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転生したうさ耳少女は一生懸命がんばります! ~友達を作ろうとしたらいつの間にか世界救ってました⁉~  作者: 氷河の一輪
第四章 うさ耳少女は魔王と戦いますっ!

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第69話 復讐を誓った少女の過去

 少女は小さく貧しい村で生まれた。

 少女の父は海の精霊だった。

 母は幼い頃に亡くなった。

 母はいつでも笑顔でいなさいという遺言を残して死んだ。

 それから少女はいつでも、()()()()()()()()()()笑顔を絶やさなかった。

 当時の海は小さく、濁り、人々からは嫌悪されていた。

 そのため信仰がなく、海の精霊には力はなかった。人族の子供にも後れを取るほど弱かった。

 海の精霊は人々からは嫌悪され、迫害される。

 海の精霊として生まれた少女は、小さな村の中でいじめられた。

 住民が100も満たない小さな村でいじめられるのは想像を絶するほどの苦痛だった。

 母の遺言を守っても気持ち悪いという言葉で一蹴される。

 少女は身も心もボロボロとなった。

 でも、唯一の救いは父だった。

 父が頭を撫でてくれればどんなことも我慢できた。

 少女はどんなことも笑顔で受け、人々を許し、我慢した。


 そんなある日、少女は森で薬草を取ってこいと村の者に命令され、森に入った。

 こんなことは少女にとって日常茶飯事。 魔物の少ない道をいつものように通り、薬草を手に入れ、帰ろうとした。

 しかし少女は運が悪く、銀狼と遭遇してしまった。

 少女は逃げ出した。 少女は弱い。 エトワールの世界では淘汰されるような弱者。 銀狼に会ったなら真っ先に逃げなければならない存在。

 少女には食い殺されるか逃げるかの二択しかない。

 だから少女は全力で逃げた。

 自分の弱さを一番知っているから。 戦っても死ぬだけだと理解しているから。


 何かがおかしい、逃げながら少女はそう思った。

 いつもはこんなところに銀狼はこない。

 死ぬかもしれない恐怖の中でも、少女は笑顔を絶やさない。

 服は木に切り裂かれ、銀狼は少女の足に噛みつく。

 少女は銀狼に押し倒され、地面に転がる。

 その時少女は地面に撒いてある粉見つけた。

「魔物寄せの、粉……?」

 自然で作られたものではない。 人為的に人が作ったもの。

 この近くには自分の住む村以外に人はいない。

 私を()()()()()()

 もしそうなら私は邪魔な存在でしかない。 なら、いなくなったほうがいいのかな?

 少女はこの状況でも村の人たちを優先し、許した。

 少女はそのまま死のうとした。


 が、死ぬ瞬間に雪の女王に助けられた。

「『――終末の吹雪(ウィンリー・メドン)――』!」

 凄まじい轟音が響き、木々はなぎ倒された。

 雪の精霊は少女に優しく接した。

 少女はそれだけで胸がいっぱいになり、この人の為なら何でもすると誓った。

 そのためなら生きなくてはいけない。

 それから少女は自分を助けてくれた雪の精霊を慕うようになった。 狂気的なまでに……

 飢えた愛を満たすように。

 いつのまにか父の存在よりも大きなものとなっていった。


 雪の精霊を村に連れて帰り、村を発展させていった。

 村は直ぐに大きくなり、国となった。

 そうなってから、少女はいじめられなくなった。

 少女の飢えは満たされた。 永遠にこの幸せが続くと思っていた。

 しかし、少女の幸せはあっけなく壊された。

 魔族の神が攻めてきたのだ。

 雪の女王とその聖獣は懸命に戦った。

 少女も懸命に戦った。

 だが、他の人はそうではなかった。

 戦いは長く続かなかった。

 なぜなら皆、神に勝てるはずがないと裏切り、雪の女王と聖獣に毒を盛ったからだ。

 毒を盛るのに一番貢献したのは、彼女が雪の女王の次に信頼していた父だった。

 父は娘さえ裏切り、魔族の神へと差し出した。

 それでも少女は笑顔を絶やさない。


 少女が慕っていた雪の女王と聖獣は少女の目の前で殺された。

 長く苦しめるように魔界の炎で火炙りにされた。

 笑顔、笑顔、笑顔、笑顔は何の意味があるの?

 少女は母が死んでから初めて、笑顔を失った。

 少女は自分と雪の女王を裏切った者たちを呪った。 彼らを信じた自分を呪った。

 そして、必ず復讐すると誓った。

 けれど、誓いは守れない。 少女も今日、殺されるから。

 魔界の炎で炙られながら少女は裏切った者共への憎悪を絶やさなかった。

 憎悪のこもった目は光り、瞳孔が四つ葉のクローバーの形へと変化し、その瞳からは一筋の涙が流れた。

 頬をつたった涙は青い宝石となり、音を立てて地面に落ちた。

 少女の母はこのことを隠すために、少女を守るために遺言を残したのだ。

 しかし少女もその事実に気づかず、あっけなくその生命(いのち)を散らした。


 少女は気が付くと一面真っ白な世界にいた。

 そこで少し頭のおかしい創造神と出会った。

 創造神は可哀そうだから何か一つ願いをかなえてあげると言った。

 彼女は迷うことなく“復讐をさせてください”と言った。

 創造神は少女の憎しみのこもった目、四つ葉のクローバーの形をした瞳孔を見て、少女の願いを了承した。


 少女はエトワールに転生し、何百年もかけて復讐を果たし、死んだ。

 また一面真っ白な世界に戻ってきた。

 創造神は少女の壮絶な復讐を見て、気に入った。 気に入ってしまった。

 魂を清めて転生させるのは惜しいと思った。

 だから創造神は雪の精霊と聖獣も転生することを伝えた。

 魂が損傷し、何百万年も転生できないことは()()()伝えなかった。

 そのほうが面白いし、一生懸命探し回る姿を見るのも一興かなと思ったからだ。

 少女は何百万年もの間転生を繰り返し、必死になって探した。

 修行もたくさんした。

 面倒くさいけど、神にも喜んでなった。

 そして今、やっと見つけたのだ。

 今度こそ絶対に守り抜くんだ。

理解出来た人=天才!

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