第19話 敵対
輝く赤い星に照らされ、優雅な所作でお茶を飲む天使と、所作は汚いけど目が凄くキラキラしている少女と私はお茶会を開いている。
なぜ少女の目がキラキラしているかというと…
目の前にマカロンがあるから…
ではなく、魔力暴走の後遺症で瞳の中に桜の花の模様ができたから!
ウィンはその目から魔力が駄々漏れになり、その魔力がキラキラ光ってこうなっている。
シーちゃん曰く、数週間はこのままらしい。
――ビクッ!!
突然シーちゃんがびっくりしたように肩をビクッとさせた。
なになに!?
「なになに!! 急にどうしたの!?」
「……みんな、とりあえず家の中に入って…」
「う、うん……」
♢
「これから、2人には困難が訪れるわ… でもね、困難が訪れても、私は2人と一緒に戦うことができない……」
「……?」
えーと、つまり困難が訪れても助けられないから自分たちで頑張って! ということですか……?
えっ!? 困難が訪れるの!?
具体的にはなんだろうね?
というか、なんで一緒に戦うことができないのだろう?
「それは、時が経てば分かるよ!」
やっぱり心読めるやん!
……シーちゃんがビクッとするくらいな相手でしょ?
それってやばいんじゃないかな……?
―――ゾワッ
っ!? これは威圧!?
どこから!? ここ、室内だよ!?
遠くからでも分かる程の凄まじい威圧……
これはかな〜り強そうだ……
「ウィン、来るよ……」
「……分かってる…」
―――ドガアァァ
その瞬間、威圧を放ってきた者がシーちゃんの家の分厚いドアを蹴り破って入ってきた。
その人は……
「コ、コヨウさん!?」
なんで……?
「……っ!? やはりお前が……」
コヨウさんがウィンを食い入るように見つめて、息を飲む。
「え? なになに? なんで私の事見るの?」
「その目はどうした? 前は違かっただろう?」
「魔力ぼーそーが起きて、治ったらこうなった……じゃなくてなりました!」
それにしてもなんでコヨウさんは威圧を出したんだ?
「その目は、『桜の目』と言って、私の一族の直系にしか発現しない目だ」
なんだって!?
ということは……ウィンはコヨウさんの娘…?
「つまりウィン、お前は私の娘だ」
「「……っ!?」」
ウィンは捨て子……
つまりコヨウさんがウィンを捨てた……?
「今、私の一族は後継者がいない。 ウィン、桜一族の当主にならないか?」
桜一族は、公爵家……
それはもう凄く名誉あり由緒正しい一族。
ウィン、当主になっちゃうの……?
「私のことを捨てた家の当主になるわけないでしょっ!!」
ウィンは肩をぶるぶると震わせて答える。
「た、たとえお金いっぱいあって、たくさん美味しいもの食べれたと……しても、、、当主には……なら…ない…!!」
んんん? なんか途切れ途切れだし、目も泳いでる。
もしかして、結構決意が揺らいでる……?
そこはちょっと、かっこよくきめて欲しかったな……
「ならば…無理やりにでも連れていくぞ……!」
「へ……?」
「えっ!?」
いつの間にかコヨウさんが私の真横におり、ウィンを抱えてる!?
「わー! はーなーせーー!!」
ウィンが手足をバタバタして抵抗する。
けれどもその抵抗は虚しく、コヨウさんは桜の花の形をした羽をはやし、ウィンをつかんで飛び去って行った。
「え……?」
「パープちゃん! 急いで追うのよ!」
「あっ! う、うん!!」
と、とにかく追わなくてはっ!!




