転校生
「皆、席についてー!」
ガヤガヤしていた教室は、担任の女性の先生、崎本先生の言葉で静かになった。
流間は友達の春樹と話していたが、止めて席につく。
その時、隣の席があいていることに気づいた。
「朝の会の前に、ニュースがあります。このクラスに新しい生徒が来ます!」
「「おぉー!!」」
(誰だろう…男…女…?)
流間は男か女かが気になったらしい。
「可愛い子かな~」
「イケメンだったらどうしよう…!!」
「アニメ好きかな~!!」
「筋肉がすごかったりしてっ!」
急に皆が話しだしたので、先生は注意をする。
「はいはい静かにっ!……河口くん、入ってきてー!」
先生がそう呼ぶと、教室の入り口から一人の少年が入ってきた。
「は…はい…!」
ひとみしりな性格なのか、下を向いている。
「チっ…可愛い女の子が良かったぜ…」と景斗が言った気がする…
「イケメン…かなぁ…?」と誰かが言った気がする……
流間は「そう言うことは言っちゃいけないよ」と小さい声で言った。
「自己紹介をしてほしいな。」
先生が言うと、少年は口を開く。
「え…えっ…と…、河口瑠衣です…。」
「…あっ!好きな食べ物とか…特技とかない…?趣味とか!!」
河口瑠衣と言う少年は、すごく緊張しているようだ。
「…好きな食べ物は……子供っぽいけど…“ボーロ”で…特技は…特にない…です…。趣味は……絵を描くことです……。よ…宜しくお願いします…。」
瑠衣は、ぺこっとお辞儀をしたあと、一歩後ろにさがった。
流間は絵を描くことが好きなので、話してみたいとソワソワしている。
「…ありがとね。河口くんの席はー…あのあいている席よ。分からないことがあったら、先生やクラスの皆に聞いてね!皆もいい?」
「はーい」
瑠衣の席は校庭の窓側だ。瑠衣が席につくと、隣の席の流間が挨拶をした。
「よっ。俺の名前は榊原流間。俺も絵を描くことが好きだし…宜しくなっ!」
「よ…よろしく…お願いします。」
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴った。
「皆さん一時間目の準備をして。」
一時間目は国語だ。
ちなみに崎本先生は家庭科の先生だ。
「河口くんと仲良くね!」と言って、先生は教室を出た。
まだ国語の先生は来ていない。
「なぁ、河口くん。」
「……?」
流間は瑠衣に言った。
「いつも何の絵描いてんの?」
「え…と…風景とか…人とか…」
「人…?人って、アニメとかみたいな絵?それとも…人間?」
「どっちもです…」
「どっちも?!」
なぜか、流間は大声を出してしまった。
(やべっ…)
クラスの皆は流間をみて、笑った。
「河口くん…ゴメンっ!!それにしてもどっちも描けるって凄いな!」
「え…いえ…」
アニメ絵しか描けなくて悩んでいる流間。瑠衣に憧れた。
「はい!静かにー!」
教室のドアが開いて、国語の先生が入ってきた。
皆は前を向いく。
瑠衣は少し心配していたが、友達ができそうで安心したようだ。
そして…授業が始まった。