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鍵の持ち主  作者: となり
日常編
3/52

弟子入り

帰宅。依頼が1つ終わった。


ゆっくり休みたいところではあるが……掲示板には新しい依頼が来ている。


割と人気なんだよなぁ、いい事だけど。いい事だけど暇がないんだよなぁ。出来れば数日くらい家でゴロゴロしたい。そう思って渋々依頼を確認すると。




「助手として雇ってください。後日改めてお伺いします。リングアリー•ハーネより」



この掲示板をポストかなんかだと思ってるのか?



俺は弟子をとるような年齢でもないし教えることも特に無いけど、、、。

俺の強いところなんて日本と行き来できる鍵を持ってることくらいだけどなぁ。

話くらいは聞いてあげるか、一応。何日かゴロゴロできるし、と自分に甘い俺はそのままコタツに潜り込んだ。



そうしてリリは数日間体を休めながら弟子入り希望の人を待つことにした。



———



コンコン。




……ゴン!

コタツの中ででぬくぬくしていた俺はノックの音にびっくりして台に頭をぶつけてしまった。



「いってぇ…」

そう言いながらヨロヨロの状態でドアを開ける。


女性が立っていた。


背が高く、長髪の女性。こんな大人が俺に何を教わろうってんだ。



そしておもむろに彼女はブルブル震えて声を振り絞るようにこう話した。


「う、うわさはかねがね聞いております!色々な方を助けたあなたの人情と様々な情報を聞き出すのに使った刀の技術を教わりたいと思いまして、どどどどうか弟子入りをさせていただけませんでしょうか!!」


目の前にいる女性は、滝汗をかきながらあたふたしている。


ツッコミたい所は沢山あるが…とりあえず詳しく話を聞こう、と背筋を伸ばして礼儀正しい姿勢を作る。


「一応聞きますが、ハーネさんですよね?」


そう確認すると目を回らせながら頭をカクカク動かして頷いた。本当に大丈夫なのか、この人。と心の中で呆れてしまう。



「では1度話を聞かせて頂きたいので部屋に入ってください~~」


受付の人のように振る舞って少しでも緊張をほぐしてやりたい。


明らかに緊張してるハーネさんを一旦食卓に座らせて温かいお茶を提供する。


そのお茶を飲むと少し落ち着いたのか、今回の依頼についてスラスラと話し出した。


「私は子供の頃から旅人でした。旅をしている間にあなたの功績を褒め称える人と沢山会いまして、実際に助けて貰った人なんかもいました。あのバブル連合国の悪行の証拠を掴んだっていうことでも有名です。話を聞いていくうちにだんだんリリさんのファンになってしまって…」


もしかして、割と大物になっているんじゃないか、と鼻を伸ばしながら話を頭の中で整理していく。


…バブル連合国の依頼はほとんど盗聴器のおかげだけどなぁ、刀なんて使ってないから剣技を教えることだって無理だ。うわさに尾ひれがいてしまっている。


「弟子入りの件、検討していただけましたか?」


彼女は爽やかな笑顔で聞いてきた。


「俺はまだ15歳です。まだまだ未熟だし、あなたが想像してるほど剣技も上手くありません。なので俺から教えることはあまりないと思うのですがそれでも助っ人として活躍したい、というのなら歓迎します」


またまたご謙遜を~、とでも言いたそうな顔をしたかと思えばすぐさま彼女は返答した。


「これからよろしくお願いします!」


「こちらこそ」



それから話を続けていると彼女について色々なことが判明した。



源流剣技1段 柔道で言うと黒帯。


水魔法 大体の水魔法は使える、というレベル


龍人 寿命が長く、体も人より頑丈



こんな凄い人が俺の弟子?逆に師匠になって欲しいくらいである。

まあ本人は俺の弟子になれて嬉しそうだしひとまずはこのまま過ごそうか。



そうして今回も依頼を達成した。












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