遺失物はなんですか? オーパーツです
なろうラジオ大賞3 参加作品
使用キーワード「オーパーツ」
1000文字制限
アメリカにある核実験場において、ある日、謎の物体が発掘された。
それは2立方メートルほどの謎の金属でできた正立方体。
黒光りしツルツルの表面には、凹凸も鍵穴も取っ手も一切見当たらない。
時折青白く発光するそれは、様々な科学的解析を行っても、どんな物資で構成されているのか? 用途は? 何処で誰が作製したのか? 何一つ解明することは出来なかった。
結局、現在の人類では、この物の正体を明らかにすることは出来ず、オーパーツとしてアメリカの研究機関に保管されることとなった。
そしてそのオーパーツ発見から半年後、アメリカの上空に、一隻のUFOが突然現れた。
多くの人々が見守るなか、UFOから宇宙人らしき者の高い声が響いた。
「我々はN惑星から来た者だ。この惑星に危害を加えるつもりはない。この惑星の代表者と話がしたい」
突然の地球外生命体の訪問と要求に、世界の首脳や関係者が困惑した。急遽、電話会談が行われ、その場はアメリカ大統領が代表として対応することとなった。
大統領は国の施設に宇宙人を招待した。
宇宙人は3名、姿形は地球人とほとんど変わらずに、銀色の作業服を身に付けていた。
大統領はかしこまって挨拶をする。
「ようこそ地球へ。私たちはあなた方を歓迎します」
「我々はこの惑星の人と関わろうとしに来た訳ではない」
「では、どのようなご用件で?」
「紛失物を取りに来た」
「紛失物? とは?」
「この惑星で表現すると、黒く四角い物体と言うのか?」
「もしや……」
「この惑星時間で、約半年前に我々はその物体の信号をキャッチしたので、回収しに来た」
その後、大統領はオーパーツの保管場所に、宇宙人達と移動する。
「遺失物とは、これのことでしょうか?」
「まさに、これだ」
オーパーツは宇宙人に呼応するかのように、青白く点滅する。
そして宇宙人は説明する。
「約200万年ほど前、この惑星は今の文明より高い水準の科学技術を有していた」
「しかし、余りにも争いが絶えず、さらには他の惑星までにも紛争をもたらすようになった」
「そこで我々はこの装置を使い、この惑星の技術を消滅させた」
「なんと、そのような過去の出来事が!?」
「その時この装置は行方不明となっていた。が、そのままここに眠っていたとは。我々の惑星では紛失物を拾得し保管した者に感謝の気持ちとして、その3割をお返しする慣わしとなっている」
「それはそれは」
「なので、我々は今からこの惑星の文明を3割消滅させる」
もろ、星新一さんのショートショートぽいです。
本当にこんな内容のが、ありそうで心配です。
あったら教えて下さい。