第17話 炎鬼との戦闘①
これはウィン目線です。
私は大三賢者のコヨウさんに依頼された炎鬼の討伐をしに来ている!
へへへへへ!
これで討伐成功したら、ワンチャン昇格できるかもっ!
うーん、ここら辺に炎鬼が住んでいるはずだけど…
「お前、何しにここに来た?」
上から野太い声が聞こえてきた。
上を見ると赤褐色の肌に、まるで炎のような赤い髪に黄金の角をはやしている男の人が木の枝に腰を掛け、見下ろしていた。
うーん。 筋骨隆々すぎて、私のタイプではないね!
私はリバーみたいに細くてかわいい男の子がタイプ!
ショタではない! 断じてショタではない!
「おいお前! 俺様の話を聞いているのか⁉」
あ… 返事するの忘れてた☆
「ねね、人のことを襲いまくっている鬼って知らない?」
「それは俺様のことだな。」
すぐ白状したぞ…
「私、あなたの討伐を命じられてきたの」
「やってみな…!」
――ブワアァァ
鬼から凄まじい殺気が発せられる。
鬼に会う前に用を足しといてよかったぜ。
私も負けじと殺気をぶつける。
これは私の方が分が悪いな…
はじめから『桜獣化』していた方が得策かも。
これは今までにないほどの戦いになりそう…
まあ、命を懸けた戦いをしたことがないから当たり前だけどね。
『――桜獣化――』
「お前、結構強いみたいだな。 これは久々に楽しめそうだ」
あんた、そんなセリフ口に出して恥ずかしくないのか?
お互いがお互いを睨み合い、殺気をぶつけ、闘志を高めあう。
先手は炎鬼からけしかけてきた。
枝を蹴りもの凄いスピードで私に向かって落ちてくる。
これは…チャンス!
落ちている時は避けられないはず!
今こそ必殺のパンチ!
――スカッ
「あれ?」
鬼が首を傾けるようにして私のパンチを避ける。
パンチが空を切ったことで私の体制は崩れた。
ここぞとばかりに鬼が炎を纏った拳で私の顔めがけて攻撃する。
私も首を傾げるようにして避ける。
けれど少しかすったようで、私の頬から血が流れるのが分かる。
追撃されないよう威嚇の蹴りを入れ、お互い飛ぶようにして距離をとる。
「…お前、名前は?」
「ウィン! あなたは?」
「俺様はフローガ。 お前は何で俺を殺そうとする?」
そういえば考えてすらいなかったな。
昇格するため? 違うな…
うーん。 悪い鬼だから? それも違う。
あ! これだ!
「強くなるため!」
我ながら完璧な回答だな!
「ハハハッ! ウィン、お前面白いな! 出会いが違っていたら友達になれたかもな。 俺様もな、強くなるために人間をたくさん殺したんだ。 そこらの強い魔物より経験値も豊富で弱い。 レベルアップに適した人間だ。」
おいおい。 私をお前と一緒にするな!
私は虐殺者でもないし、殺す相手を選ぶよ‼
そして人間はおもちゃじゃないよ!
あいつ…ばかだ。
やっぱりこいつはここで殺さなくては。
「フローガ、お前はここで死んで私の踏み台になれ」
「お前こそ死んで俺様の経験値になれ」
さあ、第二ラウンド開始だ。
炎鬼との戦闘はもう少し続きます。




