第91話 魔王戦⑦―救世主―
「ガァァァアアアアアア‼」
もう人外!? 魔族ですらない! ただの魔物じゃん!
魔王は……ん? これは魔王なのか? この魔王(?)は触手をバタバタさせて、手あたり次第に攻撃している。 うん、理性がないようだね! それにしても攻撃力もやばいな。 魔王(?)の触手があったった所が粉々に砕け散っている。 一発でも食らえば死ぬね!
理性がないのは吉と出るか凶と出るか……。 理性がなければ知力がないから、作戦をたてたりなどをしてこない。 理性がなければ体の限界を無視して攻撃してくる。 うーん、マイナスの方が大きそうだね!
とりあえず攻撃しないと! もう魔王(?)に理性はないし、覚醒したことがバレるとか関係ないね!
「『――彗星――』‼」
光と地魔法の複合魔法で、今考えた魔法! 『隕石』の上位互換みたいなものかな? ワンチャン魔王(?)の汚い心を浄化してくれるかな~と思って放ってみましたが……。
――ドガアァァン
「ガァァアア」
うん、効かなかった!
かすり傷さえできない。 ……どーしよーね?
そんなぽんぽん新しい魔法考えられないよっ!
図書館にはレベル5までの魔法しか載ってない。 なぜなら、レベル5以上の魔法を使うものが普通はいないのだ。 レベル5以上を使うものは英雄級らしい。 まぁ、私の周りにはたくさんいるけどね。 使える人が異常なの! だから、私は天才!
レベル5以上の魔法を使うとしたら……自分で考えるしかないのだ。 厄介な。
私、別に想像力豊かな人でもないしな……。
あ、そうだ!この魔法を試してみよう!
「『――魔性野菜の雨――』」
私がそう唱えると、空からキャロッティが大量に降ってくる。 あ、キャロッティというのは現代で言うとにんじんだよっ!
「ガ、ガァ?」
……効かないね。 でも、困惑しているから効いた……のか?
どうしよう、レベル5くらいじゃ効かないし、私のか弱いパンチじゃ倒せないよぉ~(ぶりっ子)
……よし、こうなったら脳筋作戦でいくぞ!
新しくて強そうな魔法が思い浮かんだ瞬間、魔王(?)に放つ。 パワーアップして魔力値が上がったし、魔力切れは起こらないはずっ! とにかくやるぞっ! おー!
「『――黒穴――』『――魔性野菜弾――』『――発光――』 ……えーっと、、、『――魔性野菜の矢――』?」
魔王に効いているのもあるけど、、、キャロッティ系の魔法は全然効かなかった。 けど! 混乱してくれるからオーケー?
ウィンやリバーは私が攻撃し続けるせいで参戦できていない。 まぁ、意図的にそうしているけどね。
この魔王(?)との戦いではウィンやリバーは力不足。 攻撃があたれば即死もあり得る。 私が庇いきれるとは限らない。 友達が私の目の前で死ぬなんて、そんなの嫌だ。 だから出来るだけこの戦いからは遠ざけたい。 正直、自分勝手だと思う。 ウィンやリバーの決意を私が踏みにじっているんだ。 たとえ嫌われてもやめない。 私が死ぬとしてもやめない。 二人には……生きていて欲しいから。 魔王は……私一人で戦う。
「ガァァァァアア!」
魔王(?)が苛立ち、ヌメヌメの触手を私目がけて振り下ろす。 その速さは……音速を超えるほど……避けられないと感じた私は手を十字にして頭を守る。
「――ッ!?」
魔王(?)の触手があたるその瞬間、私の腕に巻き付いていたアイビーが動き、肌が見えなくなるまで腕を覆う。 何してんのこのアイビー? ていうか動くんだ!?
――ドガッ
なんとアイビーは私に傷一つつけることなく魔王(?)の触手をはじいた‼
何この効果? 超ハイパー硬いってこと?
意識的に動かそうと念じたら顔や足など、体中覆ってくれることが分かった! ……見た目は悪いけど……。
魔王級の攻撃も防いでくれるなんて最強じゃん! 覚醒して開花したのがアイビーでよかった~!
「ガァゥゥ」
魔王(?)の体が歪み、どんどん小さくなっていく。 何がしたいの?
「ガァァァァアアアア‼‼」
「パプたんッ‼」
縮んでいったと思ったら、爆発的に大きくなる。 私を覆うようにして。
コイツッ!? 私を体内に閉じ込めて殺す気か‼ 魔王(?)の触手は強力な麻痺毒がついている。 触れた瞬間動けなくなる。 下手したら呼吸器も麻痺して死ぬ。
避けようとしてももう遅い。 アイビーを体全体に巻いて守るが麻痺毒はアイビーを貫通してくる。
もう、息もできない。
ここで私は死ぬんだ。
ウィン、シーちゃん、リバー、ナイト。 そしてアナビス……。 約束、守れそうにないや。 ごめんね。
「『――天使の奇跡――』」
意識が闇に沈む寸前、優しい慈愛のこもった声が聞こえ、体が光に包まれて回復していく。
目を開けるといつの間にか誰かに抱きかかえられ、魔王(?)の中から脱出していた。
助けてくれたのは……
「「「シーちゃんっ‼」」」
次回!
精霊の神のシーちゃんVS魔族の神のパプリカ!
結果は目にめえているけどね……。
時は少し遡るけどな!
次回も見てくれっ!




