第104話 ハラハラな謁見
――ギィィィ
大きな扉が開く。 深呼吸してから謁見の間へ足を踏み入れる。 謁見の間の階段の上には皇帝とアナビスなどの皇族関係者がいた。
私たちはシーちゃんを先頭にしてゆっくりと歩く。
そして右手を胸に当てて片足だけ床につけて跪く。
なんか爵位とか地位によって跪く位置が変わるらしいけど、今回は時間がなかったので自分の跪く位置しか知らない。
シーちゃんは王女だし、ウィンは戸籍上公爵令嬢だから、結構先にいる。 私も一応第三賢者だから、貴族階級で言うと伯爵家当主くらいの地位である。 だからシーちゃん達とだいぶ離れている。
でもね、ナイトよりはマシだよ……。 ナイトに至っては平民なのですっごい後ろの方で跪いている。
「帝国の月にお目にかかります」
シーちゃんが代表でそう言い、頭を下げる
「面を上げよ」
顔を上げて皇帝を見ると……すっごい冷たい顔して私たちを見下ろしていた。 皇帝はアナビスに似ているから、そんなに冷たい顔をされると傷つくわ……。 まるでアナビスに睨まれているようだ……。
「今回、魔王を倒してくれて感謝する。 魔王に関しては頭を悩ませていたからな。 ただ、もっと早くに伝えていてくれたらよかったんだがな」
うぐ……! だ、だってぇ~、ウィンが攫われたりコヨウさんが人質になったりして大変だったんだもん!
な~んてことは、失礼に当たるから言えないけどね。
「こーてー様、お母さんを助けるためだから仕方がなかったの! 許して!」
おいっ! ウィン!? あんたは余計なことを言わない約束だったよね⁈ なんで喋ってるの!? しかもめちゃくちゃ失礼なことを! 最悪処刑だよ!?
どうしよう、もしそうなったら帝国を滅ぼそうかな、否、皇帝を殺せばワンチャン……。
「貴様! 父上になんという失礼をっ!」
アナビスの隣にいた……多分皇太子殿下! 皇太子殿下が声を荒げる。 時期皇帝なのに威厳がないな……。
どうしよう、どうしよう! 先手必勝で攻撃しようかな?
そんな考えがシーちゃんにバレてしまったようで、威圧のこもった睨みで止められる。 あ、すいませんでした。
その瞬間、さっきまで私のことを睨んでいたシーちゃんが消える。
――ドゴン
気づいたらシーちゃんはウィンに踵落しを放っていた。 ウィンは悲鳴すら出さずに気絶する。
シーちゃん!?!?
「皇帝よ、罰は下したのでどうか寛大なお心で許してください」
「う、うむ。 今回のことは許す」
な、なるほど……先に罰を下して許してもらうということね! でもさ、さすがに頭が床に埋まるほど蹴るのはやり過ぎじゃないですかね……? ウィン、きっと当分の間は目覚めないな。
「オホン、でだな。 魔王を倒した英雄達にはぜひパレードに出て欲しいのだ」
「パレード、ですか……?」
「そうだ、ぜひ英雄の姿を国民の見せたいのだ。 いいだろうな?」
皇帝が圧力をかけてくる。 まぁ断る理由もないし、美味しいもの食べれそうだからぜひ参加したいな。
「では、参加いたします」
「うむ」
「……パレードには姿の見えないもう一人の英雄にも出てもらうぞ? パレードは1カ月後だ、必ず出るように。 必要な物はすべてこちらが用意する」
じゃぁ、ドレスとかも用意してもらえるんだ! やったぁー!
「父上、あの件を……」
「あぁ、そうだったな」
皇太子殿下が皇帝に何かを言う。 アナビスはなんだか顔が青い。 どうしたんだろう?
「英雄の中で特に活躍したパープよ、そなたに褒美を与える」
褒美!? でもね、全然ワクワクしないの。 だって、アナビスがすっごい憐みの目で私を見てくるから。
「そなたは我が帝国の皇太子妃になってもらう」
は、ええぇぇええ!?
やっとテストが終わったので、通常通りの投稿ペースに戻ります!
勉強なんか大嫌いだっ!




