第52話 生徒会での集まり
今日は初めての生徒会の集まり。
学園から少し離れたところに位置する場所にある生徒会室に私は来ていた。
ドアの前で深呼吸。
はあー! 緊張してきたーー!
私は、自分の結果しか見いていなくて生徒会のメンバーが分かっていない。
だからこそ緊張する。
息を大きく吸い込んでから生徒会室のドアをノックする。
「どうぞー」
「失礼します!」
中に入ると……
「あれ、 ウィン?」
「イエス!」
なんでいるの⁉
まさかのウィンが生徒会に入っていたとは……
そのまま突っ立っているとシーちゃんが私を見て咳ばらいをする。
あ、座れってことね?
「全員揃いましたね。 それでは第1回生徒会活動を始めます」
シーちゃんの言葉でこの場の空気がキリッとする。
「簡単な自己紹介をしましょう。 私は会長となったシーです。 皆が楽しみながら学を深められる、そんな学園にしていきたいです。 よろしくお願いします」
ふむふむ。 そんな感じで自己紹介するのね?
役職名と名前。あとは意気込みだけど……むずっ!
シーちゃんは次は私だと言わんばかりに見つめてくる。
うー! やってやる!
「副会長になったパープです。 この学園を友達と楽しみながら過ごせる場にしていきたいです。 よろしくお願いします!」
我ながらイイ感じにいけた!
「同じく副会長のナイトです。 平民でも平等に生活できるような学園にしていきたいです。 よろしくお願いします」
「書記のウィンです! お菓子食べてもいい学園にしたいです! よろしくお願いします!」
んんん?
ウィン、ツッコミどころ満載な自己紹介だね?
他の自己紹介はつまらなかったので省略!
メンバーだけ言うと、1年生会計のパプリカ、2年会計のフェノンさん、2年書記のスーザンさんだね。
パプリカは黒い髪に紫の瞳をもった侯爵令嬢。 性格はクズ。
フェノンさんは白い髪に金の眼をしている伯爵令嬢。 性格はおっとりかな?
スーザンさんは青い髪と銀の瞳をもった男爵の嫡男。 眼鏡をしているし、口調的に正義感溢れる人っぽい。
パプリカ以外はみんないい人そう!
「会長、今日は何をするんですか?」
正義感溢れる少年君がシーちゃんに聞く。
「今日は、、、」
「「ゴクリ……」」
ゴクリと言ったのは、ウィンとスーザンさんね。
意外とノリがいいんだな……
「今日は掃除をします!」
「へ?」
♢♢♢
「みなさん、掃除道具は持ちましたかー?」
「「「はーい」」」
「では、始めましょう」
正義感溢れるスーザンさんは真っ先に雑巾を水で濡らし、床を磨き始めた。
拭いたところがみるみるうちにピカピカに輝きだす。
すご! なんか、やる気出てきたかも!
じゃあ、私はほうきで床を掃除しますか。
ウィンもはたきを持って、照明をパタパタと掃除をする。
うんしょ、うんしょと、一生懸命背伸びして掃除する姿は愛らしく見え……なかった……
エプロンのつけ方を間違えている……
そのせいで不格好に見える……
なぜかエプロンの紐を腕にぐるぐると巻き付けている。
……なぜそうなった??
本当にウィンは残念な子だ……もったいない。
シーちゃんはというと、雑巾を絞り、窓を拭いている。……すごい!窓を拭いているだけなのに輝いている……!
みんな各々掃除をし始める。 1人を除いて。
「どうしてわたくしがこんな事をしなくてはいけないの⁉ こんなの使用人に任せればいいじゃないの!」
声を荒げ、反論するのはパプリカ。
「……掃除はね、浄化するという清らかな行動なの。 掃除をすることで、自分の身も心まで浄化できるものなのよ。 それにね、こうして何かを一緒にすることで、団結力が強まるの。 だからパプリカさんもどう?」
シーちゃんがそう言う姿はまるで聖女のようだった。
パプリカにまで慈愛のこもった眼でみつめる。
「――っ! もういいわ!」
パプリカはバンと音を立てて部屋を出ていく。
みんなはパプリカに意識を取られ、そちらを見ていた。
私はシーちゃんをずっとっ見ていたから見逃さなかった。
シーちゃんは一瞬、パプリカのことを憎悪の眼差しで見つめていたのだ。
「シーちゃん……?」
「なーに、パープちゃん?」
そういい、振り向く姿はいつもと同じだった。
見間違い……だよね?
♢♢♢
その後、パプリカ抜きで掃除を終え、生徒会室はピカピカになった。
みんなの心も一つに……はならない。
私だけ心が一つにならなかった。
シーちゃんのあの表情はなに? あの表情が頭から離れない。
何かが引っ掛かる。
まるで喉に小骨が突っかかったようだ。
シーちゃんは本当になんなんだろう?




