第73話 料理できる男子はモテる
「じゃあ~今日はこの辺にしてあげる♡」
「「や、やったぁ……!」」
もう、何㎞走ったか分からない……。
走りすぎてめまいがやばいよぉ……気持ち悪くなってきた……。
「これからは毎日やるからねっ♪」
「……」
「あぁぁぁぁぁあああ‼」
私はもう、抵抗する気力すらないよ……。
ウィンは……うずくまって泣いている。
わかるよ、その気持ち。
この鬼畜神に死神様と言わせるシーちゃん、一体何をしたのだろうか?
「それじゃっ、魔法の修行をしよっか♪」
「……」
「う、嘘だあぁぁぁぁあああ‼」
休む時間、もらえないのね……。
ウィン、現実逃避したい気持ちはわかるけど、私のスカートに涙と鼻水を擦り付けるのやめて?
♢♢♢
今日は本当に地獄だった……。
魔法も容赦なく魔力枯渇寸前まで撃たされ……今さ、魔力枯渇したリバーを救うためにシーちゃんが魔界に行っているのに私まで魔力枯渇したらどーすんの‼
明日もこれをやると考えると……吐きそうっ!
「みんな、大丈夫?」
ナイトが生気の失った私たちの目を見て心配そうに声を掛けてくれる。
でもね……その問いかけに答えられる体力は残っていないんだ。
「……ご、ご飯作ってくるね……」
ごめんね、ナイト……もう体が動きません!
「ご飯できたので、食堂に来てくださーい!」
少し時間が経ったらナイトの呼ぶ声が聞こえてきた。
動くの大変だけど、頑張ってなんとか食堂へ着いた。
「な、なんだこれは……!」
食堂には、なんかパーティーやんのかってくらい豪華なご飯が長テーブルに溢れかえっていた。
脂がしっかりのっててキラキラとしているチキンの丸焼きや、蒸しキャロッティ、ポテトサラダ……。
じゅるり……。
これ、ナイトが作ったんだよね?
「二人が疲れているから、せめて美味しいもので癒されて欲しいと思って作ってみたんだけど……どうかな?」
なんて、なんていい人なんだ……!
お婿に欲しいわ!
「神の皆さんもどうぞ」
「わぁ~ありがとぉ♡ お婿に欲しいわ♡」
同じこと考えてた……。
私は、この鬼畜神とは違うからねっ!
「ありがと」
「いただきます!」
お、美味しい……!
口の中いっぱいに肉汁と旨味が広がる。
もしこれが漫画だったら急に服が脱げて食レポ始まるやつだね。
「みんな~ただいま~!!」
このタイミングでシーちゃんが帰ってきた。
早くね⁉ まだ一日も経ってないよ⁉
「持ってきたよ、この“魔力結晶石”!」
「魔力結晶石!って、何?」
今回ばかりはウィンがバカなんじゃない。 私もなんだか分からない!
「魔力結晶石は魔界だけにある鉱石で、魔力枯渇を治せる唯一のものだよ」
なーんでナイトは詳しいの?
私さ、大三賢者だから王族と大三賢者だけが見れる禁忌の本とか読んだけど、それは初耳な件!
ジトーってナイトを見ると、、、
「その、リバーの治療が終わったら、僕の秘密を話そうと思う。」
へっ⁉ ナイトにも秘密とかあるの⁉
うちの友達たちみんな特殊すぎるぅ~!
秘密を共有してくれるほど信頼してくれるのね……!
パープうれちいっ!
♢♢♢
「魔力結晶石を吸収させたから、直に目を覚ますと思うわ」
「よかった~! もう会えないかと思った~!」
「それじゃあ、秘密について話してもらいわよ」
「実は僕……」
ドキドキ……。
個人的にね、料理できるほうがモテると思います!
次回、ナイトの秘密♡




