第22話 コヨウさんとの戦闘①
やっと追いついた…
ん? なにやらもう険悪な雰囲気になってるぞ…?
ウィンが一気に距離をつめて、コヨウさんに蹴りを入れる。
戦いが始まってしまった⁉
うわーん! できれば戦いたくなかった…
だって私との戦力差ありすぎるんだもん!
と、とにかく参戦だ!
「たあぁぁぁ!」
わざと大きな声を出して私の存在をウィンに知らせる。
だって私がいることにウィンが気づかなかったら間違えて攻撃されたりするかもしれないからね!
『――火球――』
あえて私の苦手な火の魔法を打つ。
私の仮説だが、コヨウさんは花属性。
まあ、花属性なんてものはないけどね…
まあ、花だと考える!
花は、炎と氷に弱い。 だから火魔法で攻撃をしてみる。
「くっ!」
コヨウさんは大げさに避ける。
もしかして、あたりか!
ならば、火魔法中心に攻撃しよう。
氷魔法なんてものはないから、氷では攻撃できない。
でも、この極寒の地が味方になってくれる。
それに、こっちには雪の精霊がいるから有利!
向こうが戦闘力が高くても、弱点を突けばいけるはず!
「はあぁぁぁああ!」
ウィンもそれを理解したのか、闘志が燃える。
ウィンが近接で戦い、たまに精霊魔法で氷攻撃!
私は蹴りをいれたり魔法を使ったりと、中衛だ。
コヨウさんは全てを受け流している。
バケモンだな…
「もういい…」
コヨウさんがそう呟き、扇を構える。
なにかただならぬ殺気を感じ、ウィンと私は距離をとる。
コヨウさんが扇を持った右手を大きく振り上げ、地面に勢いよく振り落とした。
――ドオオオォォン
「ぐっ!」
結構離れていたのにここまで余波と瓦礫が飛んでくる。
私は腕を十字の形にして頭を守る。
「ウィン、大丈夫?」
「だいじょぶ!」
そう言ってはいるけど、ウィンの額からは一筋の血が流れている。
さっきの瓦礫が頭にぶつかってしまったみたい…
「やはり傷つけるしかないのか…」
コヨウさんはそうつぶやくと扇を片手に持ち、構える。
あの構えは…⁉ エトワール大武道大会で見た技…!
「ウィン! 離れて!」
私が言い終わる前に、コヨウさんは攻撃してきた。
コヨウさんから桜の花びらがあふれ出し、花びらが私たちに向かって飛んでくる。
――ブワアァァァ
「くっ!」
防御をしてなかったため、私たちはもろに攻撃を受ける。
花びら一枚一枚が鋼鉄のような硬さなのに、こんなに大量にあるなんて!
チート過ぎないですか⁉
何とか勘で走り抜け、花びらを振り払う。
ウィンも同じようにして攻撃を避けたようだ。
この攻撃をされ続けたら、確実に負ける…!
さっきまでは娘を思って自重していたようだけど、今のコヨウさんは本気だ…
ウィンのことは殺さないだろうけど、私はそうはいかない。
出会ってから一年もたっていないただの小娘。
しかも自分のことを邪魔するような小娘。
そんな子を生かすと思う⁉ 生かさないね⁉
これは…本当にまずい。
「フゥゥゥー」
溜まっていた空気を外に出し、焦る気持ちを心の奥底に沈める。
焦っても勝てない。 思考を妨げるだけだ。
考えろ。 格上に勝つためにはどうすればいい…?
――!
そうだ。 瞳孔だ!
私はステラ王国の王女として生まれた。
王族の証である瞳の特殊な瞳孔がなかったから捨てられた。
図書館に行ったりして、自分なりに考えてみたけど、あの瞳孔は制御出来ない大量な魔力による瞳の突然変異によるものだと考えた。
確証はなかったけれど、ウィンが魔力暴走の後に瞳が変わったのを見て、確信した。
大量の魔力に耐えられるように瞳が変異して、魔力を制御出来るようにするのだ。
それにより、魔力の流れがスムーズになり、色々な魔法を使えるようになれるのだ。
私に特殊な瞳孔がなかったと考えられる理由は2つ。
1つ、普通に魔力量が少なかったから。
2つ、大量の魔力を自分で制御が出来たから、瞳が変異しなくても生きていられたから。
私は後者だと思う。
だって鑑定した限りだと、魔力量が少なくは見えないからね。
もし、私の考えがあっているのなら、、、魔力暴走を起こせば一時的に瞳が変異するのではないか…?
失敗したら死ぬかもしれないけど…
負けても死ぬかもしれないから、やるしかない…‼




