第41話 恋バナ
お風呂に入り、軽食のキャロッティも食べ、この日のために用意したかわいらしいパジャマを着て、準備完了。
これで……恋バナが出来る!
寝室に行くと、シーちゃんとウィンが枕を抱きかかえて待ち構えていた。
「パプたん遅いっ!」
「ごめんごめん~」
友達を待たせてしまうなんて……っ!
友達失格だ……
次からは気を付けないとっ!
「みんな揃ったし、恋バナ始めましょう。誰から話す?」
「そりゃぁシーちゃんでしょ?」
「へっ⁉」
シーちゃんがびっくりしたように声をあげる。
髪が揺れた瞬間、凄くいい匂いが漂う。
わ~同じシャンプーを使ったのに、なんでこんなに差があるのかな?
「私は見た!シーちゃんの後ろに座っていたあの……あの男を見つめていたのを……っ!」
「そーなの⁉」
「やっ、やめてよぅ」
知らなかった……
後ろの人ってことは、ナイトっていう人かな?
シーちゃんの照れてる姿、かわいい。
レアだから、しっかり目に焼き付けておかないと!
「話した方が楽になれるよ。さぁ、話しなさい」
ウィンが耳元でシーちゃんに囁く。
「話しちゃえ話しちゃえ♪」
私も真似して耳元で囁く。
「う~分かったから離れてっ!」
「はぁ~い」
「そうね……ナイトと出会ったのは1年くらい前ね――」
その時の私は、まだオシェロン王国にある実家に住んでいたの。
いつもみたいにお茶をしていたら突然お父様に呼ばれて、行ってみたら、、、
「今日からお前と婚約することになった、商人のラルフさんだ」
「こんにちはシーちゅわん!今日から僕の婚約者になるんだから、僕の言うことしっかり聞くんだよ!」
なんといきなり婚約することになってしまったの。
しかも歳が20も離れている人と!
肥えた腹をぶるんぶるん揺らしながら私を呼ぶ姿は本当に……無理!
お父様は何考えているのか……
「絶対にこの人と婚約しませんわ!」
そう言って城を飛び出したの。
優しいお母さまやお姉さまにも止められたけど、あんな人と婚約するのは嫌だから、そのまま振り切って家出。
何も持ってきていなかったから途方に暮れて泣いていたらかっこいい人が声をかけてきたの。
「大丈夫?」
そういってハンカチを差し伸べてくる姿にキュンときてしまったの。
事情を話すとお金と食料を分けてくれたの。
「キャー――!それでそれで?」
「一緒にカフェ行ったりして仲良くなったわ」
「キャー―――――‼」
いいなー!
青春してるって感じ!
私も恋してみたいな~
「パプたんは恋してるの?」
「えっ⁉」
そうか、普通恋バナってみんなで話したりするのか。
私、恋してないから話せないよっ!
どう切り抜ければいいのか?
……あった!
「私はね、誰とは言わないけど恋してるんだ。」
「そーなの⁉そんな素振りしてなかったのに!」
「私は飢えてた。そんな時に助けてくれた一筋の光!それが彼なの……!」
どうだ?
これは恋バナに入るよね⁉
「……へ、へぇー」
「パープちゃんって意外とロマンチストなのね」
なんか引かれてる?
だってしょうがないじゃん!
“人”じゃないんだもん!
そう、私が話していたのはキャロッティのこと。
恋バナは別に人について話すものって決まってないしね!
これはセーフでしょ!
だって私、魔性野菜のこと、愛してるもん!




