第111話 戦慄の姉妹喧嘩
「きゃー! パープ様ー! こっち見て~!」
……もう清々しいくらいの手のひら返しだね!
「あの人……ウィンなの? 雰囲気変わった?」
「隣の桜色の髪した人は誰? 双子みたいに似ているわ」
そう……ウィンリー様を学園に連れてきたのだ!(もう知っていると思うけど)
二人は双子みたいに似ているし、みんなが混乱するのも頷ける。 まぁそれを利用して、本当は双子ではないけど、双子っていう設定で通しておく。
まぁ、説明を何度もするのも面倒くさいし、クラスについてからコヨウさんに説明してもらおう。 もちろん、裏工作はしているさ。 これでコヨウさんも共犯者! コヨウさんはウィンの為なら何でもするし、信じてたさ!
♢♢♢
「新しくこのクラスで授業を受けることになったウィンリーだ」
「「「⁇⁇」」」
みんなはえ?って顔をしている。 まぁ当たり前か。
「コヨウ先生、その人はウィン様ではないのですか?」
「魔王との戦いで、ウィンは髪の色が桃色になってしまったのだ。 そしてこっちの水色の髪の方はウィンの双子だ。」
「なんで今になって学園に通うことになったのですか?」
「えー、今まで病気がちで通えなかったが、なんかいろいろあって通えるようになったんだ、うむ!」
チラチラとカンペを見ながら言うコヨウさん……説得力が皆無!
「では、ウィンリー、自己紹介を」
「我はウィンリー・ブロッサムだ。 得意な魔法は雪じゃ!よろしく頼もう」
えー、みんなは空気を読んで拍手をしてくれました。
「ねえねえ、ウィンリー様って何の精霊なのかな?」
「たしかに!気になる〜」
と、ヒソヒソと話していると、、、
「我は雪の精霊じゃ!」
さすが地獄耳! まぁ、私も聞こえたけどね! うさぎの耳舐めんなよっ!
「双子揃って雪の精霊なんだね〜」
と、またまた聞こえてくる。
もう説明めんどいから言わないけど、ウィンは雪の精霊だったけど、なんやかんやあって今は桜の精霊だよ!
休み時間、ウィンリー様とウィンの周りにワイワイと人が集まってくる。
「わー! 本当にお人形さんみたいに綺麗!」
「体は大丈夫なの……?」
「あぁ、大丈夫じゃ」
みんなに質問攻めやらべた褒めやらでウィンリー様は上機嫌だ。
「ねぇ、どっちがお姉さんなの……?」
誰かがポツリと呟く。 その言葉に教室は静まり返り、緊張が走る。
皆が気になっていたこと……ポワポワしている方が姉か、キリッとしている方が姉か……!?
さあ、どっちが姉なのだ――
「「もちろん……」」
――ゴクリ
「私が姉よ!」
「我が姉じゃ!」
教室が凍りつく。 どちらが本当なのかと皆が顔を見合せた。
え……? 別に本当の姉妹じゃないし、偽造の姉妹だよ? そんなのテキトーに話し合わせとけばいいじゃんか。
「我の方が強いから我が姉じゃ!」
「私の方が姉としての威厳持ってるもん!」
ん-、いや? いやいや? ウィンは姉としての威厳何も持ってないよ!?
「ここで白黒つけてやる」
「望むところよ!」
――ブワ――
二人の威圧がバチバチと火花を散らし、教室が凍る。 凍ったのは物理的に凍ったのだ。 ウィンリー様の魔法によって。
ウィンも負けていない。 けど、やっぱり力の差がありすぎる。 このまま戦ったらウィンが確実に負ける。
「きゃー!」
「うわー!」
周りからは悲鳴が上がり、皆が逃げ惑うけれど、二人は威圧をやめない。 ついには窓ガラスまで割れそうになり、ガタガタと嫌な音を立てた。
どうしよう! 止めないとまた教室がぶっ壊れる! それに、ウィンが怪我しちゃうかもしれない!
二人の威圧が強すぎて、割り込みたいけど割り込めない!
どーすればいいんだい!?
「二人とも、やめなさい?」
シーちゃんの声で二人の威圧が霧散する。 二人ともギギギギと音が聞こえてきそうなほど、ぎこちない動きでシーちゃんの方を見る。
二人は何を見たのか顔を青くする。 いやー、何をみたんだろうね、うん。 世の中には知らない方が幸せなこともあるんだよ?
「「ご、ごめんなさいっ!」」
「さすが海の宝石!」
「聖女様……」
周りからはシーちゃんへの賞賛の嵐! え……さっきのはマジで何だったの?
ゆるゆる回でしたね(笑)




