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君の気持ちは絵のなかに  作者: 兎刀丸
4/6

いじめの始まり……

「行ってきまーす」

朝、中学校へ向かおうと家を出る流間に母が心配そうに言う。

「いってらっしゃい、車とか気をつけてね!」

「分かってるって!」

「あははっ!相変わらず、流間のかあさんは心配性だな!」

流間の家まで呼びにきた春樹は、流間の母の言葉を聞いて笑いながら言った。

「まぁ~うるさいけどな」

流間は呆れたように言った。

涼しい風がふく朝、流間と春樹はアニメの話しや家族の話しなどをしながら、学校へ向かった。






「おはよー……え…?」

流間と春樹が教室の扉を開けたら、幼なじみの景斗と、景斗の友達二人と……うずくまっているあざだらけの瑠衣の姿がみえた。クラスの皆はみて見ぬふり。

「よぅ!流間!おはよー!」

「な…何やってんだよっ!?」

「何って…見たら分かるだろ?」

景斗は瑠衣を踏みながら言った。

「………。」

瑠衣は何か言いたそうな顔だ。

「景斗……なんで……なんで河口くんをいじめてるんだよ…」

「いじめ……?これはいじめじゃないぜ?ただの遊びだ。なっ、河口?」

景斗はいじめを遊びと言っている。景斗は瑠衣に視線を向けた。友達としての暖かい視線ではない。

「う……うん……。」

かすれた声で瑠衣は言う。景斗が怖いのだろう。遊びじゃないと言えない。

「遊びって……これが遊びって言うのか?!景斗っ!!」

「え?逆にこれがいじめに見えるのか?……ほら、流間と春樹もあそぼうぜ!」

そう言って景斗は瑠衣を蹴り飛ばした。

そして流間の耳元で、皆には聞こえないような声でいった。

「俺たちはいとこで同い年、ずっと一緒にいただろ?先生にちくるなよ?それよりお前も河口と遊ぼうぜ?俺らのグループに来いよ……いとこだろ?」

「な……」

流間は景斗と小さい頃からよく遊んでいて、仲がよかった。流間が困っているときは、景斗が助けてくれた。そんな景斗が人をいじめるなんて、信じられない。でもこれはいじめだ。

しかも景斗が言っていたのは、いじめのグループに来いと言うことになる。

(いじめはダメだ……けど…景斗を裏切れない……でも…)


「やべっ!先生くる!」

突然、廊下で見張っていた景斗の友達の月島光星が大声で言った。

「ほら、さっさと立て!」

瑠衣は景斗に言われ立ち上がり、フラフラと自分の席に座った。

「このクラスでちくったやつがいたら、すぐわかるからな!自分も河口みたいになりたくなかったら、黙っとけ!しかもこれは遊びだ。瑠衣も遊びだって言ってるんだからな!」

黒板の前で景斗は大きな声で、皆に言った。

流間は手を強く握りしめた。

(クソ……どうすればいいんだ……!)

「おい、流間も早く座れよ?先生くるぜ?」

「う…うん。」

流間と景斗が席についたあと、すぐに先生がきた。

先生が何か話している。だけど流間には、全然聞こえなかった。

これからの学校生活……どうなってしまうのか……

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