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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー&奇妙な物語

誰もいない旅館~次々と客たちが消失していくミステリー~

作者: たこす

申し訳ございません、リアルが忙しくて感想欄閉じております。

本当にすいません。

 ガタン、という音で目が覚めた。


 気が付けば隣の座席に置いていた旅行バッグが通路側に倒れている。

 僕は慌てて上半身を乗り出し、旅行バッグを拾い上げた。


「どうも、すみません」


 通路を挟んだ向こう側の席に座っていた老夫婦がニコヤカに会釈した。

 とうに定年を過ぎたであろう熟年カップルの優しげな顔にホッとする。今度は倒れないように持ち手の部分をしっかり握って顔だけを窓に向けた。

 窓の外からは、雄大な富士山の情景が見える。日本が世界に誇るビッグマウンテン。季節は初夏にも関わらず、その頂はまだ白い。


「ほう」とため息をついて、顔を前に向けた。

 僕は今、シャトルバスに乗っている。

 衣笠きぬがさ渓谷を抜け、いくつものカーブを越えながら長い長い登り坂を登って行く。


 運転手さんは慣れているのか、軽快にバスを走らせていた。この調子でいけば、すぐに目的地のみすず旅館にたどり着きそうだ。


 みすず旅館は、知る人ぞ知る温泉旅館である。

 本来は秘湯の部類であったが、地元の有力代議士が資金繰りをしたおかげで旅館が建ち、秘湯ツアーとして密かなブームを集めている。

 “秘湯”というエキゾチックな雰囲気を保つため、マイカー規制が入りシャトルバスでしかいけない場所にあるのも人気の一つのようだ。


 温泉好きの僕にとっては、是非とも行ってみたい場所のひとつだった。


 とはいえ、深夜バイトあけのこの身体にはシャトルバスのガタゴトと大きく揺れる乗り心地は最悪である。

 酔い止めの薬をあらかじめ飲んでおいて正解だった。おかげで、猛烈な睡魔に襲われていたわけだが。



 乗客は、僕を含めて8人だった。


 通路を挟んで隣側に老夫婦が2人。

 前の方の席に大学生らしき女の子が3人。一人は背もたれをつかみながら後ろの座席の子たちと談笑している。

 そして、そこから少し斜め前にラフな格好をした中年の男と20代くらいの若い男。関係性がまるで見えないが、仕事上の付き合いか何かのようだ。若いほうは、ぺこぺこと中年の男に頭を下げている。


 ただでさえ小さなマイクロバスだが、平日ということもあってか、空席が目立つ。

 それはそれでよかった。

 こんな狭い空間に人がぎっしり押し込められていたら、息がつまりそうだ。


 初夏のさわやかな日差しが窓に差し込む。

 バスはいくつものカーブを通り抜けながら、ひたすら登りつづけて行った。


     ※


 バスが目的地に着いた頃、僕の眠気はすっかり飛んでいた。

 最寄りの駅から30分。

 多少なりとも睡眠をとったためか、身体が少し軽い。

 プシューとドアが開くと、女の子たちがわいのわいのと騒ぎながら降りて行った。

 続いて、中年の男と若い男。

 僕も降りようかと立ち上がった時、老夫婦とタイミングが合ってしまった。


「どうぞ」と言おうとしたが、老婦人のほうが早かった。


「お先にどうぞ」


 そう言ってニッコリ微笑む。

 これは拒否するほうが失礼だと思い、僕は「ありがとうございます」と頭を下げて先に降りた。

 同時に運転手さんにも礼を述べる。

 サングラスをかけた年配の男性だった。彼は運転席から愛想よく手を振って送り出してくれた。


 バスの外はすがすがしい空気だった。

 高地、ということもあるのかもしれない。

 抑圧されたバスの車内から一気に解放された僕は、とりあえず大きく深呼吸した。

 新緑のにおいが鼻につく。

 と、同時に都会では味わえないなんともいえない解放感が僕の心を刺激した。


 僕のあとに降りた老夫婦が、記念撮影とばかりにふもとの景色をデジタルカメラにおさめはじめた。

 山奥、というわりにはきれいに整備されていて、邪魔な木々は切り払われ、雄大な富士山とともに真下に広がる町並みを映し出している。

 老夫婦は、カメラの撮影モードを合わせながら絶妙な撮影ポイントを探っていた。

 もしかしたら、今ではお年寄りのほうがカメラの扱いが上手いのかもしれない。

 そんなことを思いながら、僕はみすず旅館へと入って行った。


 みすず旅館は、建てられてから10年も経たない新しい旅館ではあるが、その雰囲気は老舗旅館を彷彿とさせるものだった。

 黒い屋根瓦を敷き詰め、太い大きなヒノキの柱を組み合わせた、神社のような建物。

 扉は自動扉で、高齢者にも優しいバリアフリーの玄関。

 ロビーには大きな樹木がそのまま植えられており、まるでその樹を中心に建物が建てられたかのようだ。

 大きなソファーとガラステーブルがそのまわりに置かれていて、見た目からして好印象だった。


 バリアフリーの玄関の先、石床からフローリングへと変わる境目には、スリッパが置かれている。僕はスリッパを履いて靴をロッカーに入れると、フロントへまわった。

 しかし、フロントには誰もいなかった。

 カウンター前には先に降りた3人組の女の子たちと2人の男がいる。


 彼女たちは、フロントの奥に声をかけながら顔を見合わせていた。


「あのー、すいませーん!」


 はっきりと大きな声で叫びながらカウンターに身を乗り出している。

 しかし、奥からは誰も出てこない。


「なんで誰もいないの?」

「ちょっとー、誰かー。いませんかー」


 女の子の声が無情にも響き渡る。

 もしかしたら、予定時間よりも早く着きすぎてしまったのかもしれない。

 僕はそう思った。

 バスはスピードがかなり出ていた。

 速度制限を大幅にオーバーしていた感すらある。

 とはいえ、そんなことは僕らには関係ないことで、客を待たせる不手際に女の子たちは次第に嫌悪感をあらわにしていった。


「シカトかよ」


 そう言って、あきらめたかのように荷物を床に置く。


「とりあえず誰か来るまで待ちましょうか?」


 若い男が中年の男の顔色をうかがいながら尋ねた。


「そうだな。仕方あるまい」


 中年の男はそう言うと、ソファーに座りガラステーブルの上に置かれた雑誌に手を伸ばした。

 若い男もホッと胸をなでおろしながらそれにならう。


 僕は手持無沙汰になりながら、壁掛け時計を眺めつつ、従業員が来るのを待つことにした。


     ※


 どれくらい待っただろう。

 みすず旅館の従業員は誰ひとりやってこない。

 しびれを切らした女の子たちが荷物を持ち上げる。

「もういい、行こ行こ」と言いながらさっさと奥へと行ってしまった。

 勝手に温泉に入る気である。

 さすがにそれはマズイだろう、とは思ったが口には出さなかった。

 いけないのは、ここの旅館だ。

 文句を言われる筋合いはない。


 僕も、早く温泉には入りたかったが、やはり従業員が出て来るまで待つことにした。


 それよりも、と少し違和感を覚える。

 僕のあとに降りて記念撮影をしていた老夫婦がやってこない。

 それほど夢中にシャッターを切っているのだろうか。


 漠然とした不安を抱えながら、玄関の窓に目をやる。

 僕らを送り届けてくれたマイクロバスがまだ停まっていた。エンジンがかかったままのようだ。


 そうだ、従業員がいないならあの運転手さんに聞こう。


 そう思って、僕はスリッパを脱ぎ捨てると靴を履き、外に出た。

 いそいそとバスに向かう。

 辺りは、異様な静けさだった。バスのエンジン音だけが響き渡っている。


「あの、すいません」


 開け放たれたドアから声をかけると、運転席には誰もいなかった。

 おかしいな、と思いながらバスの周囲をぐるりとまわる。

 やっぱり、どこにもいない。


 トイレにでも行ってしまったのだろうか。

 仕方なく老夫婦を探すことにした。

 富士山の見える高台に立って夢中にシャッターを切っていた2人。

 しかし、老夫婦の姿はどこにもなかった。


 他に遊歩道のような道はない。

 高台で写真だけ撮れば、他には何もないように見える。

 いったい、どこへ行ってしまったんだろう。



 僕は、急激に心臓が高鳴るのを感じた。



 何か、おかしい。

 慌てて旅館の中へと戻ると、ロビーには2人の男が雑誌をパラパラと眺めているだけで、やはり従業員の姿はどこにもない。


「あ、あの……」


 僕は思い切って若いほうの男に声をかけた。


「ん?」

 といった顔で、ソファに座りながら僕を見上げる。


「あの、僕のあとに降りたおじいさんとおばあさんが、いないんですけど」


 男は、きょとん、という顔をした。

 それはそうなるだろう、と僕は思った。

 自分だって、何が言いたいのかよくわからない。


「バスの運転手さんもいなくて……、エンジンはかかってるんですけど、姿が消えてて……。おじいさんとおばあさんがどこに行ったか、知りませんか?」


 支離滅裂なことを口走っているのはわかっている。

 しかし、何かがおかしい。

 僕はこの現状に異常事態を感じていたのだ。


「おじいさんとおばあさん? いや、見てないけど……」


 その時、勝手に奥へと行ってしまった3人組の女の子たちが青ざめた顔で戻ってきた。


「あ、あの……」


 彼女たちはひどく怯えているようだった。

 その姿に、僕の緊張感も高まる。


「どうしたんだい!?」


 そのただならない雰囲気に、若い男は立ち上がった。

 中年の男は雑誌をテーブルに置いて注視するだけだ。


「あの、なんて言えばいいか……。誰もいないんです」


 女の子の一人がそう言った。


「誰もいない?」


 若い男が訝しげな眼を向ける。


「人がいる気配はするんです。でも、誰もいないんです」


 オカルトじみた言葉に、中年の男が「ふん」と鼻で笑う。

 しかし、僕は笑う気にはなれなかった。

 現に、さっきも僕はシャトルバスにおいてそれを感じたのだ。

 エンジンがかかりっぱなしのバス。しかし、運転手がいない。


「先生、ちょっと見てきます」


 若い男が中年の男に頭を下げると、女の子たちに付き従って奥へと進んで行った。

 強烈な違和感を感じていた僕もあとに続く。


 赤い絨毯が敷き詰められた広い通路を大浴場の看板に従ってひたすら突き進んでいく。

 かなり大きな旅館のようだが、いっこうに従業員の姿が見えない。僕の心臓は高鳴りっぱなしだった。


 と、目の前に大浴場の看板が見えてきた。

 男湯の青いのれんと女湯の赤いのれんとに区切られている。

 そこまで来ると、女の子の一人が言った。


「さっき、女湯に入ったんですけど、誰かがいる形跡はあるのに、誰もいないんです。そっちの方も見てもらえませんか?」


 震える声で泣きそうな顔になっている。

 若い男と僕は、その声に促されるように男湯ののれんをくぐった。


 中は、広々とした脱衣所だった。

 ところどころ、ロッカーが開いている。

 巨大な扇風機が大きな音を立てて首を回していた。


 僕は、すぐにその違和感に気付いた。



 誰もいない。



 いないだけならまだしも、すべてが中途半端である。

 洗面台には、使いかけのドライヤーが音を立てて放置され、床には飲みかけの牛乳がビンごと落ちている。開け放たれたロッカーには、他の客のものであろう下着類が引っ張り出された直後のように引き出され、床にぶちまけられていた。

 自動販売機には、硬貨が入れられたばかりのようで、購入のランプが点灯したままである。


 明らかに、おかしい。


 僕は浴場に入る扉を開けると、中を見渡した。

 シャワーホースがいくつも散乱して、勢いよくお湯を噴き出させている。

 洗面器には泡立ったお湯がたまっており、今まさに誰かがそこで身体を洗っていたかのような状態だった。

 サラサラとお湯が流れ続ける浴槽には、いくつものタオルが浮かんでいる。


 まるで、そこにいた人たちがいっせいに消えてしまったかのような光景だった。


「これは……」


 男が目を見張っている。

 僕もきっと同じ顔をしているだろう。

 この目で見ても、信じられない。


 急いで浴場から出て、すぐに女の子たちのもとへと戻った。


「誰もいない」


 男の言葉に、さらに女の子たちの顔が青ざめる。

 いったい、どうなっているのか。


 僕らは、とりあえずロビーへと戻ることにした。


 今まであまり気にしてはいなかったけど、帰り道の通路でも、その違和感は健在だった。

 あまりに静かすぎる。

 無音。

 その言葉がまさにぴったりであった。


 ロビーに戻ると、ソファに座っていたはずの中年の男がいなくなっていた。


「先生?」


 若い男が声をかける。

 ソファの下には、中年の男が読んでいた雑誌が落ちている。


「先生、うつの先生!?」


 その名前で、ピンときた。

 中年の男性は、どうやら作家さんらしい。

 うつのけいご。

 ミステリー作家で、名前は聞いたことがある。

 取材か何かで訪れたということか。


 それはともかく、その中年の男の姿が消えたことにより、僕らはいよいよ恐慌状態に陥った。


「いやあああ!! なによこれ、どうなってるの!?」


 女の子の一人が叫ぶ。

 慌てて別の子がその子の肩をしっかりとつかんで抱き寄せる。


「とりあえず、警察に……」


 若い男がそう言ってロビーに置いてある電話に手を伸ばした。

 その瞬間、壁掛け時計の鐘がゴーンと鳴った。


 びくり、としてそちらを向く。

 午後3時。

 時計の針はその時刻を示していた。


 ホッと胸をなで下ろしたのもつかの間。

 振り返ると、男の姿が消えていた。


 さっきまで、電話に手を伸ばそうとしていたはずなのに。


 いや、実際受話器が外れている。


 

 その瞬間、女の子たちがパニックを起こした。


「きゃあああぁぁ!!!!」

「なによ、なんなのよ、もう!!!!」


 僕にはどうすることもできない。

 とりあえず、警察を呼ぼう。


 慌てて受話器を手に取ると、急いで110番をかける。


 すぐに、相手が出た。


「はい110番です」

「あ、あの、みすず旅館に泊まっている者ですが」


 声が上ずってうまく話せない。


「もしもし?」


 電話口の相手が聞いてくる。


「至急、来てもらえませんか!? 人がいなくなっているんです!!」


 他にいい言い回しが思いつかない。

 いや、逆にパニックになっていると気づいて、すぐに来てもらえるだろう。

 そう思った矢先、電話口の相手が言った。


「もしもし? よく聞き取れないのですが」

「みすず旅館で、人が消えてるんです!!」

「もしもし? 全然聞こえないんですけど。事件ですか!?」


 僕は愕然とした。

 こっちの声が、まるで通じない。

 電話口で声を荒げる警察官の言葉を耳に、僕はゆっくりと受話器をおろした。


 その直後、違和感を感じた。

 さっきまでの騒がしい声がまるで聞こえない。

 ふと振り向くと、女の子たちが3人とも消えていた。


 予兆も何もなかった。

 突然、いなくなっている。


「ひ……」


 僕はすぐさまスリッパを脱ぎ捨てると、みすず旅館を飛び出した。

 玄関先にはいまだバスが停まっている。


 そのバスを通り過ぎると、僕は全速力で道を下った。


 帰らなきゃ。

 ここは危険だ。


 よくわからないが、ここにいてはダメだと思った。


 いくつもカーブを曲がり、ひたすら坂道を下る。

 ふと、目の先に黒い煙が見えた。

 大きな急カーブ。

 ガードレールはなく、その下は急な斜面となっている。

 その斜面の下から、煙が上がっているようだ。

 僕は息を切らしながら、その急カーブから斜面を見下ろした。


 黒いタイヤ痕の先に、バスが転落している。


 どこかで見たバスだ。


「あれって……」


 そうだ。僕が乗っていたシャトルバスだ。

 なぜ、こんなところに。

 しかも、横転している。


 僕は、恐る恐る斜面を下っていき、バスを覗き込んだ。


 そこで、目にしたものは、想像を絶する凄惨な光景だった。

 至る所に真っ赤な血が飛び散っている。


 その血の海の中に、見知った顔がたくさんあった。


 写真撮影をしていた老夫婦、愛想よく送り出した運転手、突然消えた中年の男と若い男、そして3人組の女の子たち。


 そのどれもが、生気のない顔をしている。

 一目で、死んでいるとわかった。


 これは、いったいどういうことだ。


 斜面を見上げると、その激しさは凄まじかったらしく斜面の草がむしりとられ、下の土がむき出しになっている。

 どうやら、カーブに曲がりきれなくて、ここに落ちたらしい。



 と、いうことは……。



 僕は、考えたくもない想像をしてしまった。

 きっと、青びょうたんのように真っ青な顔をしているだろう。

 ゆっくりとバスの車内に目を向けると。



 僕の姿があった。



 頭から血を流しながら、ぐったりとしている。



「ウソだろ、そんな……」



 僕はここにいる。しかし、もう一人の僕は頭から血を流している。

 よく見ると、かすかに胸が上下していた。

 まだ生きているようだ。


 そこで、ようやく僕は合点がいった。


 次々と消えてしまった人たち、それは死んでしまったことを意味している。

 ここは、きっとあの世とこの世の狭間なのだ。

 生き返ればもとの世界に。

 死んでしまえば、消えてあの世へと送られる。


 そうだ、そうに違いない。


 僕は、祈る想いで自分の姿を見つめ続けた。


 このまま死んでしまえば、きっと僕もここから消え去ってしまうに違いない。

 その先は、どこへ向かうのかわからない。


「誰か、誰か助けてください──」


 僕は無我夢中で祈った。

 誰でもいい、助けてくれ。僕はまだ死にたくない。


 その時、はるか遠くの方から救急車のサイレンが聞こえてくるのを感じた。

 それは、僕の命を救う救世主のごとき音であった。


「おおい! ここだ、ここだ!」


 僕は大きく手を振る。

 音しか聞こえないが、確かにこちらに近づきつつあった。


 助かるかもしれない。

 そんな淡い期待を抱きつつ、僕は目の前の僕を祈るように見つめた。

 すると、横たわる僕の身体から「ひゅっ」と吐息が漏れた。



 次の瞬間。



 激しい激痛とともに僕は空を見上げていた。

 きっと息を吹き返したのだろう。



 ああ、助かったんだ──。



 そう思いながら、僕は遠くから聞こえるサイレンの音に安堵の吐息を漏らしたのだった。

お読みいただきありがとうございました。


すいません、感想欄閉じてます。

本当に申し訳ございません。

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