第77話 キマイラとの戦闘②
よし、反撃開始だよっ!
キマイラは私の雰囲気が変わったことに気づいたのか後退する。
力が湧いてくる。
キマイラの毒牙でやられた傷も毒も自然と回復していく。
世界が白と灰色になる。
うーん、こんなに力が湧いてくると調子にのっちゃいそう!
あんなに強かったキマイラすら弱く感じる。
あ、副作用があるんだった!
早く倒さないと副作用で倒れちゃう! 倒れる前に、お前だけは絶対に意地でも倒す。
キマイラを倒せないと、シーちゃんに失望されちゃう!
そんなのやだ!
神であるシーちゃんの隣に立っても恥にならないように、私は強くなるんだ!
そのためにキマイラ、お前は死んで私の踏み台になって。
「ガ、ガアアァァァアアア‼‼」
キマイラは広範囲に炎を吐く。
「『――水の衣――』」
今の私には相殺する必要もない。 けど、髪を痛ませたくないから一応ね。
そのまま炎の中を通り、一瞬で距離をつめてキマイラに鉤爪を突き刺す。
うーん、キマイラは意外と硬いね。
これは魔法の方が良さそうね。
「ガァァァアアアッ⁉」
キマイラは頭をぶんぶんと振って私を振り落とす。
痛い? 痛いよね。 生まれてからずっと強者だったお前は、弱者に傷つけられたことがさぞ苦痛だろうね。
後退し、ある魔法を放つために頭の中で魔法を構築する。
簡単な魔法なら一々頭の中で構築せずともできるけど、今回は別。
この魔法はコヨウさんに放とうとしてやめた魔法。
それを今、放つ。
「『――隕石――』!」
膨大な魔力を指先から空に向けて放つ。
すると、キマイラの頭上に馬鹿でかい岩が現れる。
キマイラの目に私が映る。
まるで助けてくれと言っているようだ。
そんなの知らない。 これは殺し合い。 私は情けをかけるほど優しくないよ。
キマイラさん、踏み台になってくれてありがとう。
じゃぁ、バイバイ。
『隕石』に押しつぶされる寸前、キマイラの目には絶望の色が宿る。
少し、少しだけ罪悪感を覚えた。
♢♢♢
「はっ!」
目が覚めたらベットの上にいた。
たしか、キマイラを倒して……そのあとどうなった?
「パプたん! 良かった~! あのね、パプたんが倒れてから3日経ったよ」
ウィンが泣きながら教えてくれる。
私はキマイラを倒してから倒れて、シーちゃんがベットまで運んでくれたらしい。
そしてあれから3日経ったと……。
修行の時間が半分になっちゃったよ!
「パープちゃん、よかった~! ごめんね、無理させてしまって」
うん、ほんとだよっ!
「まさか1日でキマイラを倒せるとは思ってなかったよ」
だってさ、シーちゃんが助けてくれなかったから、死なないよう頑張っただけであって……。
「もうリバーも起きて、元気に修行してるよっ!」
リバーも無事に目覚めたのか。 良かった。
「よし、パープちゃんも目覚めたことだし、魔界から持ってきたアイテムでアレをやるよ♪」
「「アレとは……?」」
私に休む時間はないんですか……?
パープに休む時間などない!




