第50話 人攫いとの戦闘②
じりじりと近づき、敵に威圧を放つ。
すると敵はアナビス様をスラム街の家の方へ放る。
おい、皇女だよ? もう少し丁寧に扱ってほしんだが?
敵は懐から2本の短剣を取り出し、構えた。
お互いが同時に地を蹴り、距離を詰める。
敵が鋭い攻撃を繰り出すが、私はそれを全て避けて敵の腹に蹴りを入れる。
「ぐ――っ」
相手がうめき声をあげる。
それは当然のことだ。
なぜなら私のブーツには鉄の板を仕込んでいるからね。
こんなこともあろうかと、用意していて良かった。
他に腕にも投擲ナイフを仕込んでいたりと色々見えないところに武器を隠している。
「とんだ悪い子ちゃんね。 お仕置きが必要そうね」
急に人の気配を感じ、後ろへ飛び下がる。
するとさっきいたところにナイフが突き刺さる。
危な……!
まさか仲間がいたとは……
現れたのは二人。
さっきの女と同じように外套を深くかぶり、口に布を巻いている。
今度は体系的に男のようだな。
だけど、感覚的には女の方より弱いな。
ただ、隠密レベルが高いようなので気を付けなければ。
アナビス様と少し離れたから『聖槍』は使えるけど……私はもっと強くなりたい。
だから今回は使わない。
スカートを縦に切り裂き、動きやすくする。
さっき男が投擲したナイフを素早く拾い、構える。
私の持っている武器は限られているから、相手の武器を奪って攻撃しないと勝てない。
「フゥ――――」
空気と同時に甘さを吐き捨てる。
ここは戦場、友達と仲良く楽しむところでもない。
一瞬でも油断すれば死ぬ場所だ。
感覚を研ぎ澄ませ――相手の動きを読め――相手の裏をかけ――‼
感覚で鋼糸を避け、敵のもとへ走る。
走り抜ける際、避けきれなかった糸が私の肩や足を切り裂くけど、動くのに支障がないから気にしない。
男の方の懐に飛び込みナイフを喉に突き立てる。
返り血を避けながらナイフを抜く。
敵は残り2人。
「こ、このガキがぁ!」
怒りで我を忘れた男がナイフを構え、私に突進してくる。
「『――闇束縛――』」
闇魔法で男の動きを止め、ナイフでとどめを刺す。
敵は残り1人。
「この野郎……」
敵は私を睨みつけ、凄まじい殺気を放つ。
「『――風刃――』‼」
敵が風魔法を放ち、それと同時に呼び動作なしで投擲ナイフを数本放つ。
私はナイフを掠めながらも避け、距離を詰めていく。
敵の攻撃を全て搔い潜り、肘を敵の腹に打ち込む。
ただの肘打ちではない。
服の中に隠していた投擲ナイフを肘から突き刺したのだ。
「かはっ」
敵は血を吐き、倒れる。
内臓を傷つけたその身体だと、もう戦えないだろう。
私は殺気を消さずに近づく。
「わ、私が悪かった! だから、命だけは」
敵はそう言い、命乞いを始める。
――ヒュン
敵は私に投擲ナイフを放つ。 それを予想していた私は難なく避ける。
私が気づかないと思った?
そんなわけないでしょ。
すぐに命乞いをするような奴はそうやってすぐ欺く。
私は鬼との戦争で痛いほど身に染みた。
だから私は敵が死ぬ最後の最後まで警戒を怠らないと決めた。
情報を聞き出すために殺すつもりはないけど、“友達”を傷つけたお前を許すつもりはない。
「あ、あぁ……」
私は絶望した敵の意識を刈り取った。
私は友達を傷つける奴は絶対に許さない。
友達を守るために私は強くなりたい。
パープはどんどんこの世界に適応し、強くなりますね!
友達のために敵を殺すのはどうなんだろうか?
ついに50話までいきました!
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