第23話 コヨウさんとの戦闘②
魔力暴走、それが起これば必ず死に至る。
例外はいるけれどね…(シーちゃんのこと)
もし瞳が変異せず、失敗してしまったら…
多分死ぬ。
でもこのまま戦っても死ぬだけだから、いちかばちかやるしかない…!
…ウィンは身体強化を極限まで使ったせいで魔力暴走が起きた。
私も…身体強化で魔力暴走を起こしてみるか…
ウィンが無理をしてまで時間を稼いでくれている間に、やらなければ…!
魔力を意識してみる。
魔力が指先や足先まで巡っていない。
細かな所まで意識しろ。 体中、全てに魔力を行き渡らせるんだ。
特に目に行き渡らせる。
体が熱くなる。 もう少し、もう少しなのにあと一歩たりない。
「うっ!」
ウィンにコヨウさんの扇が直撃する。
もうウィンは限界だ…
速く…速くしなくちゃいけないのにっ!
「――!」
そうだ…
魔力暴走は急激な魔力の変化で起こる。
私は徐々にやってしまった。 だからダメなんだ!
もっと雑にすればいいんだ!
魔力を体の中心に集める。
そこから急に魔力を開放し、無理やり、素早く体中に巡らせる。
体中痛みが走ったけれど、止めない。
――ドクン
体中、体が燃えるように熱くなる。
これは…魔力暴走だ。
体の魔力が制御できず、魔力が波打つように暴れる。
体がきしみ、まるで体の内側から食い破られているように痛い。
痛い… ウィンはこんな痛いのを耐えたんだ。
本当に凄いよ…
でも、そのおかげで…
――キイィィィン
瞳が、変異し王族特有の瞳孔が現れた。
魔力が放出され、変な音が鳴る。 頭に響いて少し鬱陶しい。
まあ、我慢するしかないけどね。
魔力が、みなぎってくる…!
余分な魔力がなくなった分、魔力が増えたみたい… それだけじゃなく、私には分からない瞳の効果があるみたいだね。
チートじゃん、この瞳。 生まれたときに欲しかった!
とにかく、急いでウィンを助けなくちゃ!
私の得意な地魔法でコヨウさんを倒す!
今ならLv5相当の魔法も放てる気がする。 私が今まで前世のありとあらゆる知識で編み出した、、、『隕石』を…!
この世界にも存在している魔法だったけどね☆でも、Lv5相当の魔法だから良しとする!
ちなみに、私に詠晶は必要ないけど、普通の人は必要なのだ。 思えばこれもチートだなあ。
私はイメージするだけで事足りる。
それに、精霊でもないのに魔法を創れる。
あれ?意外に私もチート能力持ってた?
イメージして、、、
大きな岩が天から降ってくるのを、、、
「ウィン! 下がって!」
「分かった!」
よし、いくぞ!
『――隕石――
待って……
『隕石』を使ったら、コヨウさんは死んじゃうんじゃないか……?
コヨウさんがウィンを攫おうとしたのは許せないけど、死んでしまうのは嫌だ……
それに、、、コヨウさんの愛は誰かに歪められたように見える……
こうなったのはコヨウさんだけのせいじゃない!
コヨウさんの歪みを治せて、死なない程度の攻撃魔法はあるかな?
……そんな都合のいい魔法なんかあるわけない……
でも、ないなら創ればいい……!
私にはそれをやり遂げる力があるのだから……!
治す力のあるのは光魔法!
攻撃力を持たせるには……形を武器にすればいい!
敵を貫き、浄化する光の槍を創造して!
『――聖槍――』
天高く手をかかげ、そう唱えると、聖なる光を纏った巨大な槍が天に出現する。
「いっけぇぇぇ‼」
手を振りかざすのと同時に槍もコヨウさんに向かって落ちていく!
「くっ! …ぅぁぁあああ!」
槍がコヨウさんを貫く。
すると、目も開けられないほどの眩い光がコヨウさんからあふれ出した。
「……?」
光がおさまり、目を開けてみるとコヨウさんはうつ伏せに倒れていた。
多分生きている。
「……やった。」
「「やったあああぁぁぁ‼」」
あの格上のコヨウさんを遂に倒した!
浄化できたかは分からないけど、私はコヨウさんを倒したんだ!
胸を張って! 小さなうさぎだった私がコヨウさんを倒したんだ…!




