第44話 怪物スライムとの戦闘②
「はぁあああ!」
ウィンやリバーが頑張っているんだから、私もやらなくてちゃ!
前みたいに魔力を体の中心に集める。
そこから急に魔力を開放し、無理やり、素早く体中に巡らせる。
「――うっ!」
無理だ……
前みたいにやってみたけど、これはただの身体強化だ。
どうしよう!時間がないのに……‼
「あうっ!」
――ドオォォン
リバーがスライムに殴られ、遠くまで吹っ飛び、木に激突する。
「リバー!」
ウィンがリバーに気を取られている隙にスライムの手が伸び、ウィンを握りしめる。
――ジュウゥゥ
「――っ、ぁあああああっ‼」
「ウィンっ!」
スライムの体は強力な酸でできている。
だから触れると火傷する。
ウィンはスライムに握りしめられている。
火傷だけでは済まない。
どうすれば、どうすればいいの……?
「こっちだバカぁ!!!!!!」
このままやってても魔力暴走を起こせる確証はないんだ!
だったらまずはウィンを救うっ!
私の友達を傷つけたお前を絶対に許さない!
「『――聖槍――』‼」
これで倒せるとは思ってない。
けど、4発連続ならどうかな?
私の魔力は450ほどある。
『聖槍』は消費魔力が100。
だから4発撃てる。
「『――聖槍――』『――聖槍――』『――聖槍――』!!!!!!」
眩い光をまき散らす4つの槍がスライムを突きさす。
もう私の魔力は僅かしかない。
これで倒れてくれなかったら……
でも、何が何でも私が殺す!
残り少ない魔力を体に循環させて力をためる。
スライムに物理攻撃はきかないけど、絶対に殺すという意思があれば、少しはダメージが入る。
勝機がなくても、やってやる……!
光がおさまってくる。
スライムの攻撃を避けられるよう、身構える。
「……あ、あれ?」
そこにはスライムの姿はなく、バカでかい魔石が落ちていた。
「ちょぉっとぉ!パプたん、私まで殺す気かっ!」
「あれれ?スライムは?」
「見ればわかるでしょ!死んだよっ!」
ボロボロのウィンがキレながら答える。
うそぉ……
私のたった4発の魔法で死んだの?
「それより、リバー大丈夫かな?」
「そーだった!」
ウィンはリバーの心配をしているけど、ウィンだって重症だよ⁉
服もボロボロで所々ウィンの肌が見えている。
腕とか服で守られていなかった所は皮膚が無くなり、筋肉が見えてしまっている。
もっと早く助けていられれば……
ごめんね、ウィン……
「シーちゃんはまだアナビス様の回復してるから、私が回復するね。『――高回復――』」
コヨウさんとの戦いで、光魔法のレベルが上がり、『高回復』が使えるようになっていた。
「わ~全部治った!ありがと!」
「うん……」
その明るさで余計に胸が苦しくなる。
私がもっと早く決断していれば……
「ほらほらパプたん、そんな顔しないでよ!早くリバーを回復させにいこーよ!」
「うん……」
「『――高回復――』」
「目覚めないね……」
リバーは回復させたにもかかわらず気絶したままだ。
「多分もう少し経ったら起きると思う」
「じゃあ、私が担いで行くわ」
さすがウィンの馬鹿力!
「おおーーい!みんな、大丈夫かーー⁉」
「あ、コヨウさーーん!」
「遅いですーー!」
やっと来たよ……
もう終わった後なんですが?
「みんなーアナビス様の意識が戻ったわよー!」
シーちゃんも遠くから手を振る。
良かった。
誰も欠けずにスライムを倒すことができた……‼
本当に良かった!




