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29話 白昼夢

視界も奪われ、自暴自棄になった海竜(シードラゴン)はなりふり構わず光線を放つ。


「【火炎爆弾(ファイアボム)】」


魔法師団の面々へと向かいそうだったそれを僕は魔法で相殺する。


「【火炎爆弾(ファイアボム)】」


僕は続けて魔法を放つ。

しかし暴れまわる海竜(シードラゴン)の固い鱗に防がれてしまう。

動き回るせいで狙いも上手く定まらない。

狙いを定めるためもう少し近づいてみよう。

そうしたら与えられるダメージも少しは増えるだろう。

僕は魔法を唱えようと杖を海竜(シードラゴン)へと向けた。


「アオイっ!」


その時誰かに名前を呼ばれた気がした、、と思ったら横からの強い衝撃がやってきた。

どんどん高度が落ちていく。

力が入らない。

海竜(シードラゴン)の攻撃にやられたのか?

そう考えるうちに意識さえも薄れていってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いつの間にか僕は見知らぬ所にいた。

見渡す限りの真っ白な空間である。

真っ白な空間といえばアロップスの迷宮最下層での戦いを思い出す。

しかし、一体ここはどこなんだろう。

こんな空間、あの海周辺には無かったはずだ。

僕は疑問を抱えながらも起き上がろうとした。

起き上がろうとしたのだが力が入らない。


「だめよ、こんなところで。」


何処からか声が聞こえる。

すると天から降りたってきたのは羽衣のようなものを身に纏い背中から純白の羽を広げる女性だった。

とても幻想的な姿だった。


「こんなところで、終わっちゃだめよ。」


再び女性が話す。

僕は動くことも言葉を返すこともできない。

この人が誰なのかも分からない。


「もう少し、凪。」


「‥!!」


今のは聞き間違えではないのか?

凪は、僕の前世の名前だ。

何でその名を‥

相変わらず動くことも喋ることもできない。

結局なにもすることができずに視界は次第に暗転していった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


暗転していた視界が開けた。

海の中だった。

僕は海竜(シードラゴン)との戦いで意識を失っていたのか。

あの白い空間での出来事はなんだったのか?

夢だったのだろうか。


「うっ‥」


そう、ここは海中なのだ。

息が苦しい。

上を見ると‥あれは海竜(シードラゴン)か。

海竜(シードラゴン)の巨体が見える。

こうして海中から見ると防御の薄い腹部が晒されている。

杖は持ったままだった。

良かった。


「【破壊光(ブレイクライト)】」


僕はどうにか魔法を唱えた。

それは海竜(シードラゴン)の腹部へと向かっていき、大きな傷を与えた。

海竜(シードラゴン)がそのまま倒れこんでゆく姿が見える。


「【飛行(フライング)】」


僕は魔法を唱える。

そして高度を上げ海中から脱出していく。

そうしてどうにか海中から抜け出すことができた。


「はあっ‥」


海中で息が苦しかったため僕は大きく呼吸する。


「アオイ!よかった。」


そうアイナが言う。


「無事でしたか。ひやひやしましたよ。」


レリアが言う。

みんなに心配をかけてしまったようだ。

僕もまだまだだ。

そういえばレオはどこだ。

見渡してみると海面で手足をバタつかせる猫がいた。

レオだ。

僕はすぐさまレオの元へ向かい助けた。


「よかった、レオ。」


「ニャ!」


僕はレオを肩に乗せると再び上昇した。


「【薔薇蔓(ローズバイン)】」


そう魔法を唱える声が聞こえた。

すると蔓のようなものが横向けになった海竜(シードラゴン)を覆っていき拘束する。

見てみると魔法を使ったのはユメのようだ。

海竜(シードラゴン)は尚もその巨体を動かし抵抗をする。


「アオイさん、トドメを!」


「わかった。」


そして僕は杖を海竜(シードラゴン)へ向け魔法を放つ。


「これでトドメだ。【光触手(ライトハンド)】」


僕が魔法を唱えると無数の光の線が放たれ海竜(シードラゴン)の腹部へとダメージを与えてゆく。

初めは激しく抵抗していた海竜(シードラゴン)もだんだんと動かなくなってきた。

そしてとうとう海竜(シードラゴン)は魔石を残して消え去った。


























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