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6話 学院での日々

今日は学院生活3日目だ。

ちなみにテシウス王国国立学院初等科では主に9教科あり、地理、歴史、政治・経済、数学、文学、礼儀・作法、魔法学、魔法実技、剣術の9つだ。

今日は一時間目から順に地理、歴史、数学、魔法学、昼食を挟み政治・経済、剣術があり下校となる。

今日も兄と共に学院へと向かうと席についた。

担任のジェイムズ先生による朝礼が終わると、休み時間をはさみ、1時間目が始まった。

しばらくすると教科担当の先生がやって来た。


「えーではまずは自己紹介を。地理担当のファン・ビリアーといいます。」


そう言ったのは茶髪でセンター分けの中年の男だった。


「私は地理について教えていきますがまずはソフィア王国内の地理について教えていくことになります。では早速授業を始めますね。まず重要なのはソフィア王国の王都、テシリアです。人口100万人を越える世界でも有数の大都市で…」


その後はファン先生による話が続いていった。

前世でも地理や歴史は得意でこの世界にきてからも本などでいろんな情報を仕入れていたおかげかすんなり内容を頭に入れることができた。


2時間目は歴史だった。

「私は歴史担当のフェリア・ディールと申します。みんなよろしくね。」

そうやって自己紹介をしたのは水髪の若い女性の教師だった。

その後も前の時間と同じように今度は王国の歴史についての話が始まる。


その後の数字、礼儀・作法、政治・経済の授業も順調に進めることができた。


そして今日最後の剣術の授業の時間がやって来た。

剣術の授業は剣技場で行われるので、そこまでやって来ていた。


「やっと来たよ剣術!」


アイナが嬉しげに言っている。


「やっぱ剣術好きなの?」


「うん。得意分野だしね。」


アイナは自慢気に言った。

そうやって話している内に剣術担当の教師がやって来た。


「どうも、剣術担当のハルク・ロウンと言う。早速だが、剣の構えなど基本的なことを教えていこう。」


そうするとハルク先生は構えなど剣術の基礎について語り出す。

その後は実際に木刀を使い模擬戦をすることとなった。


「それぞれ二人組を作って一対一で模擬戦をやろう。一本獲ったほうが勝ちだ。」


「アオイやろう。」


「うん。じゃあやろうか。」


まずはアイナと模擬戦をすることとなった。

「じゃあ行くよ。」

アイナが言った。

するとアイナはすぐに距離を詰め眼前まで迫っていた。

アイナが振り下ろす木刀を前に咄嗟に僕も木刀を構える。

その後少しアイナと距離をとるがすぐにアイナも間合いを詰めてくる。

今度は僕から仕掛けて木刀を振るが軽く受け流され、その間の隙を突かれ素早く放たれた攻撃を受けてしまった。


「うっ、さすが強いね。」


「でしょー。毎日お父さんと練習してるんだから。」


どうやら剣術は言っていた通り得意のようである。

僕は手も足も出なかった。


「ではみんな一通り終わったかな。最後に別の二人組をつくりもう一試合してみよう。」

ハルク先生がそう言った。


「じゃあ今度は俺とやろうぜ。」

ラルトが言った。

「分かった。じゃあ始めよう。」

今度はラルトと試合をすることになった。

今回はアイナと戦ったときよりは良い試合にはなったのだが後少しのところで隙を突かれ負けてしまった。

すこし剣術は苦手かもしれない。

試合が終わるとなにやらみんなの視線が集まっていたのでその方向を見てみる。

そこには試合を行うアイナともう一人緑の髪の少年がいて、激しい剣劇を繰り広げていた。


「あの、アイナが戦ってる子って誰だっけ」


気になって隣にいたラルトに聞いてみる。


「カイン・ローファースっていって王国騎士団長の息子らしいぞ。さすがすげー戦いだなぁ。」


「うん。」


その凄まじい剣捌きに多くの人がみとれていたがとうとう決着がついた。

アイナがカインの一瞬の隙を突き刀を喉元へ向けた。


「よし、そこまでだ。授業はここまで。解散だ。木刀はなおして教室に戻るように。」


ハルク先生がそう言うと授業は終わり解散となった。

今回の授業ではアイナの剣術がすごいということ、そしで僕は剣術が苦手だという課題が見つかった。


それから学院で授業を受け、放課後はマリアンに魔法を教えてもらう日々が続いた。

マリアンに教えてもらう魔法は初等科で習う魔法よりも高レベルなものばかりだったが、マリアンが教え方の上手さもあってか、僕の魔法どんどん上達していった。

初等科1年の一学期も後すこしというところでとうとうこの日がやって来た。

この日ってなにかって?

テストがやって来たのだ。


「あぁーやばい、もうだめだぁー。剣術以外無理だよぉー。」


アイナは泣きつくように言う。


「始まる前から大袈裟だよ。」


僕はそう返す。


「おい、魔法実技では絶対負けないからな。」


そう横から話しかけてきたのはダリアだった。


「う、うん。こっちも本気で頑張るから。」


「まあ俺が絶対勝つけどな。あれからもっと練習したしな。」


ダリアはそうやって対抗心を燃やしてくる。

そうしている内に試験の時間がやってきて僕たちは席に着いた。

1日目は地理、歴史、政治・経済、数学、文学の筆記試験が行われる。

地理、歴史、政治・経済を難なく解き、昼休みをはさんだ後の数学と文学も前世の同年代の問題に比べると難しめではあるが、僕は前世で中2まで生きているので難なく解けた。

2日目は礼儀・作法、魔法学の筆記試験と魔法実技、剣術の実技試験が行われた。

礼儀・作法、魔法学の試験は復習の甲斐もあってか大体は解くことができた。

魔法実技ではこれまで習ってきた、【火炎玉(ファイアボール)】や【水玉(ウォーターボール)】、【(ライト)】などを実際に使った。

マリアンの教えのおかげもあって全て上手く使うことができた。

剣術は担当のハルク先生と模擬戦を行う形だったが、こっちはあまり上手く立ち回れたとは言えないかもしれない。


それからしばらく経って結果が発表される日がきた。

朝学校にやって来ると廊下にはそれぞれの教科の学年成績TOP10が貼り出されていた。


「アオイすげーな。上位ばっかりじゃんか。」


ラルトにそう話しかけられたので貼り出されたものを見てみる。

そこには地理、歴史、政治・経済、魔法実技の所の1番に僕の名前があり、数学、魔法学は2番目、文学は5番目に名前があり、剣術と礼儀・作法以外はトップ10に入っているということになる。


「うわ、ほんとだ。」


「今みたのか。魔法は前から授業ですげーと思ってたけど外もこんなにできるのか。」


「おい、今回は偶然こうなっただけだ。調子乗るなよ。」

会話に割り込んできたのはダリアだった。

ダリアは今回得意分野の魔法実技で2位になったことに満足できない様子でそう吐き捨てた。

そう言われるとますます1位を譲りたくなくなる。

その時朝礼を告げるチャイムがなった。


「あ、やべ、行こうぜ」


そうラルトが言うと僕たちは急いで教室へ向かう。

ちなみにアイナはしっかり得意分野の剣術では一位をとっていたようだ。

とりあえず初めてのテストだったが好スタートを切ることができて良かったと言えるだろう。







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