第80話 決戦前
「――! ――ん! パプたん!」
はっ! ウィンが私を呼ぶ声で意識が覚醒する。
どうやら、少しの間寝てたみたい。
「パプた~ん! 祝福の最中に寝るなんて、本当に寝坊助さんね!」
うん、なんかむかつく! 寝坊助なのは、ウィンの方でしょ! それに、私にはれっきとした理由がある!
ふふふ、創造神様にお呼ばれされてたんだもんね~!
「あのね、創造神様に――! ――……?」
創造神様との、さっきの出来事をしゃべろうとしたら、声がでなくなっちゃった。
じゃあ、リバーが死ぬって未来なら言っていいかな?
「リバーが――! ……はぁ」
しゃべれなくて思わずため息が出てしまう。
創造神様、みんなには言うなってことですか?
……みんなに言えずに私一人でリバーを守るなんて、無理に決まってるでしょっ!
「パープちゃん……? 大丈夫……?」
……みんなに変な目で見られている。
だって、声出なかったんだもん! しょうがないでしょ⁉ ……まぁ、事情を知らない人から見たら、私の行動は狂気だろうね……。
誰か、理解しててくれっ‼(切実)
「パープちゃん! それって、身代わりの指輪じゃない⁉」
なにそれ?
あー、たしか創造神様がこれでリバーを救えって言ってたね。 忘れてた☆
名前的に、攻撃を一度防いでくれるみたいな感じかな?
「この指輪は、、、死んでも一度だけ生き返ることが出来るというものよ。 実物は初めて見たわ……」
「えええぇぇぇええええ⁉⁉」
「羨ましいっ!」
生き……え? 生き返る? なにそのチートアイテムは……?
えっと…………。 たしか、創造神様はこれを使ってリバーを命に代えてでも救えって言ってたよね?
つまり、本当に命に代えて守れと。 一度私に死ねということですか?
はぁっ⁉ この、、、クソ駄目神がッッ‼
始めから、リバーにこの指輪を渡せばいいのにね。
なんでそうしなかったんだろ?
私にしか未来を変えられないってことかな?
……渡されたからは命に代えて、リバーを守ろう!
たとえ二度死んで、首だけになっても魔王の喉に喰らいついて必ず守る。 もちろんウィンも守ってやる!
♢♢♢
時が経ち、今日が魔王との決戦日の朝。
シーちゃんの家にお偉い貴族共が集まり、見送りをしてくれる。
もちろん、快い見送りではなく、戦うのをやめされるために来たって感じ。
でも、シーちゃんが軽く威圧を放って黙らせる。 ナイス!
「パープ……」
アナビスが少しだけ潤んだ瞳で私を見る。
アナビスも見送りをしにきたみたい。
最悪の場合、もう私はアナビスには会えない。
これ以上ないほどの死闘になるはず。 五体満足で帰れるかすら分からない。
そう思うと自然と目が潤んでしまう。
でも、目に力を入れてこらえる。
アナビスに心配かけないように、全力で笑う。
するとアナビスはフッと笑い、手を握ってくる。 もちろん、背の高さがめちゃくちゃ差があるから、アナビスは一生懸命背伸びしている。 かわいい……。
「命令よ! 絶対に生きて帰ってきなさいよ……っ!」
アナビスらしいお見送りだな。
うん。 絶対に魔王を倒し、リバーを守り、私の大切な友達を守るために世界を救うよ。
「パープ、私は神だからこの戦いに参加できないけど、あなたならきっと倒せるわ」
鬼畜な神、ティファ―ニさんも見送ってくれる。
たしかに神は私たちに深く干渉しちゃいけないはず……。
なんでシーちゃんは戦っていいのかな?
「ん? 私は、例外なの♪」
あ、ソーデスカ。 シーちゃんは格別。 深く考えないことにした。
「じゃ、行ってきます!」
最後にアナビスに一瞥してから行く。
「いくわよ、『――転移――』」
さぁ、世界を救うために、魔王を倒すよ――!
次回は〜、「ある創造神のお話②」を投稿します!
絶対見てよっ!|ω•˘ )チラ
ちなみに、「ある創造神のお話①」第55話だから、よかったらそっちも見てください!




