クリスマスいかがお過ごしですか?
イエスキリストさん。お誕生日おめでとうございます。
世の中は今、クリスマスという熱にあてられて暖炉のように燃え盛っております。しかし毎年のことながら、私はその幸せな勢いに乗り遅れてしまっているのです。
家族と暖かく過ごす人。恋人と燃えるような一夜を過ごす人。仲間たちと輝く時間を過ごす人。
皆さん楽しそうで何よりです。
それらの例に漏れて、聖誕祭の終焉と列席者の爆散を望む人々も、なんだかんだで楽しそうに見えるのは気のせいではないはず。
翻って自分はどうしたものか。
炬燵でまったりミカンを食べている。
これでいいのだろうか?
ブッダさんの誕生日は祝わなくていいのだろうか? なんて思いながら検索エンジンを立ち上げている場合ではないのかもしれない。
ちなみに四月八日だそうだ。一応誕生日会も開かれてるらしい。それは良かった。
少しホッとする。
いや、そうじゃない。
今はキリストさんの誕生日についてだ。
世間が大盛り上がりする中、自分はもっと何かしたほうがいいのではないか。
何となく取り残されたような気持ちが込み上げて、炬燵に温められた足元がどうも落ち着かなくなってくる。
こういう時は取り敢えず行動するといいらしい。
仕方ない。
取り敢えず、部屋着のまま試しに外へ出てみた。扉を開ける。寒い。すぐ閉めた。鍵もかけてやった。さよならクリスマス、また来年。
いそいそと炬燵に逆戻り。
ペットのトナカイたちが「お帰りなさい」ともふもふの顔を擦り付けてくる。可愛い。
うん、こいつらがいれば十分でしょ。
昨日はみんな頑張ってくれたし、今日はスキンシップの日にするか。
私は炬燵に入ったまま、一頭一頭をじっくり労いながら皮付きミカンを差し出してゆく。
……あれ? 去年も丸っと同じことをした記憶が、いやいや、気にしない気にしない。
今はこいつらを全力で「もふもふ」する時間だ。
そこはサンタクロース協会日本支部。
年末の大仕事を終えた彼は炬燵に入り、今年もトナカイ達とミカンを頬張りながら年明けを迎える。