第48話 生徒会総選挙③
『それでは最初に、パープさんの演説です。』
「生徒会会長に立候補したパープの応援演説者のアナビスです。私が彼女を応援する理由は強さです」
私は、アナビス様の応援演説の原稿知らないから、今初めて知った。
私の強さが理由だったなんて、なんか意外……。
「公には公表されてませんが、私は野外実習でスライムに襲われました。」
――ザワザワ
そりゃぁ、ざわめくよね。
この帝国の皇女が襲われるなんて一大事だもん。
それに、スライムに襲われたらなおさらね。
スライムは本来、大三賢者が全員で倒すべき相手だもん。
それほどまでにスライムは、強い。
「そこで彼女のグループに助けられました。私は怪我を負い、その場から動けませんでした。私を囮にすれば助かるのに、彼女のグループは逃げませんでした。それどころか勇敢に戦ったのです」
――ザワザワ
「相手はスライム、学生が戦っても勝てやしない。皆さんがもしその場にいたらスライムに勇敢に立ち向かえますか?ましてや……スライムに勝つことはできますか?」
――ザワザワ
そうですよね、ざわめきますよね。
普通学生なんかがスライムに勝つなんて無理だし!
「彼女は心と身体の強さ、両方を兼ね備えています。しかし彼女は金髪の悪魔と皆さんに畏怖されています。でも彼女は悪魔なんかじゃない。噂に惑わされず、彼女の本質をしっかり見てください。全然怖くないです、むしろ……かわいいです……」
――ザワザワ
ええーーーーー⁉
アナビス様⁉爆弾発言されましたよ⁉
ありがたいような、ありがたくないような……
「とにかく!彼女の強さならこの学園を引っ張っていける。私は確信しております。以上で私の応援演説を終わりにします」
うまい……!
さすが帝国の皇女!
この場にいるみんな、話に聞き入ってたし、私の噂すら拭ってくれた!
これは、いけるかもしれない!
アナビス様と入れ替わり、ステージの真ん中に立つ。
よし、深呼吸。
落ち着いて、いくよ――
「私は――――」
――バツン
あかりが消え、真っ暗になる。
こんな時に停電?
数秒すると、あかりが元に戻り明るくなる。
「あれ、アナビス様は?」
アナビス様がいない――⁉
嫌な単語が頭をよぎる。
誘拐――!?
だとしたら……相当まずい……‼
帝国の皇女が誘拐だなんて、やばい!ましてや私の応援演説中に誘拐だなんて、本当に笑えないっ!
なんとしてでも助けなくてはいけない。
「私が追います!」
体育館を出て、耳を澄ます。
聞こえる、、、誰かか音を消そうとしながら走っている。
うさぎの耳なめんなよ!
音の聞こえた方に急いで走る。
なんで急に誘拐なんか起きたんだ……?
否、急なんかじゃない。
もしかしたらスライム事件も誰かに仕組まれていたかもしれない。
いくら森の奥でも、そうそうスライムはででこない。
というかでてきたら困るわ!
いるとしたらダンジョンの最奥のボス部屋とかしかない。
そうなると、“誰かが故意にスライムを放った”としか考えられない!
もしスライム事件と同一人物が誘拐を画作していたとしたら……
アナビス様の命が危ない。
なんで今日に限ってコヨウさんはいないんだよ!
もしかして、、、それすらも仕組まれていた?
そうだとしたら、本当に厄介な相手になりそう。




