、
そして、羽目田警部補が、く黒田警部を紹介した。
カウンターで一緒でもあり、、同じ冷のコップ酒だったので、、なんとなくきがあったので話もあった。
三人で気分よく、男同士で酒盛りが始まっているとこで,、テーブル席の客が、女客のグループに絡み始めたのである。
羽目田警部補は内心、、「いやな奴らだな、、、楽しく飲めないのか」と思いながら、関わるのが嫌だったので無視していた。
黒田警部も、酒の上でのトラブルでもあり、、、あまり気しないでいたのであるが、、、
青山精神科医はまだ、若かったのか、、、余計な注意をしたのである。本当はいいことなのに、、酔っている人たちにはうるさいことなのだった。
絡んでいる男たちに、
「あんたらいい加減に摺れば、、、嫌がっている人たちにお酒を進めても駄目でしょう」
と、、言ったから堪らない。
「何ーーーお前はなんだ、、、俺たちのことをやめろとか、、、」
「この野郎、、ふざけれな、、俺たちが何をしようと勝手だろう」と言いながら、
体を青山精神科医に寄せてきて、胸蔵を捕まえた。
「何をするんですか、、やめてください」と、その酔っらいを突き放したが、、運悪く酔っぱらっていたので倒れてしまったのである。
勘違いした酔っ払いは、、、
「この野郎、、、俺に喧嘩売るのか、。」、」と言って殴りかかってきたのである、、、そして、一緒にいたほかの3人も酒の勢いで
青山精神科医に襲い掛かったきた。
これはまずいと思い、、羽目田警部補と黒田警部は間に入って止めた。
それで喧嘩は収まった、、、やはり専門の警視庁刑事であると、、、八千代ママは関心してみていた。
つまらない酒の上での喧嘩なので、その酔っぱらった男たちも、黒田警部と羽目田警部補に宥められ、みんなで酒を飲みなおした。
11)羽目田警部補と黒田警部は二人で、、、飲みながら、、
八千代食堂で、喧嘩のあとに刑事二人はみんなが帰った後に話をしたのだった。
「羽目田、、、そろそろじゃないかな、、、いつまでも一人で悩んでいても仕方がない、、刑事に戻れよ」
と、、、黒田は刑事として優秀な羽目田を諭し始めていた。
「まだまだ、、、間に合うよ、、、お前みたいなやつを警視庁では埋もれさせたくない、、もう一度、やってみないか」
そんな誘いをかけられたのである。
今夜の羽目田警部補のトラブルの解決の仕方を見てて、、黒田警部は思った。そして、言ったのである。
「羽目田、、、すもれさんのことも考えろよ、、、子供の成長は早いもの、、今が潮時じゃないかな、、、
いつまでも人生拗ねているなよ、、、」
と、、飲みながら、何度も何度も黒田に説得されたのである。
羽目田は思った、、、こんなに、心配してくれる奴はいないなと、、、
そして、羽目田には悩みが、もうひとつあったのであった。
「わかった、、、考えるよ、、、心配かけてすまない」と、、、その晩は別れた。
家に帰りひとりになって、、、羽目田は考えたのである。
今、抱えている悩みを考えた。
そして、土曜日に娘すみれと食事をした次の日に、、、羽目田はつくば市の実家を訪ねたのである。
前から聴かされ、相談をされていたことを、、、
「兄貴、、、前から言われていたことだけどな、、、子供の問題はむずかしい、、、
俺も人生間違ったけど兄貴の育て方にも間違いがいっぱいあるよ、、、」
と、言い出して羽目田は兄貴の総一郎に話し始めた。
「兄貴よ、、、あんたの長男坊主がいってたよ、、、兄貴は商売が旨くいってる頃には、、何でも金をくれて解決してたって、、、
あれは間違いだったな、、、」
総一郎も反省して過去を回顧した。
「確かに俺は間違ってたよ、、、かみさん不幸と子供不幸をしてたな、、、仕事に夢中になり家に帰ることも少なかった、
本当に仕事にかまけてたよ、、、金は稼いだけど、遊びもした、、、」
「そうだな、、、確かに仕事はしたと思う、、、しかし、家族をほっておいたな、、かまいなさ過ぎたな。。。」
と、羽目田も思った。
そして、75歳の時に病気を発症した、、、兄貴の総一郎は病気など知らずに、毎日、動いていたのであった。
総一郎も言っていた、、、「罰が当たったな、、、家族をほっておいて、、、金を稼げばいいと、、、そして、金を与えればいいと、、
」と考えていたことへの罰だと、、、
病気は酷かった、、、糖尿病から始まり、、パーキンス病と、、、以前に肝硬変、前立腺の手術と行い、、、今では末期の腎臓炎、
肝機能の悪化、、高血圧、心不全とまるで病だらけであった。
兄貴の相談はそんな体になり、、病気より困ったことがあったのである。
12)兄貴総一郎の誤算
兄貴の総一郎はよしとして、、、仕事をやめる5年前にかみさんと子供たちに家を建てて残した。
土地は300坪用意してあったので、3階立ての鉄骨木造つくりを作ったのである。
かみさんが喘息なので1階、2階葉床、壁、天井まで総ヒノキつくりしたのであった、、、3階は子供の希望で内装を変えた、、、総床面積「100坪(3300平方メートル」の豪華な建築を施した。
そのために固定資産税が「年間27万円」となったのである。
兄貴総一郎は商売をやめたが、、、一人商いはするつもりだった。そのくらいの税金は払えると思っていたが、、、体が不自由になり、稼ぎがなくなってしまい、、、年金生活になり、、、生活がやっとになってしまい、、、固定資産税を払うことが出来なくなってしまった。
この5年間は持っていた資産を売りながら食いつないでいたが、、、それも出来なくなり、、、弟の羽目田長次郎に相談してきたのであった。
兄貴総一郎の計算では、長男の息子が3階に住んでくれると思っていたら、嫁さんと二人で出て行ってしまったのである。
それは兄貴総一郎が悪いのであった、、兄貴の商売を手伝い始めた長男を保証人にしての取引で失敗をしてしまったためである、、「法律的には守ったが、、」最終的には「法律的な
判決で財産を持てなくなった」のであった。
本当にすまないことをしたと思っている、、、取り返しがつかなかっのである。
その結果長男から「縁を切られたのであった」、、、
当たり前のことであり、、間違いをしたのは兄貴総一郎であった。
もし、戻るとしたら、兄貴総一郎が死んだときだろうとおもうのであるが、、、、
そして、長女を頼りにしてたが、家を出てアパート暮らしをしている。
土曜日、日曜日祭日には家に帰り、食事の支度をしたり、、、病気の母親を看病しているのであった。
次女は同じ屋敷内の一戸建てにすんでいて、、母親の看病をしながらアルバイトをしている。
そんなわけで、生活をするためには何とかなっているが、、固定資産税を払うことが出来ないでいた、
そこで兄貴の総一郎は考えた、、、時間とくがないのである。
子供たちを説得するには時間がかかるというか、、、結果はみえていた。
羽目田長次郎には、、、兄貴総一郎がいる限りは解決しないと、、、
それではということになったのである。
兄貴総一郎は子供の育て方が完全に間違っていたと長次郎は思うのであった。
三人の子供たちには「5000万円からのマンションをつくば市学園都市に現金で買い求め」、、渡してあった。
しかし、兄貴総一郎の失敗した商売での為に、三つのマンションをうしなったのである、、、
よくよく考えると、兄貴総一郎は騙されたのだった。
それでも、子供たちは文句を言わずに、兄貴総一郎に従ったのである。
羽目田長次郎からすれば、、いい子供たちだと思うのであった。
13)兄弟愛が、、、
そんな訳で兄貴総一郎から、、、長次郎が相談を受けたのであった。
「長次郎、、、頼むや、、俺が死んで、子供たちが戻るまで、、この家を、、実家を守ってくれないか。。。」
と、、、不自由になった体を引きずりながら頼んで来たのである。
この家は広いし、、、部屋もあるので、、、
「長次郎、、、ここに下宿して面倒をみて欲しい。。。頼めるかな。。。
東京の警視庁まで通うのは大変だろうが、、何とか助けて欲しい」
困った兄貴の頼みだった。
自分もいろいろ悩みはあったが、、、娘「すみれ」のこともあり、考えることにした。
そして、、、数日後に返事をしたのである。。
今は独り身だし、、何とかなるかと、、
「兄貴、分かった、、、行くよ」と、、、
羽目田警部補はつくば市から桜田門の警視庁まで通うことにした。
娘すみれも賛成してくれた、、、つくばまで行くことも楽しいと考えていたのであった。」
次の日曜日に引っ越しをしたのである、、、ほとんど身一つであったので
簡単であり、当日は娘すみれも一緒だった。
羽目田警部補にしても生活環境を変えて、出直したいと考えていたんである。。。
彼は思った、、、なにか一つでもいいから、、、人のためにすることが再出発のきっかけになると、、、
そんな気持ちでつくばからの出直しだった。
14)羽目田警部補復帰、、、警視庁刑事として
羽目田、警部補がつくばから通勤することは、生活安全課の署員はみんな知っていた。
朝の彼の顔つきが少しだけ違って見えたのである。
何かやる気が出たような、、、そんな気がした。
正直言って羽目田警部補も今回は仕事をやるぞという気構えを示しており、、、なんとなく行動にメリハリがでていることがわかるのである。
何故か安田課長が心配そうに見ていた、、、「羽目田君、いつものペースでな、、、安全課の仕事を乱さないように頼むよ、、、」と、、、言い足した。
しかし、、、彼はやる気エンジンがかかっていたのである。
昔、張り切っていた頃の、殺人課にいた羽目田警部補に戻ったように動き出した。
「はい、、、分かりました、、今までは少々、手を抜いていましたので、、、その分、頑張らないと」
と、、、何か目が輝きだしたような、、、
そして、、、生活安全課の未解決事件を拾いだしていた。
そのあとで、一人ぶつぶつ言いだしたのである、、、、、
しかし、、多いな、、、高齢者騙しの詐欺事件が、、、携帯電話での募集強盗事件が多すぎるようなきがする。
今までは無視していた事件などを口に出して、独り言を言い出した。
「課長、、、生活安全課の未解決事件が多すぎるようですね、、、解決していかなと、、、」
そして、彼は言ったのである。
「今日から、私を未解決事件を捜査担当にしてください、、、いいですか、、、是非やらせてください」
まるっきり、昔の羽目田警部補に戻ったようだった、、、思ったら、勝手に、突っ走る刑事に、、、事件一遍刀の「猪刑事」になったようだった。
楽しみと言えばよかったが、、、暴走もするので、周りは怖かった。
その話を聞いた刑事課の第一捜査係りのく黒田警部などは喜んだのである。。。
「そうか、、、やっと、やる気になったか楽しみだな、、」と、、、
「警視庁の猪刑事の復活か、、、アハアハハだな」とはしゃいでいた。
15)携帯募集に絡んだ強盗事件が起きた。
朝から生活安全課に電話が入った、刑事課第一係の黒田警部からで、、、羽目田警部補に呼び出しの電話が鳴った。「もしもし、羽目田警部補に刑事課に来るように伝えて」と、、、至急である。
羽目田警部補は生活安全課でも出勤は一番早いので、、刑事課に飛んでいった。
「おはようございます、、、」と、羽目田警部補が刑事課に行くと、、、黒田警部が、、「事件だ、、、手を貸してくれ」と言ってきたのである。無形買うな
「銀座の宝石時計店がやれたよ、、、朝っぱらから強盗だ、、、まったく、ふざけやがって、、、」
「すぐに出動だよ、、、いけるかな、、、」と言われ。
羽目田警部補は「はい、、、いけますよ」と黒田警部と飛び出していったのである。
待機していたパトカーに乗り銀座の襲われた店に急行したのだが、店を襲った強盗達は逃走していた。
携帯電話での高額アルバイト募集の連中による強盗は始末が悪い、、、宝石店や時計店を襲った連中は逃げ足が速く,途中で仲間が待っていて、、盗品をリレーしており、、時たま抑えた時は、強盗をした奴ら
何も持っていないということで、、、まったく、旨く逃げられてしまっている。
強盗事件はバタバタとたたきのようであるが、、、用意周到に計画されているのだった。
そして、捕まえた強盗達は何も知らずに、、、盗品は持ち逃げされている。
この手の事件は、捕まる雑魚ばかりで、計画している真の強盗犯人は捕まらずに逃げているのだった。
雑魚を捕まえた黒田警部たちは、、「また、、やれたな、、、まったく、ずるがしい奴らだ」と、、ボヤくだけだった。
い警察官として悪事を働くやつをみのがせないのである、、、
16)携帯電話で募集の強盗事件、、、
携帯電話で募集し高額アルバイトと称して集めた人員で「強盗、泥棒」してた強奪グループは、、無計画な強盗集団に見えるが、、その実態は用意周到であった。
まず、店舗に押し入る第一陣が暴力的な行為をして、、、宝石や高級時計などの物品を強奪して逃げる、、、表に止めてある車で逃走、、、そして、途中で待ち構えてた仲間に「物品」を渡して、別々に逃げるのであった。
従って、、、最初の強盗集団は捕まっても、、、盗んだ「物品」は持っていない。。。。
途中で受け取った強盗仲間が物品を運んで言うので、、、警察当局の追跡を複雑にしていたのである。
警察が逮捕できるのは、最速で現場に急行しても、、、最初の押し込み連中と、繋ぎの強盗仲間までであった。
「暴力的な強盗」の計画立案者までは、なかなかたどり着かなく、、、最終計画者逮捕までには時間がかかっており、警察もその捜査は思うようにはいかなかったのである。
この携帯電話募集による「集団強盗」を未然に防ぐことは、今の警察力、組織システムでは不可能に近かった。
発生してから、いかに早く、事件現場に急行するかであり、、そして、機敏に行動するかであった。
「集団強盗」を予知して、、、その強盗を防ぐ準備は無く、、早く現場に行き、対応をするしか方法ない。。。
更に「強盗対応方法」を各店舗で準備して、常に注意をしながら、待つより仕方が無いような。。。そして、警察広報で注意をうながし、、巡回捜査をする事だろうと思われた。
また、携帯電話の規制が出来れば、、と、、警察関係は思っている。
17)携帯電話で募集の人質強盗事件、、、
携帯電話で募集し高額アルバイトと称して集めた人員で「強盗、泥棒」してた強奪グループは、、無計画な強盗集団に見えるが、、その実態は用意周到であった。
まず、店舗に押し入る第一陣が暴力的な行為をして、、、宝石や高級時計などの物品を強奪して逃げる、、、表に止めてある車で逃走、、、そして、途中で待ち構えてた仲間に「物品」を渡して、別々に逃げるのであった。
従って、、、最初の強盗集団は捕まっても、、、盗んだ「物品」は持っていない。。。。
途中で受け取った強盗仲間が物品を運んで言うので、、、警察当局の追跡を複雑にしていたのである。
警察が逮捕できるのは、最ける速で現場に急行しても、、、最初の押し込み連中と、繋ぎの強盗仲間までであった。
「暴力的な強盗」の計画立案者までは、なかなかたどり着かなく、、、最終計画者逮捕までには時間がかかっており、警察もその捜査は思うようにはいかなかったのである。
この携帯電話募集による「集団強盗」を未然に防ぐことは、今の警察力、組織システムでは不可能に近かった。
発生してから、いかに早く、事件現場に急行するかであり、、そして、機敏に行動するかであった。
「集団強盗」を予知して、、、その強盗を防ぐ準備は無く、、早く現場に行き、対応をするしか方法ない。。。
更に「強盗対応方法」を各店舗で準備して、常に注意をしながら、待つより仕方が無いような。。。そして、警察広お井田外に待機していた警察官に、、、逃げた強盗犯人と車に待機していた強盗犯人も逮捕出来た。
今回、事件現場委に到着したときには、犯人は暴れて商品ケースを壊したりして、宝石や高級時計を嚢に詰めていた、
そして、羽目田警部補が犯人に向かって、、、
「やめなさい、、、暴れるのを、、」と、呼びかけたら
「ふざけるな、、、強盗してて、止められるか」と、、叫びながら、木刀や刃物を振り回していた。
警察官に拳銃を向けられていたので、、、その覆面をした犯人はそばにいた女子店員をはがいじめにして、人質にとったのである。
其の女子店員の首筋に刃物を立てて、さらに喚き散らした。
「馬鹿野郎、、、俺たちは切羽詰まっているんだよ、、、止められ課、、、」と首筋に立てた刃物の刃を引いたのである。
周りを取り囲んでいた警察官たちも、、、この状態ではとりあえずは手を引こうということになった。
その瞬間である、、、拳銃の音がした、
「バアーン」と、、そして、女子を抑えていた犯人が倒れたのである。
羽目田警部補が拳銃を撃った、、、彼は拳銃の名手であり、犯人との距離が近かったので,犯人の頭を撃ち抜いた二である。
今回の集団強盗事件は後始末が大変だったのである。
世間というものはふざけており、、、犯人を逮捕して、人質を助けたのにやりすぎだ、、、人殺しだ、、
過剰防衛だ、、、」とか騒いで、、、特にマスコミ連中が取り上げるのであった。
まったく、、、悪い人間が庇護される世の中のようだ。
警察内部でも批判されるのだから、、、、
羽目田警部補は呟いた、、、「ふざけるな、、、やってられねえーよ」
一緒にいた黒田警部が慰めてくれた、「気にするな、、、」と、、、
18)羽目田警部補外されて、詐欺事件捜査に。。。
今回の発砲事件がマスコミで取り上げられて、世間でも警察官内でも大げさに騒がれてしまい、、、羽目田警部補に捜査移動指示が出たのである。やっと、張り切って仕事についていた矢先であった。
黒田警部が言ってきた、、、「羽目田、、、辛抱だ、我慢だよ」と、、、
「何が捜査移動だ、、、何が我慢だ、、、ふざけやがって、、、」とぼやいて、早めに引き上げてしまった。
そして、、、八千代食堂に行き、、、「ママ、、、悪いけど、冷酒をくれよ、、、」と言って、飲まない昼酒を飲んだ。
ひとつも旨くなかったけど,たて続きに飲んだ。
早めに来た、、青山精神科医と合流して、、、酒を飲んだのである。
青山精神科医だけはある、、、いつもと違う羽目田警部補を静かに飲ませていた。
いつのころから羽目警部補が警視庁刑事とバレての付き合いであるから、、何かあったなと思ったのである。
さすがに精神科医だけはあった。
羽目田警部補も警察官だけは有り、警察官としての誇りは持ったいたので、愚痴はこぼさなかったのである。
八千代食堂のママも、慣れたもので、黙って作っえいた摘まみを二人の前に出していた、
今夜は筑前煮を出してくれたが美味しかった、彼女は九州福岡の生まれだったので煮物が得意だった、、、そして、珍しいところでは「つくしんぼ」の佃煮を作ってくれたのである。
黙って用意してくれる彼女のやさしが嬉しかった。
その晩は二人とも黙って酒を飲み、帰っていったのである。
「おやすみ」の一言を残して、、、、
19)気を取り直して、、、
羽目田警部補は前日、少々、飲みすぎた感があったが、気分はすっきりしていた。
八千代食堂のママが作ってくれた「つくしんぼ」の佃煮が、幌似にがく残ったいた。
いつも思って感謝しているのだ、、、八千代ママのやさしさが、、、
口には出して言えないが、、「ありがとう、、」と。
今朝はすっきりした気分で、筑波下ろしの冷たい風もさわやかだった。警視庁生活安全課に出勤しても、新たな仕事「詐欺事件」に向き合えるとおもったのである。
世の中には仕事がなく、、何をしていいかわからずに、、、携帯電話の募集事件に陥ってしまう人たちがいることを思うと、毎日、仕事があることに喜びに感謝しないと、、、
そう思うのであった。
ましてや、、人の幸せを願って、人々の安全を守ることの仕事に従事していることに。。。
「ありがとう、、、」の気持ちだ。
与えられた仕事に文句をいったり、、不平を言ったりしたら、、、罰が当たるよ、、と言われるような。
羽目田警部補は考えた、、、仕事のできう喜びを、、、
自分の身内にもいる兄貴の存在、、、働きたくても働けない、、動きたくても動けない、、、思ってみても思うようにならない、人間関係が。
そんな環境よりは自分は恵まれているのだから、、、愚痴を言わず、動いて、働かないと、、、自分のためにも、人のためにも、世の中のためにも、、
何かをしないとと思うのである。
警視庁生活安全課の仕事、、、自分がやるべきことを見つけて、成し遂げなければ、、、
そんなことを思う自分であった。
20)公僕として、、、
羽目田警部補は最近自分を見つめ直すことが多かった。
普段は忘れている「公僕」としての自分を、、、余りにも人間的になってきているのでは」、、すなわち、利己的な自分主義になってきているような気がするのである。
警察官でありながら、自我を通しすぎるような、まずは公の立場から、物を、物事を観察しないといけないのではないのか、、、
どうも、警察官として現場に立つと、自分勝手な判断をして、、、「それが正しい」と思いこみ、他人の判断に異を唱えるような。
もっともっと、人の意見を聞かなけれと思うのであった。
更に言えば、、、自分が一番正しいという考えも、わきに置く余裕が欲しいものだ、、、
上からの意見は、何か「文句、、苦情」と取りがちであり、人間としては「冷静になり、、話は聞くもの」が大事なことであると。。。
今回の羽目田警部補の言動はお粗末だった気がする。
警視庁内部では、羽目田警部補の行動が間違っているとは誰も言ってはいなかった。中には勇気ある判断だとおもっている上層部の人間もいるのであった。そのために「罰」はなかったのである。
21)暴露、、、
羽目田警部補はとんでの無い話を聞いたのであった。
黒田警部と犯人逮捕の時に、羽目田警部補の妻さゆりが間違って撃たれて、亡くなった事件であるが、、、噂ではあるが、当時出世争いをしていた黒田警部が撃ったといわれている、
当時、二人はどちらが先に出世するかと言われるほど,犯人逮捕歴が凄かったほど、、やり手刑事だった。
そして、「警部候補」の話が出ていたのだった。
確かに今になって考えてみれば不自然なところがある。黒田警部も羽目田警部補と同じくらい拳銃の名手であった。
警察内での射撃大会で優勝を競っていたのである。
よくよく考えてみれば可笑しい、、不思議であるのだった。
あの近距離で的を間違えることは無いはずだと、、、
羽目田警備補は噂を聞いてから、考えた、、、あの時の場面を思い出した。
「そうか、、、そうだったのか、、、」と臍をかんだ。
「俺はお人好しか、、、同僚と思い、、、同じ警察学校の同期と考えて、、、バカだったかも知れない」と、、、
羽目田警部補は何度も何度も、、思い出していた。
しかし、今となっては確かめるすべがない、、、まさか本人に確めることもできない。
そういえば、この前の集団強盗の時も不自然さが残った、、、羽目田警部補よりも黒田警部の方が強盗犯人を銃撃するには、なんともいい場所だったのである。今さらに、そんな馬鹿な話は出来ないが、、、
羽目田警部補の立つ位置が悪かったはずである、、、それをあえて自分に撃たせたのであった。
やっぱり、おかしい。。。羽目田警部補は悩んだ。
人には相談できずに、、、噂を聞いてから、ずっと悩んだのである。
これが事実だとすれば「殺人」ではないか、、、「立派な人殺し」ではないか、、、
「許せない、、、絶対に許せない。。」と、叫びたかった。
そして、の噂を聞いた次の日に羽目田警部補は生活安全課を無断で休んで、妻さゆりの墓参りに来たのであった。
彼は妻さゆりの墓前で、冥福を祈り、、涙を流した。
この事実を確認するために、、あの時の事件簿控を何度も何度も読み直したのである。
そして、、あの時のことを知っている警察官にきいてあるいた。現場にもなんども行き、再確認をしたのだった。
確かに、妻さゆりは撃たれたのだと、間違いでは無く、故意に撃たれたと確信を持った。
羽目田警部補は今までの黒田警部の自分に対する接し方に異常をかんじたのである。
一人で考えた、、、妻さゆりが愛しい、、、そんな妻を撃ち殺しておいて、平然と墓前に手を合わせた黒田警部を許せなかった。
羽目田警部補は誓ったのである、、、
「さゆり、、、ごめんな、、、何も気が付かずに許してくれ、、」
と、、、そして、復讐をすることを。。。
22)羽目田警部補は変わった。
自分自身が変わっただけで、、他人からはわかなかった。
仲間同士の話でも、、、黒田警部の名前が出るだけで、聞き耳を立てていた。
どんな話でも漏らさまいとしていたのである。
確かな証拠が欲しく、確証が欲しかっの、であった、、、復讐をするのであり、人一人を殺すのであるから、、間違いは許されなかった。
今までのような「ダメな奴」ではだめなのだと、、、自分に言い聞かせた。
羽目田警部補は今までのようには黒田警部を見られなくなったのである。
本当は挨拶もしたくなかった。
「おはよう、、、」と、いわれても、、そっぽを向きたかったのである。
「この野郎、、、今に、、見てろ、」と、思うだけだった。
羽目田警部補は腹の中でいつも黒田警部をねらっていたのである。
機会あるごとに犯人逮捕の時には、現場についていった。
殺しも正当防衛か、誤射での殺しにしたかったのである。
同じような殺し方をして、、「どうだ、、悔しいだろう、、ざまーみたことか」と、叫びたかった。
そして、、、愛おしい妻さゆりに手向けたかったにである。
時間はかかるが、必ずやってやると思う毎日であった。
23)居酒屋八千代食堂で青山精神科医と飲む
羽目田警部補はなんとなく冷酒が飲みたくなって、、、八千代食堂へやってきた。
「ちょっと,間が空いたな、、、野暮用が多くて、、、ママの筑前煮と漬物が恋しくなったよ、、あはあはあは、、、」
あまり元気のない言葉と笑いが出た。
「どうしたの、、、元気がないね、、、どこかわるいのかしら、、大丈夫」と、、、
言いながら冷酒が出てきたのであった。
いつものカウンター席で、八千代ママの作ってくれた「筑前煮」と「ぬかみそ臭い漬物」を食べながら飲んでいたのである。
そこへ、ガラガラと音がする引きながら、、、青山精神科医がいつもの下駄ばきで入ってきた。
「いいねえー、、先生の下駄の音は、、カランカランと昔を思い出すよ、、」
と、、羽目田警部補が懐かしんでいた。
昔は履物は下駄だった、、、そして、冬は半纏を着ていたな、、と、田舎育ちの羽目田警部補はしみじみと語りながら、
少々、昔話をはじめたのである。
「なんか今はせせこましいよ、、、のんびり行きたいな、、」と、昔話をやめた。
羽目田警部じゅあ補は青山精神科医に訪ねた、、、、
「先生は人を恨んだことはあるかね、、、」と、尋ねるというより、教ええ欲しいときいたのである。
「それはあるよ、、、私も人の子だからね、、、何度もあるな」と、答えてくれた。
「そんな時に、先生は相手の人間を恨みますか、、、どうします」と羽目田警部補は聞いたのだった。
青山精神科医は、、、「それは私も神様仏様ではないので、、恨みますよ、、人は誰しも同じだと思いますね、、、それは仕方のないことです。」
そんな風に答えてくれたのである。
青山精神科医は言ってくれた、、、「人は万能じゃあない、、、間違いも起こすし、、、人に恨みを残すようなこともしてしまう。だから、お互いに許しあう心が必要なんだな、、」と、、、
羽目田警部補は分かる気持ちもあったが、、、自分に降りかかった恨みを払いのける力量はなか
青山精神科医の話を聞きながら、コップ酒を飲んでいた。
八千代ママが羽目田警部補の心を察して、、「はめちゃん、、今夜は寒いから、、鍋でもつくるか、、」と言って、
珍しく入った「猪の肉」を用意したのである。
熱く煮えだった「猪鍋」は旨かった。「猪刑事」と言われてきた羽目田警部補には八千代ママの思いやりが、たまらく嬉しかった、、、悩みがある羽目田警部補には優しい気づかいであり、冷酒が目に染みたのである。
「やっぱり、、、いいなあ、、ここは、、、泣けて来やがるよ」と、、、、
24)娘「すみれ」と食事会を、、、
羽目田警部補はつくばに引っ越してからも、娘「すみれ」と毎週土曜日とはいかないが、、月に2,3回はあって、つくばで食事を作り共に過ごしていた。
その食事会には長次郎の兄貴も参加して楽しく笑いの時を過ごしたのである。
兄貴の総一郎も一緒に楽しんでくれた。
そして,その夜は広い屋敷で、娘「すみれ」もやすんでくれたのである、、
「お父さん、、、思い出させてごめんね、、、あ母さんも一緒だったらいという娘を不憫だと思ったのであった。
娘「すみれ」が寝た後に、、、久しぶりに兄貴の総一郎と遅くまで話をしていた、、、「長次郎、、、子供を育てるのは難しいな、、、つくづく思うよ」
「お前の娘すみれはいい子に育ったよ、、、本当によく育ったな」
と言いながら
自分の子供たちの育て方は違ったような気がする、、、反省ばかりだよと、
本当に後悔して、はんせいしていたのである。
それでも最近は次女がよくやっくれていると思っていた。
東京の職業訓練所に、朝の4時に起きて通い始めているのであった。
資格を取って、頑張るといっているので、、、是非頑張って欲しい。
長女も休みごとに食事を作りにきてくれている、、、出来れば,希望であるが、家に戻って住んで欲しいと思うのであった。
そんな四方山話を、年老いた兄弟がしていたのである。
夜も更けたので、どちらからともなく、、、「おやすみ」を言って寝てしまった。
25)さゆりの恨みをこれでもかと、、、
つくば駅から学園都市縁で秋葉原まで、娘「すみれ」と一緒だった。
窓の外は冬景色で雪が降っていたのである。
娘「すみれ」には初めての経験かも知れない。雪を見ながらはしゃいでいた娘が愛おしく、、、妻さゆリが懐かしかった。
秋葉原駅からそれぞれに電車を乗り換えて、娘「すみれ」は学校に、、、羽目田警部補は桜田門の警視庁にと別れて行った。
羽目田警部補は兄貴の総一郎にもはなさなかった、、、妻さゆりが警察官の誤射で殺されたことを、、、ましてや娘「すみれ」にも、母親が撃ち殺されたことを話せなかったのであ
妻さゆりが殺されたことは自分の心にしまっておこうときめたので、、、
生活安全課に出勤したら、、安田課長が話しかけてきた。
「羽目田、、、刑事課の黒田警部が来てくれと言ってきてるから、、、行ってくれ」
「はい、、、分かりました」と、、刑事課へ向かった。
「来たか、、、羽目田君、、、詐欺軍団のアジトに奇襲するから手伝って欲しい、、、宜しく頼むよ、、、それから拳銃を携帯するように。。」
と言われて準備をしたのである。
襲撃する詐欺軍団のビルは三階立てであり、、、入り口が表と裏の二か所であった。
裏口から侵入した羽目田警部補たちは一階のヤクザたちを制圧し、二階の事務所入り口まで攻めこんでいた。そして、、、羽目田警部補は倒してやくざの一人から拳銃を奪い、自分の懐に隠したのでのである。
立てこもるヤクザたちを表と裏から挟み撃ちにしての攻防だった。
ヤクザたちを裏口から攻めて行くと、、反対側に黒田警部たちが攻めてきたのである。そして、、、羽目田警部補は今がチャンスだと、、、ヤクザたちを撃つふりをして、、、黒田警部を狙った、、
「さゆり、、、見てろよ、、今こそお前の恨みを晴らしてやるからと、、」
黒田警部を狙い銃弾を放った、、、銃はやくざから奪ったものを使って、、、
羽目田警部補は警察きっての拳銃の名手であったので、、、放った銃弾は命中したにである、、、黒田警部の額に、、、即死状態で倒れた。
26)さゆりの墓前に報告
詐欺軍団のアジト襲撃では警察側にも被害が出たのである。
刑事課の黒田警部他2名の殉職者がでた、、、羽目田警部補の思った通りになった、、、
筋書きは狙い通りである。
羽目田警部補は思った、、「死人に口なし」だった。
復讐は出来たが、、、後に残ったものは「虚しさ」だけだった。
何かをやり遂げた、達成感は微塵も感じなかったのである。
復讐とはこんなに味気ない、空虚感だけなのか、、、羽目田警部補は力抜けしてしまった。
妻さゆりの墓前に報告に行ったが、、、なぜか涙が零れてしまったのである。
「さゆり、、、これでいいのかな、、、お前の仇は取ったが、、、なぜか空しいよ、」と、、墓前でつぶやいた。
明日からの生活はどうすればいいのかな、、、と、不安だったのである。
何か目的がなくなり、、何のために生きてくのかがわからないような気がするのだった。
「しっかりしろ、、、まだまだだよ、、、俺にはやることがあるんだった」
と、、、自分に言い聞かせたのである。
警視庁特別捜査班の刑事サスペンス物語。
やり手の刑事が悪徳政治家に嵌められ、初めは法的な勝利をしたが、政治力圧力により、逮捕されて留置所暮らしをさせられる。最終的には嵌められた刑事が報復をする。
やり過ぎ敏腕刑事が恨みを買い、、自宅で襲われて片目と片腕を失う。その後,犯人探しをして、探し当てたら、悪徳政治家と買収された警察幹部であった、その仇を討つが追われる身となるサスペンス物語。
そして、警視庁仲間からは駄目な奴と言われながらも、、とぼけて殺された妻の犯人を捜して仇を討つ、社会派ドラマ