第107話 不安を煽る者
「パプたん! もー、また寝ちゃったの? パプたんはほんとーに欲望の塊だね〜」
はっ! どうやら石像の前で跪いたまま眠っていたみたい。
……ウィン? あとで覚えておきなね?
うーん、謎の少女……創造神様の友達の少女は何者なんだろう? 間違いなく強い。 あの纏う雰囲気が物語っている、絶対の強者。 少し、シーちゃんに似ている気がしたけど、これは気のせいかな……?
謎の少女は近い将来私たちの誰かが死ぬと言った。 ……絶対に回避する……!
「パープちゃん、難しい顔をしてどうしたの?」
……言うべきなのか? 今回は口止めもされていない。 だから言う、、、べきなの?
「あのね、大事な話があるんだけど……」
意を決して言ってみることにした。 きっと言うことでみんなが危機感を感じて死を回避できるかもしれない!
「実は私もあるわ……」
え!? シーちゃんも!?
「え、何々!? 私はないよ!?」
ウィンはないらしいね。 まぁ、お馬鹿さんなウィンには分からないだろうね~?
「ちょぉっとぉ~! 無事に帰ってきたのに私たちへの報告もなく大事なお話ですか~?」
あ……別に忘れていたわけではないけど、優先順位間違えてたわ。 相手は神、一歩間違えたらムカついたという理由だけで殺されることもある。 まぁ、ティファ―ニさんの性格上それはないとは思うけど。
「ごめんね、人族の神。 今お茶を出すから部屋で待ってて」
「やった~! 上で待ってるから早く来てね、“死神様”」
ティファ―ニさんは顔をほころばせて手をぶんぶんと振り、階段を駆け上がっていった。 ……本当に神なの……?
「よし、これで邪魔者は消えたからたくさん話せるね」
神を邪魔者扱い……さすがシーちゃん。 そして、もしかしてだけど神を放ってお話をする気ではないよね?
「もちろん放置するわ」
……報復が怖くないの?
「ティファ―ニの報復ごときで怖がっていたら生きていけないをよ?」
……あ、そうですか。 もうさ、心読まれるのが当たり前すぎて違和感ないわ。
創造神様とシーちゃんは心を読んでいた。 けど、同じ神であるティファ―ニさんやアロンさん、パプリカは心を読めない。 例外もいるけどね。(謎の少女) その違いはなんだろう?
強さ? それとも生きている時間かな? もし後者だとしたら、完全に心を読んでいるのではなく、生きている経験から考えていることを考察しているだけなのかも。 まぁ、心を読むスキルがあるのかもしれないけど、、、。
「パープちゃんから大事なこと、話して」
「私、さっき創造神様に会ったの」
「「――!? 本当?」」
「うん。 それで、魔王を操っていた黒幕がいるから気をつけろって言われたの。 それで……このままだと黒幕に私たちの誰かかが死ぬって……」
私が全てを言い終えるとシーちゃんは難しい顔をして考え込む。
「……実は私が言おうとしたこともその件についてなの。 黒幕がいるから注意してねって言おうとしたけれど、それだけじゃ済まなさそうね……」
そういうとまたシーちゃんは考え込む。
「ほへ~?」
ウィンはなんか理解できていなさそう。 やっぱり馬鹿だな!
「私がいるのに誰かが死ぬ……それはありえない」
あ、シーちゃんほど強い敵はいないということ?
「だから、きっと私がいないときに黒幕が襲撃してくるのね……。 ……この件は考えておくわ。 これから、出来るだけ私から離れないようにして」
シーちゃんはキリッとした顔で言う。 キリッとした顔も可愛いなぁ。
「今日から学園が再開するまで私の家に泊まって。 リバーやナイトは私からなんとか言うから」
「おっけー!」
ウィンはあからさまに顔をニヤニヤさせている。 さてはリバーと再会できるのがうれしいんだな?
つまり、、、ウィンは自分が死ぬかもしれないという状況になっていることが理解できていない!
これでひとまずは安心だけど、不安は消えない。 なんだか背筋が凍るような嫌な予感がする。
シーちゃんがいるから安心だとは思うけど、、、万が一があったら大変だから、警戒を怠らないようにしよう。
シーちゃん、シーちゃん♪




