表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の気持ちは絵のなかに  作者: 兎刀丸
2/6

美術室で

今日の授業が終わり、流間は部活の部屋へ向かった。

ちなみに流間は美術部。友達の春樹も一緒だ。

「いやぁ~、美術部はアニメイラスト描くのかな~って思ってたけど…違ったな~」

「…なぁ!」

流間は姉の影響で、アニメが好きになった。それで、アニメイラストを描きたいと思い美術部に入ったのだが…風景画や自画像など、想像していたのと違ったらしい。

春樹も同じ理由で美術部に入った仲間だ。

「ん…?」

「どした~流間?」

「あそこにいるのって…河口くんじゃね…?」

美術室の前に、瑠衣が立っていた。

「あっ!ほんとだ~!絵描くの好きって言ってたから、美術部に入るのかな?」

すると瑠衣は、流間達の視線に気づいたらしく、小さくお辞儀をした。

「どうしたの?」

流間は瑠衣に、聞いた。

「あの…美術室って…ここであってますか?」

「あってるよ!河口くんも美術部入るの?」

「はい…!榊原さん達も美術部なんですか…?」

「そうだよ!宜しくなっ!」

瑠衣は知ってる人がいて、ホッとした。

「宜しくお願いします…!」

そう言って、美術室に入った。




「席はこっちだよ~」 

「あ…ありがとうございます。」

春樹が瑠衣に席を教えた。美術室の席はクラスごとに一列に座る。

瑠衣の隣の人は知らない人で、瑠衣は緊張しているようだ。


「皆そろったねー?」

「一組の高橋さんと四組の山崎さん欠席です。」

「わかりました。高橋さんと山崎さんね~」

美術部の女の先生、斎藤先生が確認をしたあと、部長が欠席者を言った。

そして、斎藤先生がメモをとった後、ノートをパタンと閉じて前を向いて話す。

「えーっと、今日は風景画を描いてもらいます!キレイだな~と思った景色や、感動した景色、心に残った景色を描いてね~。画用紙は前にあるから…一番前の席の子、自分の列の人数分取りに来てね。」

「風景画…かぁ……」

流間はボソッと言った。

「オレは苦手だなぁ…」と言いながら、春樹は流間に画用紙を回した。

「サンキュ~……はい、河口くん」

「ありがとう」

瑠衣は画用紙をもらって、裏に名前を書いたあと、すぐに描きだした。

案が浮かばなかった流間は、瑠衣の絵をちらっと見た。

(すげぇー!……早く描いてるのにバランスがとれてる…綺麗だし…)

瑠衣は迷う暇もなく描いている。それが流間には、魔法のように見えた。 

(……でも何か違和感が……?)

流間は首を傾げる。瑠衣の絵は何か物足りないと言うか……暗い感じがする。

一つの家に、外灯が一つしかなく、明かりが足りない。まるで絵の中の家が一人ぼっちで泣いているように見える。

「はい、榊原くんも自分の描くっ!」

「あ…!はいっ!」

斎藤先生に肩をトンとされた流間は、自分がボーッと見ていた事に気づいた。

そして、案が浮かばないまま、適当に鉛筆を動かした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ