第102話 成功!
『これが我の前世の記憶の全てじゃ』
……。 ウィン、この酷い行いを見て、世界を滅ぼすとか言わないよね……?
「……くだらない」
『は……? くだらないだと?』
ウィンリー様が殺気立つ。 殺気からウィンリー様の感情が流れ込んでくる。 冷たくて鋭い、悲しい殺気。
ウィン、なんでくだらないなんて言ったの?
「だってくだらないんだもん!」
ウィンはウィンリー様の殺気に負けないよう大きな声で叫ぶ。
「世界を滅ぼしたいと思うなら、前世で死ぬ前にみんな殺せばよかったのよ! あなたが本気になればきっとできたはず。 それに……私のことを強制的に吸収して肉体を奪うこともできたのにそれをしないで私に提案をしてくれている。 そうしたのはなぜ?」
ウィンさん!? あんた、、、実は頭よかったの……? なんかすっごい考えてるね!
『そ、それは……』
ウィンリー様もたじたじだ!
「できなかったんだしょ? あなたは優しすぎる。 世界の厳しさに私が傷つかないよう、幻影を見せたりしたんでしょ?」
たしかに、そうだったら辻褄が合う。
『は……全てお見通しか』
合ってた~~~!?!? ウィンさん……テストで赤点とるくせに、こういう所は勘がいいというかなんていうか……。 まぁいいや! ウィン、ナイス!
『……我の手助けなど必要なかったのだな。 でも、覚えていて欲しい。 人に期待はするな。 期待しただけ絶望することになるぞ』
……ウィンリー様は信じることがトラウマになっているのか。 いつかウィンリー様も人を信じられるように頑張ろう! この世界にもシーちゃんのように裏切らない人がいるって教えてあげるんだ! 努力すればきっとウィンリー様も人を信じられるようになるよね……?
だってもうウィンリー様とは友達だから、そうしていい権利あるもん!
『……我は前世の肉体に移る。 ……おそらくすぐ会えると思うがしばしの別れだな』
ん? なんかすんなり進んだね? これでいいの?
「うん! ウィンリー、またね!」
『……うん』
な、なんかいい雰囲気~~~!
私、この場に居なくてよくね? だって結局ウィン一人で解決したし、私はただ傍観していただけなんですけど!?
ウィンリーはうっすら笑いながら光に包まれて消えていった。 多分、シーちゃんの魔法が成功して他の肉体に移動したのだろう。
私たちの体も光に包まれ、意識が段々と消えていく。
戻ったらシーちゃんを力いっぱい抱きしめよう。
♢♢♢
「……ん?」
「目覚めたのね!」
本当に成功したみたいだね。 どうやらウィンも同時に目覚めたらしくきょろきょろと辺りを見回している。 そりゃぁ、目が覚めたて知らない所にいたらびっくりするよね。
ウィンリー様は……まだ眠っている。 当たり前か。 まぁ、はやく起きて欲しいな。
あ、シーちゃんを抱きしめなきゃ! そして、私がいるから大丈夫だよって言うのだ!
「‼ どうしたの、ウィン」
……また先越されたぜ!
「シーちゃんの前世見たよ。 辛かったよね、もう大丈夫! 私がいるからもうあんなことは起きないよ!」
く……! 私が言おうと思ったこと全部言われたぜ! ちくしょう!
パープ、君はなんて残念な子なのだろう……。




